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Happyday of LUCKY

日々の気付きと感謝を忘れないように綴るページ

あたらしいREBORN

2013年09月17日 | Photography
写真展がおわり、かるい虚脱感に襲われている。

過去の記事を読むと、今年1月22日にアナログ暗室を再開したことが書いてあるが、それから約9ヶ月間、写真展のことを毎日考えてきたので、脳みそが「もうええわ」と言っている。
だけど、けじめとして写真展のお礼状は出さねばならない。あともう一息だ。
あらかじめ焼いておいたプリントでは足りないので、きょうは朝から増刷プリント。お昼まえには焼きあがる。



午後からQ小学校へ集金に行き、そのあと大和川へ撮影に行く。
きのうの台風18号による増水で、川がどうなっているか、気になる。
水かさはもういつも通りだが、たしかにここまで水位が上がっていたという証拠があちこちに見える。
でも意外にふつうなので、写真にならない。
写真って、日常のなかの非日常を撮る行為だから、ふつうじゃ絵にならないよね。



先日のパーティで「来年もREBORNです」とみんなの前で言ってしまったので、イヤでも撮りつづけるしかない。イヤじゃないけど。
あたらしいREBORNのイメージはすでに頭の中にあるのだが、そのイメージと合う風景を探していくのがわたしの制作スタイルだ。写真はじっさいにある風景しか撮れないからね。
だけど、そうやって自分のイメージを探し求めていると、あるとき、そのイメージを超えるような、さらにすごいイメージが現れることがある。
それが出てきたときが、本当の意味でのREBORNだと思う。

再生していく決意

2013年09月14日 | Photography
写真展は11日目。きょうは夕方からパーティーだ。



昼間、早い時間に表現大学のK先生と生徒さんが来られる。
彼らは無言で作品やブックを真剣に観ている。ギャラリー内の空気が張り詰めていて、なかなか声をかけられない。
15分くらい経ったところで、K先生が口を開いた。
「きょうは授業の一環なので、作品解説をしてもらっていいですか?」
そういうことなら、パーティーのあいさつでしゃべろうと考えていたことを、練習のつもりで話しよう。

で、わたしの略歴や今回の作品が生まれた経緯、コンセプトなどを一通りお話しした。
生徒さんのなかに、わたしと同じく学校の先生を辞めて写真家をめざしている人がいた。しかも、わたしが辞めた歳と彼の歳が同じだったので、お互いにおどろいた。
30歳半ばというのは、ちょうど人生の折り返し地点だから、だれでも「こんなことやってていいのか?」「ホントにやりたいことはなに?」という自問自答をするのかもしれない。
だけど、そこで仕事を辞めて、すべてを捨て、リセットできる人間は少数かもしれない。
大半の人はさまざまな理由(しがらみ?)で辞めることができずに、疑問を感じながらも同じことをつづけていく。
どちらが幸せな人生かは、その人の考え方しだいだ。
わたしは一度しかない人生なら、たとえ貧乏でも自分のやりたいことをやって死にたい、という考えである。
そんなことまでは言わなかったけど、その生徒さんもきっと腹をくくって一歩を踏み出したのだろう。がんばってほしい。



表現大の人たちと入れ替わりに、パーティーの準備を手伝ってくれるLさんが来る。いつもありがとう。
すでに飲み物は買ってきて、ギャラリーの冷蔵庫で冷やしてあるので、あとは簡単な食べ物を用意するだけ。
彼女と二人で近くの商店街へ買い出しにいく。
お惣菜屋でおいしそうな惣菜を袋いっぱい買い、スーパーでお菓子類を買う。
さいごに精肉店で揚げたてのコロッケとトンカツをどっさりと買ったら、店のおばちゃんが「サービスしとくわ」といってウインナーの串フライを2本付けてくれた。
1本ずつ食べながらギャラリーにもどる。

買ってきたものを並べて用意をしていると、ほどなく写真茶話会のメンバーが来られる。
さらに写真学校時代の同級生たちもつぎつぎに来廊。何年も会ってなかったMさんやNちゃんも現れ、まるで同窓会のような感じになる。
定刻をすぎたので、とりあえず乾杯して、そのあと一人一人にあいさつして回る。



