最前線の育児論byはやし浩司(Biglobe-Blog)

最前線で活躍するお父さん、お母さんのためのBLOG
http://www2.wbs.ne.jp/~hhayashi/

2/2 2002年に書いた原稿より

2011-12-31 12:25:37 | Weblog




子育て ONE POINT アドバイス! by はやし浩司(256)

子どもの携帯電話を考える

 携帯電話をもつ子どもがふえている。調査のたびに、ぐんぐんとうなぎ昇りにふえているので、調査そのものがあまり意味がない。が、それと同時に弊害も表面化してきた。それらを並べると……

(1)マジックミラー症候群……膨大な情報量の中で、知りたい相手の情報は見ても、自分の情報は流さない。一方的に相手を観察するだけで、自分の正体は明かさない。あるいは他人の意見を知り、それを攻撃することはできても、自分の意見は述べない。情報が一方通行化する。
(2)リセット症候群……一度、嫌いになると、ちょうどスイッチを切るかのように、相手を自分の世界から抹殺してしまう。その後その相手からメールが入っても、それを受けつけないか、無視する。
(3)オセロ症候群……白黒はっきりした人間関係をつくろうとする。敵の敵は味方という考え方をしながら、その色分けをはっきりする。中間色的なつきあいができなくなる。
(4)マトリックス症候群……バーチャルな人間関係を結ぼうとする。相手は無臭、無味、体温の感じない状態のほうが、つきあいやすい。自分の側の臭いや味、感情も文の上でコントロールしようとする。一方、現実の世界の人間とは、心を結べなくなる。
(5)字幕症候群……相手からの文字に、自分の心をのせて相手の文を読む。たとえば相手が「バカだなあ」と書いたとする。相手は冗談のつもりで書いたとしても、その「冗談」の部分はわからない。わからないから、こちらの感情でその文を読んで、ときには憤慨したり、怒ったりする。
(6)携帯電話依存症候群……携帯電話がないと落ち着かない。気分がすぐれない。携帯電話に固執する。
(7)カプセル症候群……メール用語、メールの世界だけしか通用しない用語だけで会話をしようとする。またそれを知らない人を、よそ者的に排斥しようとする。
(8)ワイアレス症候群……膨大な情報の中に埋もれてしまい、自分がわからなくなる。無能化、愚鈍化が進む。一日の行動が決められず、電話の運勢占いにすべてをかける。
(9)グラフィック症候群……音声の会話ができなくなる。メールでは何でも話せるのに、いざその人と直接対面すると、何も話せない。
(10)ボーダーレス現象……性情報が氾濫し、それが見境なく低年齢層に浸透している。
(11)情報のフェザー現象……情報の価値が限りなく軽くなり、その分、思考回路も軽くなる。会話能力の低下、思考能力の低下をきたす。
(12)親指人間、会話能力欠如、言葉の短文化、感情化、短絡化、文字のマンガ化、ムダ話がなくなった分だけ、黙々と携帯に文字を打ち込んでいる。



子育て ONE POINT アドバイス! by はやし浩司(259)

