Happyday of LUCKY

日々の気付きと感謝を忘れないように綴るページ

決死の土手ラントレーニング

2015年09月30日 | Life
フリーダイビングというスポーツがある。空気タンクを使わずに、息を止めて海に潜っていく競技だ。
いろんな種目があるようだが、足ヒレをつけて深海へまっすぐ潜る競技の現在の世界記録は128メートルというからすごい。
海の中はさぞかしきれいな世界だろうと想像するかもしれないが、じつは太陽の光は50メートルくらいしか届かないので、それ以上深いところはもう真っ暗なのだそうだ。
海底に伸びるガイドのロープだけをたよりに真っ暗な海底へ向かう気分はどんな感じなのだろうか?


↑ヴァーティカル・ブルー2015のようす 日本の選手(篠宮龍三さん/木下紗由里さん)も好成績をおさめています。
篠宮龍三さんのインタビュー

ところで、わたしは最近「土手ラントレーニング」というのを実践している。
なにかというと、ある地点から堤防をどんどん走っていって、適当な橋を渡ってまた帰ってくるというトレーニングだ。
べつに難しいことはなにもないのであるが、その日の体調に合わせて「きょうはもう一つ向こうの橋までいけそう」と感じたところまで走るので、ある意味、フリーダイビングの心境に近いものがある。
なぜなら折り返し地点ではまだたっぷり体力(息)はのこっているので、まだまだ行けそうなのだが、それ以上行くと帰路でバテて(酸欠になって)しまい、出発地点(海面)にたどり着けなくなるからだ。

とは言っても、フリーダイビングのように途中で気を失って、運が悪ければ死んでしまうということはないので、まだランニングの方がましかもしれない。
要はどこまで走れるかを見極めながら、さいごまで身体を追い込んでいく練習なのだ。
きょうは大和川の堤防を走ったが、距離にして15.6キロ。かかった時間は93分だった。
11月はじめにハーフマラソンに出るので、それまでに21キロを軽々と走れるようになりたい。

フリーダ・カーロの遺品

2015年09月25日 | Life
未明に降った雨のおかげでグランドが使えなくなり、予定していた幼稚園の運動会が延期になった。
撮影がなくなったので、きょうが最終日の「フリーダ・カーロの遺品」(小谷忠典 監督)を観にいくことにした。



フリーダ・カーロはメキシコを代表するシュールレアリズムの画家(1907-1954)である。子どものころ発症した病気と交通事故のために不自由な身体でありながら、それをバネに力強い作風の絵を産み出している。
彼女の遺言で死後50年間は遺品が封印されていたが、2004年に日の目を見てその遺品を撮影するプロジェクトが立ち上がった。
撮影を依頼されたのは日本の写真家 石内都さんだ。近年、彼女ははだれかが使っていた物や着ていた衣服などを撮っているが、単なるブツ撮りではなく、それを身に付けていた人間の肖像として撮影している。
とりわけ広島の原爆で亡くなった人たちの遺品を撮った「ひろしま」を見ると、それらを遺した人間の怨念のようなものまで感じることができる。

映画は3週間におよぶ現地メキシコでの撮影の様子と、パリで開催された写真展の様子を記録したものである。
そのなかで石内さんは自分がフリーダに思い描いていたイメージと、その遺品から発せられるイメージがまるでちがったと言っている。
彼女はあえて自分のフリーダ像に近づけるのではなく、その場で感じ取ったものをそのままストレートに写しだしているようだ。

白いバック紙の上に遺品を置き、やわらかい自然光で撮影する石内さんの撮り方はいたってシンプル。
三脚さえ使わずに手持ちで寄ったり引いたりしながら何枚も撮る姿が、まるでその遺品の主になにかを語りかけているように見える。きっと心でなにかつぶやいているのだと思う。
このようにして撮られた写真であるが、非常に残念なことに映画のなかではそれを全部見ることができない。かろうじて写真展の会場の様子と数枚の作品が紹介されただけ。
機会があれば作品そのものを見てみたい。

