先日、中古CDを見ていたら目に留まったのがこれ。普通の人なら目に留まりませんが、プログレッシブロック中でもイタリアンプログレ好きなら絶対見逃さないでしょう。チェルベロが唯一発表したアルバム「メロス」です。しかもプログレファンの間では評価が高い。これが300円はお買い特。
もっとも知ってるといっても私の場合は「名前だけ」でした。しかもアルバムタイトルとグループ名を逆に覚えていたくらいだから中身なんて全然知りません。期待に胸膨らませてCDをセット。そして出てきた音は‥何じゃこりゃ!
暗い‥いや暗いといってもデスメタルみたいなものではない。何ていうのかな、もっと「病んでいる」感じです。太宰治のイタリア版音世界とでもいうのかな。
特にボーカルの旋律が「嫌悪感」と「悪意」に満ちていて一言で言うなら「神経を逆なでする」メロディー。
いやね、全体を通しては様々な旋律がゴッタ煮してて、凄く清清しいメロディやハードなギターなど格好よい箇所も多いし、演奏の技量も高いんですよ。
私はカンツォーネロックとしてのイタリアンロックが好きで、物悲しくドラマチックな旋律がたまらないのです。しかし、イタリアンプログレにはもうひとつ「凄く暗黒な面がある」のも事実でした。そのうちの暗黒面が前面に出ているのがこれじゃないかしら。
‥と、文句ばっかり並べ立てているんですが、実はいまこのCDがヘビーローテーションなんですわ(笑)。「こんなCDが名盤だなんて笑止千万」とか「こんなCdを聴く人間の気が知れない」と言いながら気がつくと聴いているんです。
とまぁ、不思議と聴いているんですが、これを人に薦めるかと聞かれたら「NO!」
だって、友達失いたくないもの。下手すりゃ「ストレスたまってる?疲れてない?」といらぬ嫌疑を掛けられそうです。
そうそう、このグループはプログレの定番楽器「キーボード」がありません。プログレロックをキーボードロックと捕らえるならカテゴリーから外れますね、まぁそんなこと誰も言わないだろうけどね。
変わりに元気いっぱいなのが「フルート」と「サックス」。フルートはプログレロックで認められてるけどサックスはどちらかというと「ジャズロック」だわね。もっともこのCDは間違ってもジャズロックには入りませんね。
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