子どものウソ

 子どものウソは、つぎの三つに分けて考える。(1)空想的虚言(妄想)、(2)行為障害による虚言、それに(3)虚言。空想的虚言というのは、脳の中に虚構の世界をつくりあげ、それをあたかも現実であるかのように錯覚してつくウソのことをいう。行為障害による虚言は、神経症による症状のひとつとして表れる。習慣的な万引き、不要なものをかいつづけるなどの行為障害と並べて考える。これらのウソは、自己正当化のためにつくウソ(いわゆる虚言)とは区別して
考える。空想的虚言については、ほかで書いたのでここでは省略する。
 で、行為障害によるウソは、ほかにも随伴症状があるはずなので、それをさぐる。心理的な要因が原因で、精神的、身体的な面で起こる機能的障害を、神経症というが、ふつう神経症による症状は、つぎの三つに分けて考える。
(1)精神面の神経症……精神面で起こる神経症には、恐怖症(ものごとを恐れる)、強迫症状(周囲の者には理解できないものに対して、おののく、こわがる)、虚言癖(日常的にウソをつく)、不安症状(理由もなく悩む)、抑うつ感(ふさぎ込む)など。混乱してわけのわからないことを言ってグズグズしたり、反対に大声をあげて、突発的に叫んだり、暴れたりすることもある。
(2)身体面の神経症……夜驚症(夜中に狂人的な声をはりあげて混乱状態になる)、夜尿症、頻尿症(頻繁にトイレへ行く)、睡眠障害(寝ない、早朝覚醒、寝言)、嘔吐、下痢、便秘、発熱、喘息、頭痛、腹痛、チック、遺尿(その意識がないまま漏らす)など。一般的には精神面での神経症に先立って、身体面での神経症が起こることが多く、身体面での神経症を黄信号ととらえて警戒する。
(3)行動面の神経症……神経症が慢性化したりすると、さまざまな不適応症状となって行動面に表れてくる。不登校もその一つということになるが、その前の段階として、無気力、怠学、無関心、無感動、食欲不振、引きこもり、拒食などが断続的に起こるようになる。パンツ一枚で出歩くなど、生活習慣がだらしなくなることもある。
 こうした症状があり、そのひとつとして虚言癖があれば、神経症による行為障害として対処する。叱ったり、ウソを追いつめても意味がないばかりか、症状をさらに悪化させる。愛情豊かな家庭環境を整え、濃厚なスキンシップを与える。あなたの親としての愛情が試されていると思い、一年単位で、症状の推移を見守る。「なおそう」と思うのではなく、「これ以上症状を悪化させないことだけ」を考えて対処する。神経症による症状がおさまれば、ウソも消える。


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では、次回もご愛読くださいますよう、お願いします。
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1~300作は、http://www2.wbs.ne.jp/~hhayashi/のトップページより、
「ワンポイント」へお進みください。お待ちしています。
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件名:子育て情報(はやし浩司)3-30

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    子育て最前線の育児論
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02-3-30号(033)
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      by はやし浩司(ひろし)
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キーワードは、C,X,I(シー・エクス・アイ)
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いつもこのマガジンをご愛読くださり、感謝しています。
昨日(29日)、島田市の青年会議所の方と、講演の打ち合わせをしました。
「何とか多くの人に来てほしい」とのこと。私はあまり講演会場への
入場者の数にはこだわっていないのですが、熱意に打たれました。

皆さんの中で、もし興味があれば、5月18日、島田市おおるり会館へ
午後2時においでください。お待ちしています。詳しくは
http://www2.wbs.ne.jp/~hhayashi//、「ニュース」のところに
書いておきました。
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「子育てストレスが子どもをつぶす」リヨン社・1300円+税が
発売中です。どうかよろしくお願いします。

4月3日に、読売新聞と中日新聞(全国版)に、広告が載るとの連絡が
出版社のほうからありました。どうか、ご覧ください。

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子育てアドバイスから、いくつかを選んでお送りします。
1~300作は、サイト、http://www2.wbs.ne.jp/~hhayashi/ の
ほうで紹介しています。トップページから、「ワンポイント」へと
お進みください。

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近況

 数日前、バンクーバーのM氏より手紙が届く。カナダでも日本語を学ぶ高校生が急減しているという。日本語クラスを閉鎖した学校もあるという。国外での「日本離れ」は、今、急速に進んでいる。こうした現状を、日本人はどれだけ知っているだろうか。東京の株式市場に上場している外国企業も、125あまりから、現在は36社(90年)程度にまで減っている(2000年1月)。今年に入って、マクドナルド、ネスレ、ドレスナー銀行も日本からの撤退を決めている。アジアの経済の中心は、シンガポールに移ってしまった。いまだに「日本は経済大国だ」「アジアの中心だ」と思っている人が多いのには、驚かされる。日本の教育改革は、30年は遅れた。
教育がにっちもさっちもいかなくなって、いまごろ「改革」を叫んでも、その成果が出るのは、さらに20年後、30年後。私はもう知らないぞ! ……と言いつつ、今日もかろうじてがんばっています。

