気まぐれ徒然かすみ草ex

京都に生きて短歌と遊ぶ  近藤かすみの短歌日記
あけぼのの鮭缶ひとつある家に帰らむ鮭の顔ひだり向く 

短歌人11月号 同人のうた その3

2015-11-21 22:27:18 | 短歌人
ポケットに手を入れたれば触れてくるハウスキィひとつ帰りなんいざ
(青柳泉)

菜園も今年最後と渡さるる母の西瓜のずしりとぬくし
(水谷澄子)

冷蔵庫まだなきころの家しずかときおりミシンを踏む音のして
(木曽陽子)

石ひとつひつそりとわが腎にあり美しき色とふいに思ひぬ
(大谷雅彦)

ひとりづつ行方不明になるやうな夜をかたまる家族三人
(宇田川寛之)

本日の主婦業おわりと言いて飲む缶ビール一本三五〇ミリリットルを
(今井千草)

都バス待つわれをあざけるごとく降り金輪際降りやまぬ秋霖
(藤原龍一郎)

名にし負う福島沖のメバルにてことさら大きくまなこを張りぬ
(川田由布子)

プログラムに写る練習光景のなかにいつしかわたしも動く
(紺野裕子)

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短歌人11月号、同人1欄より。



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