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平和な毎日

ランニング大好き。走るほうは別ブログに書いてるので、ここでは好きなものを中心にあれこれと書いてきます。

Coolpix P5100 遺産を受け継ぐラストモデル

2013年12月26日 | デジカメでも

高級コンパクトデジカメが市場に溢れる現在からはにわかに信じられないだろうが、ほんの数年前にその前身であるハイエンドコンパクトデジカメが絶滅の危機に陥った時代があった。

ニコンではCoolpix8400の時代。雑誌でもハイエンド終焉という特集がされていた。曰く「ハイエンドは銀塩でいうところのブリッジカメラ的存在であり、デジイチが身近になった現在、その役目を終えようとしている」ですって。事実はデジイチが行き渡るまでの間はユーザーがコンデジに回す予算が足りなかっただけなんですけどね。今じゃミラーレスに押されてデジイチの方が先行き怪しい雲行きだから本当に一寸先は解らないわ。

そうしたハイエンドコンデジ冬の時代にニコンからリリースされたのがCoolpix P5000だ。名前に新しくついた「P」はパフォーマンスという意味らしい。だたし最強コンデジとして君臨していた時代を知るニコ爺からは「パフォーマンスが落ちたコンデジ」「コストパフォーマンスという意味なんだろう」と言われそうだ(嘘)。

そんなパッシングの最大の理由は「RAW撮影が出来ない」ことに尽きると思う。小生はパソコンと専用ソフトが必要なRAW現像なんてかったるくてやってられない無精者なのでRAW有無は別にどーという問題でもないのだが。

次に叩かれたのが外観。「重厚感が乏しく、普通のコンパクトデジカメみたいで嫌」らしい。事実Coolpix5000から5400にモデルチェンジしたとき、一回り小さくなったボディサイズで叩かれ8400では再び重厚路線に戻したのだ。

確かにパっと見は不利だ。何しろ普及クラスのCoolpix5200にそっくりである。これではニコ爺の所有欲というか優越感をくすぐるはずがない。

まぁニコンの方もその辺りは確信犯というか、そもそもこのデジカメはニコ爺とは違う層に売りたかったと思う。だからあえて小さいボディを選択したのではなかろうか?まぁ、見事に目論見が外れたわけだが。

そして第三のパッシングポイント。「ワイドじゃない」。ハイエンドクールピックスは5000から広角モデルと望遠モデルの二本立てで、ノーマルスタイルは広角モデルであった。ところがP5000は銀塩換算で36mmスタート、外観だけじゃなくレンズもCoolpix5200の延長線上というのはさすがに少々理解に苦しむ

最も広角を珍重するのは特に日本でのことなのでワールドワイドとなると必ずしもそんなことはない。事実「TIPA ヨーロピアン・フォト・アンド・イメージング・アワード 2007」のコンパクトデジカメを賞っているからハイエンドと呼ぶかどうかは置いといて総合的には良く出来たコンデジだと思う。

というわけで、このコンデジは本来ミドルエンド以上ハイエンド未満という微妙なポジションなのだが、当時Coolpixにはこれ以上のモデルが存在しなかったことから必然的に8400以来のハイエンドとして他社ハイエンドコンパクトとの戦いに挑まなくてはならない宿命も担わされたコンデジなのだ。大戦末期の日本軍というか、何とも悲壮な旅立ちであった。

一方クールピックスのライバルであるパワーショットはG6での存続危機を乗り越えニコンがモタモタしる隙にG7で一気にハイエンドのテッペンを奪取。当然、高級志向のニコ爺は明らかにG7に見劣りするP5000に文句たらたら。「はよぉパワショに負けないモデル出さんかい」とムシロ旗を掲げてニコン本社に押しかけたのだ(大嘘)。

なのでこれ一代で終わるかと思ったら何と続編が出た。それがP5100。特徴はセンサーが僅かに大きくなった(1/1.8→1/1.72)に伴う画素数アップと画像処理にExpeed採用。はい単なるマイナーチェンジ。ニコ爺の要求はことごとく無視されました。そして同年代のパワショG9とは‥機関銃に銃剣で立ち向かうようなもんだわ。

そんなCoolpix負の歴史を担うP5100ですが、キッチリお迎えしました。まずP5000じゃなくてP5100を選択した理由ですが、それは5100の方が格好よいから。5000と比べてレンズ周りとかダイヤル周りがブラックになったんですね。正直、画素数アップとかExpeedはそれほど重視していません、あくまで見た目優先です。