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静岡県教育委員会発行雑誌「ファミリス」での連載が、2002年度も続くことに
なりました。どうか、ご購読くださいますよう、心からお願いします。全力をあげて
この原稿に取り組んでいます。お申し込みは、学校の先生まで(静岡県)、あるいは

(株)静岡教育出版社 ℡054-281-8870(ファミリス販売部)までお申し込みください。

〒422-8006 静岡市曲金5-5-38、静岡教育出版社

       一冊 300円プラス送料76円……現金書留にてお申し込みください。

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子育て ONE POINT アドバイス! by はやし浩司(260)

子育てじょうずな親

 子どもには子どものリズムがある。そのリズムをいかにつかむかで、「子育てじょうずな親」「子育てべたな親」が決まる。子育てじょうずな親というのは、いわゆる子育てがうまい親をいう。子どもの能力をじょうずに引き出し、子どもを前向きに伸ばしていく親をいう。
 結果は、子どもをみればわかる。子育てじょうずな親に育てられた子どもは、明るく屈託がない。心のゆがみ(ひねくれ症状、ひがみ症状、つっぱり症状など)がない。また心と表情が一致していて、すなおな感情表現ができる。うれしいときは、うれしそうな顔を満面に浮かべるなど。
 子育てじょうずな親は、いつも子どものリズムで子育てをする。無理をしない。強制もしない。子どものもつリズムに合わせながら、そのリズムで生活する。そのひとつの診断法として、子どもと一緒に歌を歌ってみるという方法がある。子どものリズムで生活している人は、子どもと歌を歌いながらも、それを楽しむことができる。子どもと歌いながら、つぎつぎといろいろな歌を歌う。しかしそうでない親は、子どもと歌いながら、それをまだるっこく感じたり、めんどうに感じたりする。あるいは親の好きな歌を押しつけたりして、一緒に歌うことができない。
 そもそもこのリズムというのは、親が子どもを妊娠したときから始まる。そのリズムが姿や形を変えて、そのつど現れる。ここでは歌を例にあげたが、歌だけではない。生活全般がそういう
リズムで動く。そこでもしあなたが子どもとの間でリズムの乱れを感じたら、今日からでも遅くないから、子どもと歩くときは、子どもの横か、できればうしろを歩く。リズムのあっていない親ほど、心のどこかでイライラするかもしれないが、しかし子どもを伸ばすためと思い、がまんする。
数か月、あるいは一年のうちには、あなたと子どものリズムが合うようになってくる。子どもがあなたのリズムに合わせることはできない。だからあなたが子どものリズムに合わせるしかない。そういうことができる親を、子育てじょうずな親という。



子育て ONE POINT アドバイス! by はやし浩司(261)

内弁慶、外幽霊

 家の中ではおお声を出していばっているものの、一歩家の外に出ると、借りてきたネコの子のようにおとなしくなることを、「内弁慶、外幽霊」という。といっても、それは二つに分けて考える。自意識によるものと、自意識によらないもの。緊張したり、恐怖感を感じて外幽霊になるのが、前者。情緒そのものに何かの問題があって、外幽霊になるのが、後者ということになる。たとえばかん黙症などがあるが、それについてはまた別のところで考える。
 子どもというのは、緊張したり、恐怖感を覚えたりすると、外幽霊になるが、それはごく自然な症状であって、問題はない。しかしその程度を超えて、子ども自身の意識では制御できなくなる
ことがある。対人恐怖症、集団恐怖症など。子どもはふとしたきっかけで、この恐怖症になりやすい。その図式はつぎのように考えるとわかりやすい。
 もともと手厚い親の保護のもとで、ていねいにかつわがままに育てられる。→そのため社会経験がじゅうぶん、身についていない。この時期、子どもは同年齢の子どもととっくみあいのけんかをしながら成長する。→同年齢の子どもたちの中に、いきなりほうりこまれる。→そういう変化に対処できず、恐怖症になる。→おとなしくすることによって、自分を防御する。
 このタイプの子どもが問題なのは、外幽霊そのものではなく、外で幽霊のようにふるまうことによって、その分、ストレスを自分の内側にためやすいということ。そしてそのストレスが、子どもの心に大きな影響を与える。家の中で暴れたり、暴言をはくのをプラス型とするなら、ぐずったり、引きこもったりするのはマイナス型ということになる。こういう様子がみられたら、それをなおそうと考えるのではなく、家の中ではむしろ心をゆるめさせるようにする。リラックスさせ、心を開放させる。多少の暴言などは、大目に見て許す。とくに保育園や幼稚園、さらには小学校に入学したりすると、この緊張感は極度に高くなるので注意する。仮に家でおさえつけるようなことがあると、子どもは行き場をなくし、さらに対処がむずかしくなる。
 本来そうしないために、子どもは乳幼児期から、適度な刺激を与え、社会性を身につけさせる。親子だけのマンツーマンの子育ては、子どもにとっては、決して好ましい環境とはいえない。



