
帰宅ウォーキングのつもりで数駅手前で下車し歩き出す。しばらく歩くといつものように道に迷って気がつくと良く解らない通りに出た。ままよと適当に歩いていると目に止まったのがハードオフ。折角だから寄り道するのだ。
して、店内で見つけたのがこれ、2650円。店員さんに「少し安くなる?」と尋ねたらあっさり「2100円にしますよ」‥買った買った買った。
実はこのウォークマンは持ってます。それでも買うのが物欲魔人なのだ(いや、ちゃんと理由はありますよ)。このモデル、多分企画されたのは北米だと思うのです。んで、北米向けなのが上位機種のS205Fね。
本体は防水仕上げ。またアクセサリに専用のアームバンドが用意されました。今では常識となっているアームバンドでジョギングというスタイルの先駆者です。
特徴は「シャトルリング」。当時ウォークマンはこのリングによる操作を売りにしてました。ポケットに入れたままでも曲やアルバムを選曲できるリング操作はiPodなどとは比較にならない良く出来たものです。
しかしメモリ容量が増えるに従い収録可能なアルバム数が飛躍的に増えることでモニターから選択するほうが楽になり、この方式は廃れてしまいます。
しかしアームバンド使用時では立場は逆転、シャトルリングの利便性を実感します。というかですね、モニターで選曲するという現行のデジタルオーディオではアームバンド使用でのランニング中に曲を変更することは困難というか‥立ち止まらなければ無理です。
しかも具合の悪いことにランニングが好きな人種というのは「立ち止まる」ということが大嫌い。なので何十枚というアルバムを入れてても、結局聴くのは最初に選んだアルバムのみということになります。
走るのが好きだけど、気分しだいで「この曲は飛ばしたい」とか「違うアルバムに変更したい」という我儘な人間には絶対シャトルリング!しかもこのモデルは歴代最大のリングサイズを誇ります。操作性は抜群。
まぁ、それだけなら現行のWシリーズはコードレス、容量4倍、シャトルリングと変わらない操作性を可能にしたレバー操作、更に進化した防滴性能を持ってます。ただ一体型なのでヘッドホンをお気に入りに交換できません。それと普段使いならS203Fの方が操作は楽です。つまりWは完全なスポーツ用、S203Fはスポーツにも使えるといった感じでしょうか。
更にS203FにはWシリーズにないとっておきの必殺技というか秘密兵器があるんです。それは「3Gセンサー内臓」による「スポーツモード」の搭載。

つまりこのウォークマンは万歩計を内臓しているんです。といってもただの万歩計じゃない、体重や歩幅をインプットすることで消費カロリーや距離まで計算します。
つまりだ、iPodがNikeと組んで発売しヒットしたNike+機能が本体に組み込まれているんです。iPodユーザーが本体にレシーバーをセットし、更にシューズにセンサーを装着している間にS203Fユーザーは「お先に失礼」とばかりに走り出せるのです。凄いぞソニー。格好良いじゃないかソニー。
記録は7日分。その日の歩数、消費カロリー、距離を見ることができます。凄いのがランニングとウォーキングを識別していること。なので、ウォーキングの途中にランニングをしても消費カロリーと距離は補正される。面白い機能がこの識別を利用してアップテンポナンバーとスローナンバーに自動選曲する機能があること。例えば歩きから走り出すとアナウンスがあって曲が変わる(私は我儘なので使いませんが)。
更に「ストップウォッチ機能」もある。ランニングする人は大体ランニングウォッチを持っているから何ですが。それでもウォークマンをつけてランニングウォッチを付け忘れるという本末転倒な方のためにあると便利。
機能だけじゃない。伝統のスティックデザインの完成型ともいえるスタイルだって実にクール。めちゃくちゃ格好良い。サイズだって現行製品と見劣りしないどころか対等に張り合えます。またそれだけじゃない、造りが実に良い。デザインも含め物としての魅力は全く色褪せていません。はっきり言います。S203Fに比べたらiPodなどオモチャみたいな出来。
最後に既に所有してるにも拘らずまたお迎えしたか。それはですね、自分の持ってるのはS205Fなんです。これは上位モデルで専用アームバンド同梱の代わりにクリップホルダーがありません。なのでクリップホルダーも欲しい。まぁホルダー欲しさに買ったようなものです。無論、本体の予備としても欲しかったしね。ちなみにホルダーは便利でしたので大満足。

この細いボディにこれだけランニングに必要な機能を入れたスペシャルモデル。それなのにあぁそれなのにWシリーズに比べてS203Fは売れなかった。ランニングブームが本格到来する前だったのが最大の敗因。もともとこのモデルは北米の健康志向ユーザーをターゲットにしたもの。このときまだ日本ではそれほどジョギングブームじゃなかったんですよね。
唯一、残念なのはデータをパソコンに取り込めないこと。まぁ、当時はそこまでは考えてなかったでしょう。今ならそんな機能なら簡単に組み込めるだろうしランニングプログラムをクラウドにして売り出せばインパクトあると思うけど既にWシリーズがあるからやらないだろうなぁ。