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Happyday of LUCKY

日々の気付きと感謝を忘れないように綴るページ

お道具の話

2017年08月17日 | Camera
仕事で使うカメラは撮るものによってすぐ決まるが、プライベートな旅行ともなると、二度と訪れない場所かもしれないので、仕事以上にカメラ選びは慎重になります。この夏に行ったアイスランドへは前日まで迷いに迷いました。じつはこの旅行に持っていこうと思って、4月末にニコンF6を買ったのだけど、結局ライカM5を選びました。
いまさらライカの長所を書くこともないのですが、たぶんほとんどの人は触ったこともないと思うので、一応書いてみます。

1)たいていの一眼レフ機よりコンパクトで軽い
2)シャッター音がしずか
3)レンジファインダーが正確で、すばやくピント合わせができる
4)機械式カメラなので電池がいらない
5)システム上、ズームレンズが使えない



「大ライカ」などとライカファンから揶揄されたM5ですら、ふつうの一眼レフ機よりは小さくて軽いです。ちなみに仕事でよく使うD500とズームレンズの組み合わせで1500グラム。当初考えていたF6とズームレンズだと1600グラムの重さになります。M5に50ミリレンズならちょうど1000グラムなので、そのコンパクトさがわかります。
また人物スナップを撮るときに一眼レフ機のような大きなシャッター音はかなり目立つ。かくし撮りなどまず無理でしょう。M5なら相手に気づかれることなく撮ることが可能です。そういう写真がいいか悪いかはまた別問題ですが。

ピント合わせは撮影のスピードに直結します。オートフォーカス機はいちいちピントを合わせにいくので時間がかかって仕方がない。マニュアルに切り替えるとヘリコイドの回転角が少なすぎて細かい置きピンができないという不便さがあります。その点、ライカのマニュアルレンズには10メートルまでの間に8つもの距離指標があるので、慣れればファインダーを覗くまえにピント合わせを済ませておいて瞬時にシャッターを押すことができます。これはどんなオートフォーカス機よりも圧倒的に速いです。



さらにライカの美点でもあるバッテリーレス。いやじつはM5には露出計が内蔵されていて、それを動かすためにMR9という小さな電池が必要です。MR9はもう製造されていないので、代替品として僕はMRB625という電池を使っています。ほかにもアダプターを介してSR43なども使えますが、それぞれ電圧が微妙にちがうので、フィルム感度を設定するときに微調整する必要があります。僕の場合オーバー目に出るので、ISO400のフィルムでISO(ASA)360に設定して、やや減感しています。
なおこの電池はシャッターの駆動とはまったく連動していないので、もし電池がなくなっても撮影は問題なくできます。というか、1年以上前に入れた電池がいまもバッテリー指標にビンビンに反応してるので、いったいいつなくなるのか。ほとんど電池のいらないエコカメラです。

さいごに交換レンズについて。ズームレンズはたしかに便利ですが、重くてかさばるのが難点です。この旅で一番よく使った50ミリレンズの重さはわずか230グラム。50ミリだと遠くに飛んでいる鳥を大きく写すことはできないけれど、そのまま撮れば「ああ、遠くに鳥が飛んでいるな」という写真が撮れます。要は自分のほしいイメージしだいで、慣れればこのレンズでほとんどのシーンが撮れるのです。
もっとも広角レンズはどうしても必要なので、28ミリと21ミリを持っていきました。が、これも考え方しだいで、広角レンズで全体を1枚に収めるのか、それとも50ミリで部分を切り取って全体を想像させるのかで使い方も変わるでしょう。そういうイメージと視覚のあいだを現場でいろいろ考えるのも単焦点レンズのおもしろさです。ズームだと1発で決まってしまうので、ほとんど考えることがありません。

どうでもいいようなことをつらつらと書いてしまいました。アナクロなやつだと笑ってやってください。(だけど、写真を撮るという行為において、最新鋭のオートフォーカス機よりも約半世紀まえにつくられたマニュアル機の方が撮りやすいというのはどういうことでしょう?)

高騰する高級コンパクト機

2017年02月10日 | Camera
かつてフィルム全盛の時代に、高級コンパクト機というカテゴリーのカメラがあった。その筆頭といえばローライ35になるだろうか。国産カメラでいえばリコーのGRシリーズやミノルタTC-1、ニコン35(28)Ti、あるいはフジのクラッセSとか。
とにかくどのカメラもレンズ性能が非常に高く、下手な一眼レフ機(のズームレンズ)よりも本当によく写った。中でもわたしがいまだに手放さずに使っているのはコンタックスT2というカメラで、モノクロフィルムを現像してそのスリーブを見た瞬間に、中間調のグレートーンの美しさに思わずため息が出るような、すごい写り方をする。



コンタックスT2のレンズは泣く子も黙るカール・ツァイスのゾナー38ミリF2.8T*であるが、このレンズのヘリコイド部には2.8から16までの絞り環がついていて、それぞれの絞り値に応じてAEが働くようになっている。ただしF2.8の位置だとプログラムAEになる。わたしはいつもこの位置で使っている。あとは場面に応じて左肩にある露出補正のダイヤル(これがちょっと使いづらい)を使う。

このカメラの最大の特徴は右肩にあるダイヤルで、こいつは一つ目のクリックでAFモードになるのだが、そこからさらに回すとMFになる。ファインダーをのぞきながら緑のランプが点灯するところまで回せば、フォーカスをロックできるというコンパクト機ではありえない機能が付いている。もちろん無限遠に固定することも可能だから、風景写真にも使いやすいし、たとえばF8に絞ってピントを5メートルに合わせておけばパンフォーカス撮影が可能。使い方しだいで最強のスナップシューターになるポテンシャルを秘めているカメラだ。



だが、おそらく壊れたらもう修理がきかないだろうと思い、いまのうちに程度のいい中古品をもう一台買っておこうとヤフオクをのぞいたら、どういうわけか4〜5万円で取り引きされている(ちょっと前まで2万円を切ってたのに)。その後継機になるT3なんか、10万円以上もするではないか!
コンタックスだけかと思ったら、上にあげたようなコンパクト機もけっこうな高値になっているのでおどろいた。
これはいったいどういう現象であろうか。いまだにフィルムで撮っている人たちのなかで、いま高級コンパクト機が再燃しているのか?