子育て ONE POINT アドバイス! by はやし浩司(262)

灯をともして、引き出す

 恩師のT氏が教えてくれた言葉だ。子どもは、「灯をともして、引き出す」。そしてこれが欧米流れの教育の基本でもある。エデュケーションの語源は、「EDUCE(引き出す)」である。
 一方、日本語(中国語)では、「教え育てる」が基本になっている。どちらがよいとか悪いとか言っているのではない。「教育」に対する考え方が、基本的な部分で正反対だということ。日本では、子どもをある特定の形につくりあげるのが教育ということになっている。一方、欧米では、子ども自身の方向を認め、その選択を子ども自身に任せているということ。この違いは、いろいろな場面で表れる。
 たとえば日本では、先生は、「わかったか?」「よし、ではつぎ!」と言って授業を進める。しかしアメリカでは、「どう思う?」「それはいい考えだ」と言って授業を進める。そのため日本では、子どもに子ども自身の考えをあまりもたせない。一方、アメリカでは、子どものときから、子どもの言葉で子どもに話させる。わかりやすく言えば、日本の教育は、まず学校があって教師がいる。そこへ生徒がやってくるという図式で成り立っている。一方、欧米では、まず子どもがいて、その周囲に教師がいて、学校があるという図式で成り立っている。わかりにくい話かもしれないが、要するに「学校中心」か、「子ども中心」かという話になる。だから……。
 たとえばアメリカでは、学校の先生が落第を親にすすめると、親は喜んでそれに従う。「喜んで」だ。これはウソでも誇張でもない。事実だ。むしろ子どもの成績が落ちたりすると、親のほうから落第を頼みにいくケースも多い。「うちの子はまだ、進級する準備ができていない(レディできていない)」と。アメリカの親たちは、「そのほうが子どものためになる」と考える。が、この日本ではそうはいかない。いかないことは、あなた自身が一番よく知っている。
 同じ「教育」といっても、外から見た「形」はよく似ていても、その中身、つまり意識は日本と欧米とでは、まるで違う。そういうことも考えながら、「灯をともして、引き出す」の意味を、もう一度考えてみてほしい。あなたもきっと、「なるほど」と納得するはずだ。



子育て ONE POINT アドバイス! by はやし浩司(263)

