気まぐれ徒然かすみ草ex

京都に生きて短歌と遊ぶ  近藤かすみの短歌日記
あけぼのの鮭缶ひとつある家に帰らむ鮭の顔ひだり向く 

短歌人3月号 同人のうた その2

2017-03-11 10:51:03 | 短歌人
仏壇にクリスマスケーキ供えいる叔母とともあれ過ごす好日
(久保寛容)

一本の胡瓜にまぶす塩の量時のながれといくばくのしろ
(柘植周子)

海の中にゐる人は上つて下さい くり返しくり返し言ふ すぐに上つて下さい
(酒井佑子)

雪ははや声を失ひ雪としてここに降りつ積むひざ折るごとく
(阿部久美)

夕闇は馬のごとくに濃くなりぬ冬の京都をたちてたちまち
(小池光)

プレートが動きだすまで増幅す クリック・いいね・クリック・いいね
(本多稜)

ナショナリズムとヒューマニズムが手をつなぐオリンピックという物語
(生沼義朗)

トランプにどこか似てをり嚙みつき魔フレッド・ブラッシー現役の顔
(倉益敬)

るりふかき星座の切手あまた貼りこづつみおくる母となる子へ
(佐々木通代)

息子(こ)の葬儀を終へし夫婦の庭先に半月ぶりの干し物白し
(藤田初枝)

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短歌人3月号、同人1欄より。

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