何といっても良いのは正に当時のニコンが(多分)狙っていたライト感覚なハイエンドなところ。さすがに5200にそっくりなデザインは悲しいものがありますが、マグネシウムボディやブリップのラバーなどを持ちながら、ここまでコンパクトに仕上げたのが素敵です。重量だってたったの200g。

しかし最大の魅力は実はアダプターリングUR-E20の存在です。こいつを使うことによりCoolpix950時代のコンバージョンレンズを使えるのです。そう、P5100は古のコンバージョンレンズを使える最後のモデル。これは見逃せない。

何しろCoolpixのコンバージョンレンズ軍団は当時他社の追随を許さない最強無敵の布陣を誇っていました。中でも全周魚眼であるFC-E8、FC-E9はCoolpixユーザーだけが使えるスーパーレンズでした。UR-E20を使用することでEC-E8が使用できます。

既にご存知のように私はFC-E8ユーザーで、その素晴らしさにほれ込んでいますが、唯一の泣き所がレンズではなくカメラにあったのです。そうこの時代の液晶モニターは小さい上に昼間使い物にならないのです。

そのためにこんなお馬鹿なシステムまで組んだことがあります。

それがP5100では最新の液晶モニターのおかげで日中でも快適にFC-E8をモニターできるんです、本当に素晴らしい。

更に今回はP5100お迎え記念にTC-E3EDもお迎えしてしまった(大ばか者です)。このレンズは数あるコンバージョンレンズで一番息の長いモデルですね。このレンズが5100時代は現役だったことが幸いしました。もしディスコンされていたらUR-E20が出ていたかどうか。

とにかくコンバージョンレンズにEDレンズを贅沢に使用して色収差を押さえることでそれまでの2倍と同じ画質で3倍を実現させたこれもニコンならではの一品。これが出たときはまだVR機能がカメラに搭載されていなかったので手持ち撮影は困難でしたが、P5100には手ぶれ補正があるので手持ちが実用になります。

またP5000,5100用にWC-E67が供給されていますが、990時代のWC-E63を使うのも一興です。P5100装着時E67では23.45mm相当になるのに対しE63だと22.05mmでよりワイドになります。外周が大きい代わりにフィルターが使用できるのと中古の値段がE67よりだいぶ安いのもメリット。

ある意味P5000になってようやくボディがレンズに追いついたというか、高性能コンバージョンレンズを堪能できるようになったと言えるでしょう。これができるのはP5000とP5100だけに許された悦楽なのだ。

その後のハイエンドクーピーですが、フルモデルチェンジモデルP6000を送り出すがG10の牙城を崩すどころかあっけなく返り討ち(悲惨だ)。さすがに三度も失敗してカメラメーカーのファン層がハイエンドモデルに何を求めるか理解し7000から一気に重厚路線に戻すニコンでした。

良く見ると解るがいわゆる高級コンパクトモデルではニコン・キャノンとパナソニック・ソニーではまるでスタイルが違う。家電メーカーのそれがいかに機能を目立たなく「スタイリッシュで簡単そうなデジカメ」に見せようと腐心しているのと対照的にカメラメーカーは強面・複雑で上級者向けデジカメに見せようと努力している。

ここまで書いてたら「ある品」の存在を思い出してカメラ塚の発掘を再開する私。あったあったぁ!すっかり忘れていた。TC-E3EDを凌駕するトンデモレンズが存在したのだ。この続きは次回で。


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3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (Rikkie)
2013-12-28 13:13:52
どもども、大佐殿。

ああ、このカメラは高級コンパクト路線だったんですか。出て1年が経過したかどうかという段階で、埼玉の寒村の質屋でフルセットが2000円くらいで転がっていたのを拾ったので、その認識が無いですね。

多分、質屋も安コンパクトデジカメだとおもったんでしょうねえ。

明日から東京入りです。十分な時間は確保できないかもしれないのですが、出来れば銀座あたりまでは足を延ばしたいですねえ。
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Unknown (gratt)
2013-12-28 13:19:05
どもども。
他に選択の余地がなかったため高級コンパクトに
なっちゃった感じでしょうか。

聖地巡礼の旅、お時間が合えばご一緒したいですね。
返信する
Unknown (Rikkie)
2013-12-29 03:42:44
どもども、大佐殿。

今回は残念ながら帰省の理由が「父親の一周忌」なんで時間的な制約が多くてお誘い出来なかったんですよね。

次回はぜひお願いします。
なにせ、大佐殿の鼻はスイートなブツを発見する高感度センサーですから、ご一緒頂けるととても有意義です。
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