久しぶりにいろいろと

2016年12月12日 | Camera
ようやく受験用の証明写真が完成し、アルバムの編集もあと4ページをのこすのみとなった。今週中にはできると思う。
すこし時間ができたので、きょうは久しぶりに大和川へ走りにいく。

10月にフルマラソンを完走して以来、走る距離とその時間の感じ方が変わったように思う。すなわちフルマラソンの長距離にくらべたら、たとえば10キロのランニングは1/4程度だからぜんぜん長く感じないし、1時間走っても大した長さには感じないのだ。
さらにランニング中の姿勢も安定感が増したようで、どこにも力みのない非常にリラックスした感じで身体がすすんでいくのがわかる。
きょう大和川の土手を14キロほど走ったが、さいごまで非常に気持ちよく、身体のどこにも痛みを感じずに走れた。



帰宅して溜まった洗濯をし、部屋の隅々まで掃除機をかける。お恥ずかしい話だが、掃除機も久しぶり。
そのあと、きのう難波で撮ったスナップ写真をプリントしたりして過ごす。腰の引けたカットも、DP2クワトロだと細部まで解像しているから、一応写真として成立してしまう。写真の下手な者こそいいカメラを持つべし?



DP2つながりで話は変わるが、いまもっとも注目されている写真家のひとり、伊丹豪さんは最近「シグマDP3クアトロ」を使っている。
彼はハイセンスなストリートスナップを得意とするが、フィルムからデジタルカメラに切り替えてから「意識がより細かなディティールへと向かい、主題という概念がなくなった」という。画面を構成するすべての要素が等価に見えるように、ボケないように絞り込んで撮っている。
この写真に対する考えや制作スタイルが、わたしのそれとよく似ているので、その入力装置としてのカメラも同じものに行き着いたのだと思う。写真表現とカメラとは切っても切れない密接な関係にあるというお話。

春まで待てない

2016年10月27日 | Camera
繁忙期も半ばを越え、撮影は順調にすすんでいる。あとはのこりの撮影と平行して、データ整理とアルバム編集がのこっている。年末まで時間との勝負という感じ。
今年は大きな中学校を受注したので一人では物理的に撮れない場面があって、カメラマンを外注することが多い。でも来年の3月に納品するまでアルバム代は入ってこないから、出て行く一方で台所が苦しい。



そんな事情などおかまいなしに、魅力的なカメラがつぎつぎと出てくるので、その物欲にあらがうのがこれまた苦しい(たのしい?)毎日である。instax スクエア

野球も撮れる? D500

2016年09月10日 | Camera
きょうは阪神甲子園球場で野球の試合を撮る。といっても、アマチュアの軟式野球で、出場資格が45歳以上の選手だけなので、それほど闘志むき出しのクロスプレーなどはないと思われる。
こちらもスポーツ専門のカメラマンから見れば、アマチュアに等しいので、まあお互いに気楽にやりましょう、てな感じで引き受けた。
気楽にとはいえ、一応お仕事なので、選手のみなさんに喜んでいただける写真を撮らねばならないのはもちろん。わたしは1塁側のカメラマン席から、もう一人のカメラマンはバックネット裏からベストショットをねらう。



ニコンD500はバッテリーグリップなしで秒間10コマの高速連写が可能だ。この連写モードにしておくと、シャッターボタンをかるく押し込むだけで2〜3枚は切れてしまう。速い! 逆に1枚だけ切るというのは無理だ。
カメラの性能はいいのだが、問題はこちらの腕である。アマチュア野球といえども、けっこうなスピードで投げ込んでくる球を、これまたけっこうなスピードのバットスウィングで打ち返すので、その一瞬を写し止めるのはなかなかむずかしい。
バッターの動きをファインダーのなかでよく見て、スウィングをはじめるすこしまえからシャッターを切りはじめないと、ぜんぜん間に合わない。ホント一瞬です。

まるで居合い抜きのように「エイヤッ」みたいな素早さでシャッターを切り、はたして球をミートする瞬間は写っているか。
これがまったくダメでした。一度に10数枚シャッターを切って、そのうちフレームに2枚くらい球が写っていたら儲けもの。だいたいは1枚または0枚というサンタンたる状況だ。秒間10コマでも決定的瞬間は写せないのである。
じゃあ新聞や雑誌に載っているプロ野球などの写真(そう、バットに球が当たるあの瞬間)はどうやって撮っているのか?
スポーツ専門のカメラマンに知り合いがいないので想像だけど、もっと連写性能の高いカメラをつかうか、その瞬間にタイミングを合わせて1枚だけ切るかだと思う。まさに真剣勝負。スポーツカメラマンはきびしい。

←これが本日のベストショット。素人カメラマンはこんなもんです(T_T)