1時間ほど歓談して、一応、中締めのごあいさつをする。
昼間、表現大学の生徒さんたちに一度しゃべっているので、もう緊張はしない。
と思ったら、白ワインを呑みすぎたせいか、途中で話す内容を忘れてしまって、後半は頭の中がまっ白。完全にアドリブでしゃべる。
ああ、カンペを用意しておくべきだった。

あいさつのあと、同級生のOくんが意見をのべた。
「マツノさんはテクニックがあるのに、それを写真には見せないで、ストレートに情熱をぶつけてくる。そこがいい」うれしいこと、いってくれるね。ありがとう、Oくん。
そのあとを写真茶話会のSIGN氏が請けた。
「この写真展はマツノさんの崩壊していく過程を見せていて、これから再生していくという決意だと感じた」
さすがはSIGN氏、わたしの写真をよく見てくれている。まだ崩壊の過程なんだ。これから再生するのか。たのしみだな。

さいごにPさんが「次回の写真展に向けての展望を聞かせてほしい」と質問された。
わたしは「つぎもREBORNです。本当の意味での再生を撮ります」と答える。これは酔った勢いでいったのではなく、本当にそう思っている。
頭の中にはもうイメージもある。撮りたいものもあるし、その撮影に使うカメラまで決まっている。あとは撮るだけ。
今回やりたかったことは全部やったので、また新しいことをやって進んでいくのである。
こんなエラそうなことを書いて、来年できなければお笑いだけど、できるかできないかは撮ってみなければわからない。

この2週間で多数のご来廊、本当にありがとうございました。また本日のパーティーにもたくさん集まっていただき、心から感謝しています。
みなさんのご期待に応えられるように、作品制作に励んでいきたいと思います。

ラッキーな出会い

2013年09月11日 | Photography
注文いただいた六切りプリントのフラットニングがおわったので、プリントの裏にサインを入れて、用意しておいたフレームに額装する。

午後から全紙プリントをもって、ブルームギャラリーへ行く。
きょうは写真展8日目。
ギャラリーに着いてすぐ焼き直したプリントの入れ替え作業をはじめる。
1枚入れ替えたところでお客さまが入って来られたので、いったん作業を中断する。ずいぶん熱心にご覧になっている。

わたしが近づいていくと「これを撮ったのはあなたですか?」と聞かれ、矢継ぎ早やにいろいろな質問をされる。
ずいぶん専門的なことを聞いてこられるので、高名な写真家かなと思ったら、じつはニコンサロンの選考委員をされている方だった。
きょうはブルームギャラリーのディレクターとの打ち合わせで来廊された。
さすがに長年にわたって選考委員をされているIさんの意見はするどい。
非常に具体的で、あいまいなところが一切ない。
「こんな写真はいらない」や「これは説明的だね」とか、もうビシバシなのである。

要約すれば、1枚1枚の写真はわるくないけど、「REBORN」というイメージにブレがある。もっとしっかりセレクトして、見せたいイメージを絞り込めば良いものができる、という助言をいただく。
さらにモノクロプリントの焼き方や使うカメラの話までうかがい、かなり勉強になった。
調子にのって、去年の作品のブックも見てもらうと、「赤外写真って、すぐに見飽きるから、つまらない」と一刀両断。
でも「今年の作品の方が断然いいよ」といわれて、気持ちをとりもどす。



きょうIさんに作品を観てもらえたことは幸運だと思う。
たまたま打ち合わせで来られたときに、わたしの写真展がやっていたわけだが、写真展をブルームギャラリーでやらなければ出会えなかったし、この時期でなければすれ違っていたはずだ。
厳しい意見だったけど、明確な目標が見えた気がする。

リプリントいろいろ

2013年09月09日 | Photography
きょうはブルームギャラリーの休廊日。

先週、自分の作品を見つづけて、焼き方の気になるものや差し替えた方がいいプリントを見つけた。
ホントは会期中に写真を入れ替えたりしない方がいいのかも知れないが、不完全なままあと1週間も展示するより、自分の納得いく形にしておきたい。
今回はパーティが最終日の前日なので、その日には完ぺきな方がいいだろう。
なので、きょうは朝から気になるプリントを焼き直している。
ついでに、きのう友人から注文いただいたプリントも焼く。部屋に飾る写真なので、全紙は大きすぎるということで、六切サイズで焼きなおす。

