普通の日々

ごく普通の日々の事

被災地における不公平

2005-01-16 19:49:34 | ニュース関連
流通マヒ、届かぬ物資 津波被害のスリランカ (朝日新聞) - goo ニュース
 救援物資を被災者に公平に分配するという事はかなり難しいことなんでしょうね。救援物資の内容と数量、被災者の家族構成、そしてその配布場所等様々な事を考慮して配布しないと、あっちでこれが足りない、こっちでこれが余っているという事が必ず起きる。
 記事にあるスリランカですがこの状況は拙いでしょう。
“今月7日、県庁が各集落の村長を通じて、最寄りの生活協同組合の店で救援物資と自由に交換できる配給券を配り始めた。スギトさんも村長のところへ受け取りに行ったが、「被災者名簿に名前がないからダメだ」と断られた。

 村長は「全世帯に配った。もらっていないのは被害がないからだ」と言い張る。しかし、スギトさんの家に近い5軒のうち受け取ったのは1軒だけ。配給券を扱う生協の店主は「被害がないはずの内陸の人が配給券を持ってきた。村長が自分の友人とかにばらまいたんじゃないのか」。

 村長は、住民登録や証明書の発行、住民動向の把握が日常の任務。政府派遣の県行政長官に任命され、「上には都合のいい情報しか上げない」「酒を持っていかなければ証明書も書いてくれない」などと各地で評判は良くなかった。そんな村長が被災後、死者、不明者、被害家屋の確定から、救援物資の配分まで全権を握ることになったのだ”
 被災地では行政がまともに機能していなければ、政府の被災民支援策が上手く機能する筈がありません。こんな責任感の欠片も無い、無能の塊みたいな村長の元ではそれにますます拍車が掛かるでしょう。こういう状況での不公平は不満が復興後にまで尾を引く可能性もある。将来これが原因で何らかの悲劇的な事件が起きる可能性だってある。この状況は早急に改善しなければならないんですが、問題はスリランカ政府にその能力が有るかという事なんですよね。

 記事にはもう一つの問題が載っています。直接には津波の被害を受けなかったが、津波で職を失った人達が食料を受け取りに避難所へ行ったら、家を失った被災民から「お前たちは被災民じゃない」と追い返されたというのです。スリランカ政府の被災民支援策の内容は判りませんし、単にその避難所だけでの事なのかもしれませんが、こういう不公平・差別もそのままにしておくのは拙いでしょう。先程書いたように不幸な事態の引き金になりかねない。

 記事はこの文章で締めくくられています。
“ガール周辺へは被災直後、民間ボランティアが大量の援助物資を直接運んだ。政府が「配給物資は十分にある。政府に任せて」と繰り返したこともあり、民間が直接届ける救援物資は目に見えて減っている”
 この文章を読む限りでは現在スリランカ政府にスリランカ全土における被災民支援の能力は無いとも言えます。外国政府の援助隊や民間ボランティアの協力が必要なのかもしれません。問題はスリランカ政府がそれを受け入れてくれるかなんですがね。

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