大学の独立法人化

 やっとというか、日本でも大学の独立法人化が動き出した。教官の身分が保証されないという理由で、反対意見も多いが、しかしこんなことは日本以外の国では常識。アメリカではもう三〇年も前から、大学入学後の学部変更は自由。転籍も自由。それも即日に転籍できる。で、
学生たちはより高度な授業を求めて、大学の間をさまよい歩いている。そのため学科のスクラップアンドビルドは、日常茶飯事。やる気のない教官はどんどんクビになっている。学生に人気がなければ、学部すら閉鎖される。その結果だが……。
 たまたまある日、二人の学生が遊びにきた。二〇〇一年にアメリカの州立大学を卒業したA君。もう一人は一九九九年に横浜の国立大学に入学したB君。そのB君を見て、A君が驚いた。「よくアルバイトをする時間があるな」と。アメリカの大学生にしてみれば、アルバイトなどは考えられない。実によく勉強する。毎週金曜日に試験があるということもあるが、毎晩夜遅くまで勉強しても、それでも時間が足りないそうだ。アメリカでは、オーストラリアでもそうだが、一単位ずつお金を出して講座を買うシステムになっている。(実際にはまとめて買うが……。)そのお金は、たいてい奨学金でまかなう。だから私たちがモノを選んで買うように、彼らもまたよい講座を選んで買う。そういう意識があるから、いいかげんな講義を許さない。私も一度、オーストラリアの大学で日本語を教えていたことがある。そのとき一人の学生が私にこう聞いた。
「『は』と『が』の違いを説明してほしい」と。「私は行く」と、「私が行く」はどう違うかというのだ。
そこで私が「わからない」と答えると、その学生はこう言った。「君は、この講義でお金を受け取っているのか」と。それで私が「受け取っていない。私はボランティアだ」と言うと、「じゃあ、いい」と。だから教えるほうも必死だ。
 きびしさがあってはじめて、質は高くなる。ぬるま湯につかりながら、「いい教育」はできない。
できるはずもない。しかし今まで、日本の大学教育は、そのぬるま湯につかりすぎた。教授人事も、「そこに人がいるから人事が慣例化している」(東大元教授)で、改革ということになったが、それにしても遅過ぎた。今の改革が成果を生み出すのは、さらに二〇年後、三〇年後ということになる。そのころ世界はどこまで進んでいることやら。日本はどこまで遅れていることやら。考えれば考えるほど、暗澹(たん)たる気持ちになるのは私だけではあるまい。




子育て ONE POINT アドバイス! by はやし浩司(238)

フリ勉、ダラ勉、時間ツブシ

 勉強が空回りするようになると、子どもはフリ勉、ダラ勉、時間ツブシをするようになる。フリ勉というのは、いかにも勉強していますというような様子だけを見せる勉強をいう。しかしその実、何もしない。ダラ勉というのは、簡単な計算問題を一〇~三〇分もかけてするなど。あるいは描かなくてもよいようなグラフを、いつまでも描きつづけたりする。さらに時間ツブシというのは、勉強のあいまに、シャーペンの芯を出したり入れたり、ときにあちこちに落書きをしたりしながら時間をつぶすことをいう。小学校の低学年で一度、こういう症状を見せると、その修復はたいへんむずかしい。それがその子どもの勉強方法として定着してしまうからである。無理、強制が日常的につづくと、子どもはそうなるが、この段階でそれに気づく親はまずいない。「やればできるはず」「そんなはずはない」と子どもを追い立てる。その悪循環がますます子どもをして、勉強から遠ざける。
 では、どうするか。一度、こういう症状を示し始めたら、あきらめる。つまりそれがその子どもの能力と思い、あきらめる。しかもその時期は早ければ早いほどよい。小学一年生でも早過ぎるということはない。……と書くと、たいてい「まだ一年生ですよ!」と言う親がいる。しかし一年生だから、あきらめる。もう少し年齢が大きくなって、自意識でコントロールできるようになると、自分で勉強に向かうようになる。しかしその前に勉強グセをつぶしてしまうと、ここに書いたように修復そのものがむずかしくなる。(あるいは不可能になる。)
 が、それで終わるわけではない。さらに症状が進むと、ごまかすのがうまくなる。学校ではいつもカンニングをして、その場をごまかすようになる。しかもそれが天才的に(?)うまくなる。先生の目を盗み、隣の子どもの答などを、そのまま丸写しにしたりする。小学二年生で、このタイプの子どもは、二〇人もいれば必ず一人はいる。もうこうなると、学力が身につくことなど、望むべくもない。
 要はそういう子どもにしないこと。そのためには無理、強制を避ける。動機づけ(子どもに興味をいだかせるような努力)をしっかりとしながら、達成感(やり遂げたという喜び)を感じさせな
がら、少しずつ学習に向かわせる。英語には、「火をともして、引き出す」という格言がある。家庭教育の鉄則にもなっている。それはある意味でたいへんなことだが、子どもに勉強させるのは、それくらいたいへんなことだということを、まず親が自覚すること。またその前提で、子どもの勉強を考えること。


