良い子の歴史博物館

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司法立法機関(法府)

2009年06月23日 | 七権分立論
引き続き七権分立論の続きを書く。

先日の記事『「議会=立法機関」??』でも書いたが、
現在の三権分立での議会の立法機能は既に形骸化している。
官僚組織の助け無しに法案を作成することは不可能だからだ。
法の整合性を確認するだけでも、優秀なスタッフを有する法制局がOKをださないといけない。
議会は、せいぜい法案の承認の儀式を行う機能を果たすに過ぎない。

しかも新たな法の多くは、仔細項目の決まりを運用行政機関の決定に委任していたりする。
行政府が法の運用だけでなく、法の細目の条文を決定できるようにしているわけだ。

それに、そもそもモンテスキューが司法と立法とを分けたことに無理があるのではないか?
法学部で「憲法」を学んだことのある方だと、
ノルトはとんでもないことを言い出すと批判するかもしれない。

しかし、少し考えてみて欲しい。
世の中で生じる様々な出来事を成文法だけで網羅することは不可能で、
実際の訴訟案件で新たな判断が示されることも多いのではないか?
つまり司法が「判例」という形で、事実上の立法行為に及んでいるわけだ。

実際のところ、三権分立の理論は単なる理論に過ぎず、実際には、そのように動いてはいない。
それなのに理論に合わせようとすることに無理がある気がする。
理論に合わないものを、不適切として批判することも間違いではないか?

例えば、古代中国や古代日本で採用された律令制度は、しだいに現実に合わなくなっていった。
官制の中では令外官が多くなり、令の仕組みが形骸化していった。
それなのに律令制を堅持しようとする政府指導者もいただろう。
ノルトの考えでは、そういう彼らは時代遅れの愚か者だ。

そう、理論に合わないものを理論に合わせようとしてはならない。
そして司法と立法は同じ機関に担当させて良いと考える。

ノルトの考える法律制定の仕組みは、こうだ。
1、各所轄機関が法案を策定し、法府に提出する。
2、法府は法案を精査し、OKならば、
  通常はそのまま法律制定とする。
3、但し、国家の行く末が決まるような“重要法案”の場合、
  権威認証機関(たぶん、議会にあたるもの)の承認を得る必要がある。
  重要度の判定は法府が行う。

では議会が果たすことは何か?
重要法案の承認の儀式である。

法府は、さらに既存の法律の中で、実情に合わなくなったり、
整合性が取れなくなったもにについての精査を常に行う。

米国や日本などでは、該当する訴訟案件がないと、
司法の憲法審査権を発動することが無い。
ドイツなどでは憲法裁判所があって、訴訟案件がなくても、憲法審査が実施されるらしい。

整合性チェックは、制定済みの法律に対しても、法府が実施するものとする。

このような司法立法機関(法府)を独立政府機関としてみたが、どんなものだろうか?

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