やっちゃんの叫び

感じたまま、思ったままを話してみませんか。

中国が尖閣を狙う「海警局」の船に武器使用を認める法案、「3つの組織」に対抗策は?

2021-01-05 23:29:18 | 尖閣情報・領土問題
週刊新潮WEB取材班編集 2021年1月5日 掲載より引用、抜粋改変

 2020年、尖閣諸島の日本の領海のすぐ外側にある接続水域で確認された中国海警局の船は、2008年以来、最多の333日間を記録した。さらに、日本領海への侵入は29日を記録している。

 さて、尖閣諸島を狙っているのは海警局だけではない。米国の海兵隊に相当する中国海軍陸戦隊と海上民兵も尖閣諸島への上陸を狙っているのだ。

 そこで、尖閣諸島を狙う海軍陸戦隊、海警局、海上民兵の実態を解説しよう。

1 海軍陸戦隊
 中国海軍は、約750隻の艦艇を保有 している。対して、海上自衛隊の主要艦艇は140隻 に過ぎない。

◆第4の艦隊に格上げ
 2019年7月公表の中国国防白書では、敵前での揚陸作戦を担う海軍陸戦隊(米国の海兵隊に相当)が3大艦隊(北海艦隊、東海艦隊、南海艦隊)と同等に格上したことを初めて明記 した。

◆尖閣諸島急襲作戦も想定
 米国防総省は、中国海軍は尖閣諸島に急襲作戦を仕掛けることを想定し、部隊育成を進めていると指摘。また、海軍陸戦隊が水陸両用車やボートを使用しての上陸、ヘリコプターで特殊部隊を潜入させる訓練をした、という。

2 海警局
 近年、海警局に所属する公船は大型化・武装化が図られている。2019年末時点で、満載排水量1000トン以上の公船を130隻保有しており、世界最大規模の海上法執行機関と言われている。

 保有している船の中には、世界最大級の1万トン級の巡視船が2隻含まれるとみられる。 また、海軍艦艇と同水準の能力を有する大型の76ミリ砲とみられる武器を搭載した公船も確認 されている。

 海警局が2018年に中央軍事委員会の直属となる武装警察部隊の傘下に編入されて以降、3000~5000トン級の大型公船の長期間航行が常態化している。5000トンといえば海上自衛隊の護衛艦に相当するサイズである。海警局の船は、今や軍艦に匹敵する規模と言っていい。

◆「海警法」の脅威
 中国の立法機関、全国人民代表大会(全人代)が2020年11月4日に公表した「海警法案」 は、中国海警局を軍事組織に準ずる組織にする法案で、12月22日から審議が開始されている。

 同法案では、中国が管轄する海域で、外国の船舶が違法な行動を行った場合に「武器の使用を含めたあらゆる必要な措置」「防衛作戦の任務を執行する」と明記されている。
 また、領海内に違法に入った外国船の強制排除や差し押さえの権限が盛り込まれていることから、尖閣諸島周辺で操業する日本の漁船だけでなく、海上保安庁の巡視船も対象となる可能性がある。

3 海上民兵
 いわゆる海上民兵(民兵とは、退役軍人などで構成される準軍事組織で、正規軍の支援が任務。中国の海上民兵は約30万人。世界最大の漁船団で編制されている)は、中国の海洋権益擁護のための尖兵的役割を果たしている。

◆8万隻の漁船で構成
 2016年8月、300隻に上る中国の漁船が尖閣諸島の接続水域内で操業 。同時に、海警局などに所属する約20隻の中国公船が、この漁船と連携して領海侵入を繰り返した。福建省の漁業関係者によれば、これら漁船には少なくとも100人以上の海上民兵が乗り込んでいたという。

◆海上自衛隊の派遣を
 海保は、大型巡視船14隻相当の体制で尖閣領海警備にあたっている。しかし、魚釣島とこれらの船が普段停泊している大正島は約110キロも離れている。その上、尖閣諸島周辺の領海の面積は約4740平方キロメートル で、東京都と神奈川県の面積を足した面積とほぼ同じである。

 燃料や食料の補給、整備などで、12隻の巡視船を一度に尖閣諸島へ派遣できるわけではない。広大な海域を警備し、領海侵犯を防ぐためには、もう海保だけでは手に負えないのが実情だろう。

 前述した中国の「海警法」の改正により、海警局船舶の武器使用が可能 になり、海警局船舶の脅威はますます増している。海保の巡視船に搭載している武器は、射程距離が短い20ミリ砲だけ である。これは中国とは交戦はしないという海保の意思表明でもあるのだが、もう、悠長な事を言っていられまい 。

 岸信夫防衛相は12月14日、中国の魏鳳和国務委員兼国防相とテレビ会議方式で会談を行っている。 岸氏は尖閣諸島周辺で中国公船の領海侵入が相次いでいる現状に「強い懸念」を表明。事態をエスカレートさせる行動を取らないよう強く求めた。 防衛大臣がこのように発言しているのだから、実力でも領海侵犯を「抑止」できるよう海上自衛隊の護衛艦を尖閣諸島周辺へ派遣すべきではないか。

 領海侵犯が恒常化しつつある現在、「絶対に領海侵犯をさせない」という日本の強いメッセージを中国へ送る時期に来ている。

宮田敦司/北朝鮮・中国問題研究家 週刊新潮WEB取材班編集 2021年1月5日 掲載 新潮社 抜粋改変
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(気構えの)メッセージは十分届いていると思うのだが、具体的にどうするかという部分で何もしないから、暖簾に手押し、結果舐められっぱなしになっているのが現実だ。今のままじゃ、尖閣は終わりになるだろう。