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また次回も、よろしくご愛読ください。おかげさまで、このマガジンも、少しずつですが読者がふ
えています。これもみなさんのおかげです。ありがとうございます。
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教育改革には二つの意味があります。制度の改革と、意識の改革です。この浜松市という
地方に住んでいて、制度の改革を訴えても、まさに「犬の遠吠え」。日本は中央集権国家なのです。地方に住んでいる私たちが、それを受け入れてしまっている! 数年前に、駅前に公立の大学ができましたが、学長以下80人の教官すべて、東京からきた人です(学生課調べ)。こういうことばかりしているから、地方はいつまでたっても「地方、地方」とバカにされるのです。みなさん、意識の改革をすすめましょう。みなさんの意識が変われば、日本も変わるのです。


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アメリカの図書(読書指導)について、調べました。→http://www2.wbs.ne.jp/~hhayashi/
→トップページ→「アメリカの読書指導」へおいでください。
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近況

 29日から2週間の春休みです。まとまった休みは、この春休みと、夏休みです。この春休みのよいところは、夏休みの間と違って、旅行するにも、格安で、また行楽地がふだんよりもすいていることです。いろいろ計画があります。このマガジンは、今のところ毎週発行していますが、春休み中は、気が向いたら(失礼!)、不定期にときどき発行するつもりでいます。そのときはよろしくお願いします。皆さんの子育てでお役にたてるよう、できるだけ実用的な記事を集めました。


 愛知万博、名古屋市パビリオンの答申が、去る3月25日に終わりました。
 哲学者の山折先生や、解剖学の養老先生、宇宙学の松井先生、キャスターの草野さんなどにお会いできたのが、何よりも収穫でした。隣の席でいつもすばらしい意見を聞かせてくれたのが、藤井フミヤ氏でした。私にはたいへんよい経験になりました。私をのぞいて、皆さん、第一級の世界でがんばっておられる人たちでした。

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(おまけ)

子育て ONE POINT アドバイス! by はやし浩司(244)

子どもの嫉妬

 嫉妬はたいへん原始的な、つまり本能に根ざす感情であるだけに、扱い方をまちがえると、その子どもの人間性そのものにまで影響を与える。「原始的」というのは、犬やネコをみればわかる。犬やネコは、一方だけをかわいがると、他方ははげしく嫉妬する。また「人間性」というのは、情緒面のみならず、精神面にも大きな影響を与えるということ。そしてそれは多くのばあい、行動となって表れる。
 嫉妬が「内」にこもると、子どもはぐずったり、いじけたりする。ひがみが強くなったり、がんこになったりする。幼児のばあい、原因不明の身体の不調(発熱、下痢、嘔吐)を訴えることもある。「外」に出ると、いじめや動物への虐待となることが多い。嫉妬がからんでいるばあいには、それが相手に向けられたときには、「殺す」というところまでする。残虐かつ陰湿になるのが特徴で、容赦しないのが特徴。弟に向かって自転車で突進したケースや、弟を逆さづりにして頭から落としたケース、さらに妹の人形をバラバラにしてしまったケースや、妹をトイレに閉じ込めてしまったケースなどがある。一人、妹にお菓子と偽り、チョークを口の中に入れた女の子(小二)もいた。また動物への虐待では、飼っていたハトの背中に花火をくくりつけ、ハトを殺してしまったケース、つかまえてきたカエルを地面にたたきつけて殺してしまったケースなどがある。
 ふつう子どもが理由もなく(また原因がはっきりしないまま)、ぐずったり、ふさいだりするときは、愛情問題を疑ってみる。そういうときは抱いてみるとわかる。最初は抵抗する様子を見せるかもしれないが、強引に抱き込んだりすると、そのまま静かに落ち着く。
 乳幼児期は、静かで穏やかな生活を大切にし、嫉妬と闘争心の二つはいじらないようにす
る。中に、わざと子どもを嫉妬させながら、親への依存心をもたせる人がいる。一昔前の親がよく使った方法だが、依存心をもたせるという意味で、好ましくないことは言うまでもない。






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