以前から「欲しい欲しい」と思っていたスマホをようやく手に入れることができた。京セラのECHOなのだ。まぁ普通の人は京セラからスマホが出ていることすら知らないと思う。ましてECHOは国内未発売、ははは。
パッと見はスライド式のガラケーみたいにも見える横幅が狭いスタイル。XperiaRayにも近いが、微妙に日本的でスマートさに欠けるデザインだ。そしてデザインに拘らない人でも奇異に感じるのが左にオフセットされた液晶画面。
横を見るとボリュームキーや電源オンボタン、イヤホンジャックと並んで、メディア、USB端子のカバーが見える。USB端子カバーはいかにも日本的。サイドにメディアスロットがあるというのは現在では珍しい、データをメディアでPCとやり取りするには有難い。またこのスマホはパネルが二段重ねになっているのが解る。
となると下に隠れているパネルはキーボードか?期待して上部液晶パネルをスライドさせると驚愕の「展開」となる。
「展開」、そうまさに「展開」なのだ。ではいってみよう、「パネルオープン!」
普通、スライドというのは上下パネルをレールでスライドさせる平行移動を指す。ところがECHOは特殊な形状のアームで上下パネルを連結しており斜め45度の状態に上部パネルが跳ね上がるのだ。まさに展開である。ポイントは「L字」形のアームデザイン、およびアームが上パネルの中央部に接続されているところ。是非ご注目いただきたい。
いままで見たことのないあくロバチックな動きだ。上に跳ね上がったパネルが下に降りて完成。
そして下から現れたのはキーボードではなくもうひとつの液晶パネルであった。そうECHOはデュアル液晶だったのだ。
一見すると開いた状態は任天堂のDSみたいなクラムシェルタイプを彷彿としているい。しかしクラムシェル式は閉じている間は液晶を見ることができないのに対してECHOは閉じている間も片方の液晶画面は見ることができる。両者は「似て非なる」もの。
そして更に展開を続けると上下の液晶パネルはツライチになり、
最後にパネルを連結すさせると、そこには大画面が出現する。ここでは見えないが結合部のパネルは片方に僅かな「ひさし」が出ており、もう片方にはそれに合う溝が切られている。連結させるとグラツキはない。日本の匠を感じさせる。
閉じた状態で異常に左にオフセットされてた液晶は上下パネルが一体化したとき境目を最小限にするための布石だったのだ。
大画面に携帯性も考慮させると誰でも考えるのは折り畳み式、いわゆるクラムシェルを採用することだ。しかしクラムシェル式は畳んだ状態では画面を見ることができない。スマホの黎明期に東芝からクラムシェルを採用したキーボードモデルが出たがそれ以降はスライド式になっているのも、閉じた状態で画面を見るのを優先させたいためだ。
ECHOの変型アームを使用したデュアル液晶は閉じた状態で普通のスマホ、展開すると大画面という理想を具現化した画期的なものだ。
これだけ画期的なスマホが日本はおろか本場アメリカでもSprint社のキャリアでしか出なかったのだ。どちらも市場での力が弱いため知られざるスマホとなってしまった。
更に残念なのがこのSprint版ということだ。通信通話ともSprintとの契約以外では使えない。どーいうことかというと、このスマホはSIMスロットがないのだ。SIMロック以前の問題である。
もっとも私はガラケーとスマホの2台体制なのだ。更に言うとSPモードじゃなくてiモードのままなのである(正確にはSPからiモードに戻した)。そうスマホはWIFIとオフラインモードでしか使わない。だからこの至高のスマホを使うのに全然支障がないのである。