映画はフリーダの衣装のルーツにもふれていて、メキシコの民俗衣装や文化の一端が垣間みられる。ドキュメンタリーとしてよくできた映画であった。

日本には日本の走り

2015年09月23日 | Life


きょうはいい天気なので友人のYさん・Iさんとバイクで走りにいく。行き先は奈良の十津川方面。どこまで行くかは走ってみなければわからない。
いつもなら国道168号で十津川を南下していくのだが、Yさんの提案できょうは下市から車のすくない県道48号を走ることにした。
道巾がせまいのでそんなに飛ばすことはできないが、きれいな景色を見ながらのんびり走るのもいいものだ。
途中、工事中のため通行止めで、国道309号へ迂回し、天川村から県道53号に入る。このあたりはオートキャンプ場が多いなあ。みんなバーベキューや川あそびをたのしんでいる。

ようやく大塔町から国道168号へ出て、谷瀬の吊り橋まで走る。午後1時。きょうはここで折り返しになりそうだ。
レストランで昼食をとり、さっそく吊り橋をわたる。シルバーウィークの最終日とあって人が多い。
人が多いと橋が不規則に揺れて歩きにくい。なかなかのスリルだ。高いところが苦手な人はきっと歩けないと思う。



帰りは国道168号で五條まで走り、そこから吉野町へ寄り道する。
Yさんの教え子が吉野町の町おこしでツリーハウスの制作にかかわっているらしい。きょうは連休を利用してある大学の建築研究会がつくりに来ているという。

ツリーハウスというのは文字どおり、木の上につくる家のことであるが、もともとはエコライフのひとつの形として生まれたものだ。すなわち自然にできるだけ負荷をかけず、電気やガスなどの既存のエネルギーに頼らない、二酸化炭素の排出量を抑えた生活ということ。
最近ではそれを謳いながらも、宿泊所やカフェといった大掛かりなハウスまであるらしい。ちょっと主旨から外れると思うけど。



ところで、3年まえにモンゴルのハラホルンという地方へナーダム(国中で開催されるスポーツ祭)を見にいったときのこと。ある日、近くの食堂で大きなバイクが止まっているのを見かけた。
それはBMWのR1000GSとF800GS(たぶん)というバイクだ。BMWは長距離の走行性能に長けたバイクなので、もしかすると遠い国から何日もかけてここまでやってきたのかもしれない。

そもそもバイクは馬に替わる乗り物であるから、長い距離を走り抜くことが本来の目的であり、醍醐味でもある。
だが日本のように車が多く、あちこちで渋滞しているような交通事情だと、長距離走行は苦行だ。
なので、きょうのように車のすくない県道をゆっくり走るというのが日本的なのかもしれない。まあ、北海道までいけばロングツーリングがたのしめるのだろうな。

ティルマンスの予言

2015年09月19日 | Life
最近、忙しいということもあるが、記事更新のスピードが極端に落ちている。というか、世の中の動きに自分の思考のスピードがついていけないので、文章がまとまらないのである。



今回の安保法案の強行裁決にしても、アベ政権が支持率を落としてまで通そうとするのは、裏でいったいどんな力が働いているのか。シンゾーを矢面に立たせて、その裏でドス黒いなにかが渦巻いていることはたしかだ。
そもそも去年の夏に特定秘密保護法が可決された時点で、わたしは日本の民主主義はもうおわったと感じているが、その延長で今回もやられたと思う。
こんなにもなし崩し的に憲法解釈をゆがめて、集団的自衛権の行使を認めてしまう法案ができるとは、国民もなめられたもんだ。

それにしてもあのデモやら集会はなんだったのか。60年安保闘争以来のムーブメントだと思ったのに、これほど簡単に通ってしまうなんてがっかりである。いったいこの日本という国はどうなっているのか。どうなっていくのか。



ところで、いま国立国際美術館で開催している「ヴォルフガング・ティルマンス展」は非常によかった。
彼がどういうスタンスで世界と向き合っているのか、そして写真で社会にどうコミットしていくのかがよくわかる展覧会であった。
この展覧会に関する彼のインタビュー記事を読むとそれがより明確にわかるので、展覧会に行けなかった人はこちらをご覧ください。
キーワードは「耐える」ということ。いまの日本の状況にあまりにもぴったり当てはまるので、なんだか彼が予言者のように思えた。