15時半ごろまでかかって予定のプリントを仕上げる。
そのあと、お礼状のポストカードも焼いてみた。
サイズが小さいので、覆い焼きがちょっとやりづらい。20枚ほどプリントして、きょうは終了。
ああ、やっぱりバライタ紙ってきれいだな。印刷物ではこの質感は出ないよね。



とりあえず、きょうで個展用の全紙プリントはおわり。大きなバットと手づくりラックを屋根裏部屋へ片づける。
お礼状はもう少し焼かねばならないだろうが、それはいつもの大四切用のバットで事足るだろう。
考えてみたら、デジタルから3年半ぶりに銀塩にもどったのが今年の1月。
それから8ヶ月ほどで個展にこぎ着けたのは、我ながらすごいと思う。やればできるもんだ。
これで銀塩でもデジタルでも、どちらでも写真展レベルのクォリティはつくり出せるノウハウはできた。

ちなみにこの間、買ったフィルムカメラはたったの4台。写真バカです。

アーティストってやっぱりヘン?

2013年09月07日 | Photography
写真展は5日目。
きょうは土曜日なので、夕方までにたくさんの来廊者があった。



写真学校の卒業生のEさんとFさんが来てくれた。遠いところからありがとう。
卒業して5年も経つのに、学生のころの印象とあまり変わらないね。
でもEさんはもう結婚して名前も変わっているので、時間はたしかに進んでいる。
Fさんはある写真のコンペで優秀賞をとって、来月、京都でその写真展をするという。卒業しても自分の写真を撮りつづけているんだね。うれしいなあ。

写真ってだれでも撮るし撮れるのだけど、それを作品としてまとめる(あるいは発表する)には、またべつのエネルギーが必要だ。
単にSNSにアップしたりシェアするだけでは作品にはならない。
けっこうな時間とお金をかけて、作品をつくりつづけるには、強いモチベーションと意志がいる。なにかを犠牲にしなければならないことも多い。
わたしの場合、もういい歳なので、あれこれ手を出して中途半端なことをしている時間はないということだが、なによりも写真が好きだという単純な理由によるところが大きい。
視覚的な表現のなかで、これほど寡黙でかつ饒舌なものはない。いろんな表現とクロスオーバーできる一方、写真だけで完結できる強さもある。そして、やってもやっても底なしで正解というものがないのも、やめられない理由のひとつ。こんなおもしろいものはないでしょう。

彼女たちと入れ替わりで、仕事仲間のGさんが来られた。
Gさんはわたし以上にカメラ好きで、今まで使ってきたカメラはだいたい保管してあるそうだ。レンズも相当あるのだろう。
わたしの作品を観てもらったあと、ギャラリーのとなりにある喫茶店で少し話をする。
そういえば、先日飲みに行ったときに、遊び用のカメラを買うといってたけど、「もう買ったのですか?」と聞くと、彼はカバンの中からオリンパスのペンE-P5を取り出した。わっ、もう買ってる。
レンズは明るい方の17ミリF1.8が付いていて、金属のフードがかなかなカッコいい。
ほかに交換レンズを2本とマウントアダプターを3個も買ったという。
どんなマウントかと聞くと、キヤノンFDとニコンF、それにコンタックスGだ。
それぞれのレンズを取っかえ引っかえE-P5に付けて写しているらしい。おもしろそう。



ところでブルームギャラリーはやわらかい外光が入って昼間はとても明るいのであるが、外がだんだん暗くなってくると、ギャラリー内のハロゲンライトが際立ってくる。
昼間とはまたちがった見え方になって、それがなかなか美しい。

閉廊まぎわに来られたお客さまが、ステートメントを読んで、こんなことをいった。
「難しいテーマですね。ふだんからこんなことを考えているのですか」
はい、と答えると、それ以上のリアクションはなかった。この3ヶ月間、毎日のようにテーマというか、ステートメントを考えてきたので、ウソではない。
だけど、ふつうの人から見れば、「崩壊と再生」とか「諸行無常」なんて考えてるヤツは、やっぱりおかしいのかもしれない。