W910第2回は「その音楽携帯としての資質を問う!」‥何だか参議院本会議みたいだ。
本来なら比較対照はNW-A808が候補になるが、今回選んだのはW910の翌2008年に発売されたNW-A828だ。理由はA828はBluetooth採用モデルだから。
さてっと、まず大きさから見ていこう。A828より長さがあるもののほとんど近いサイズというのに驚く。しかも発売はW910の方が早いのだ。厚みは大分違うが、これはW910がスライド部分を持つため仕方ないところだ。
A828に近いサイズのウォークマンは今でも商品ラインナップに存在する。つまり本機は現代でも、携帯電話ではなく単なる「ウォークマン」として持ち歩くのに全く違和感のないサイズを実現している。
次に画面。サイズはどちらも2.4型。見て欲しいのはサイズではなく表示された内容。若干ジャケット画像表示が小さいが「瓜二つ」の表示レイアウトを実現している。
Bluetoothは現代ではスマホの普及などで一般的になったが当時日本ではほとんど認知されていなかった。そのため両耳用のヘッドホンは数も少なく高価だった。そのためA828を持ってても使うのは通常のタイプというオーナーが多かったと思う。そのためBluetooth搭載のウォークマンモデルは長く後継モデルが登場しなかったほどだ。
今なら秋葉などで探せば二千円以内で手に入れることも出来る。四六時中使うというヘビーユーザーには向かないが、電車内と歩行中くらいの使用なら一度試して欲しい。Bluetoothの利便性を認識できる。本当、コードレスは便利なのだ。
さて今度は両者の違う点を述べてみよう。
まずA828の優れている点は再生時のイコライザーの充実。専用ヘッドホンによるノイズキャンセリング機能。そして何より3.5mmヘッドホンジャックだ。このジャックについてはスマホ時代になってようやく搭載されるようになった、いわば携帯電話のアキレス腱みたいなもの。
Bluetoothのバッテリーが切れたとたんW910は馬脚をあらわにする。有線ヘッドフォンを使うためにジャック変換アダプタが必要というのは不便極まりない。当たり前のように存在する3.5mmヘッドホンジャック。実はここがA828(というかシリコンオーディオ)最大のアドバンテージなのだ。
逆にW910は電話なので機能的にはA828を圧倒する。電話は当たり前だが、カレンダー、メモ帳、電卓、アラームなどの生活機能が便利。2メガとはいえデジカメがあるので画像メモも撮れる。更にスピーカー内臓というのがアドバンテージだ。枕元に置いて就寝時に音楽を流すことができるのは便利。
そしてこれは洋楽好きに限定されるんだけど、テンキーを使ったいインクリメンタルサーチが可能なのだ。もともとアルファベットだけという海外の携帯には住所録にテンキーを利用したインクリメンタルサーチ機能を持つモデルが多い。テンキーを打つだけで候補が絞り込まれる検索機能としてはアドレス帳より遥かに強力で便利なものだ。
なので海外ウォークマン携帯には楽曲検索にこの機能を流用している。曲名、アーティスト名、アルバム名で可能。とにかく曲の検索という点で絶対のアドバンテージになる機能なのだ。
ここまで書いてて改めてW910がいかに画期的だったか再認識したのだ。今でも2007年発売というのが信じられないくらい現代でも通用するものを持っている。
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