最前線の育児論byはやし浩司(Biglobe-Blog)

最前線で活躍するお父さん、お母さんのためのBLOG
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1/2暴論とは

2010-12-31 10:13:59 | Weblog

【参考】(2005,6年ごろに書いた原稿)

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たしかに、日本語が乱れている。
それはわかる。しかし……。
いろいろ議論されているが、どれも
どこか的をはずれているようにも、
感ずる。
本当に、日本語は乱れているのか?

+++++++++++++++++

 中学生レベルの国語力しかない学生が、国立大で   …… 6%
                   4年生私立大で  ……20%
                   短大で    ……35%

「大学生の日本語力が低下し、中学生レベルの国語力しかない学生が国立大で6%、四年
制私立大で20%、短大では35%にのぼることがわかった」というのだ。

調査したのは、独立行政法人「メディア教育開発センター」(千葉市)のON教授(コミュ
ニケーション科学)ら。(注……04年度に入学した33大学・短大の学生約1万3000
人を対象に、中1から高3相当の問題を盛り込んだテストを行い、02年度に中高生に実
施したテスト結果と照らし合わせて、レベルを判定したという。)

たとえば「憂える」の意味を「喜ぶ」と思いこんでいる学生が多いなど、外国人留学生よ
り劣る実態で、授業に支障が出るケースもあるという。同教授は「入学後の日本語のリメ
ディアル(やり直し)教育が必要」と指摘する。

その結果、中学生レベルと判定された学生は、5年前に行われた調査と比較して、国立大
が0・3%から6%、私立大が6・8%から20%、短大が18・7%から35%と、数
年間で大きく増加していることが分かったという。

Yahoo・ニュースは、「テストでは『憂える』の意味を問う設問で、『中学生レベル」』
と判定された学生の3人に2人が『うれしい』に音感が近いためか『喜ぶ』を選択。『大学
生レベル』とされた学生の中でも正答率は50%にとどまり、文字通り“憂える”結果となっ
た」と伝えている。

【問題の例】

 ☆露骨に

(1)ためらいがちに     (0%)
(2)おおげさに    (83.3%)
〔3〕あらわに     (16.7%)
(4)下品に         (0%)
(5)ひそかに        (0%)
       
 ☆憂える

(1)うとましく思う  (16.7%)
(2)たじろぐ        (0%)
(3)喜ぶ       (66.7%)
〔4〕心配する        (0%)
(5)進歩する     (16.7%)

 ☆懐柔する

(1)賄賂をもらう   (50.0%)
(2)気持ちを落ち着ける(33.3%)
(3)優しくいたわる  (16.7%)
〔4〕手なずける       (0%)
(5)抱きしめる       (0%)
(カッコ内は中学生レベルと判定された学生が回答した割合、〔 〕数字が正解)
 *小数点計算で合計は必ずしも100にならない
(以上、Yahoo ニュースより)

 私も、最近の子どもたちが口にする日本語には、かなり問題があると考えている。しか
しそれは、個々の言葉の使われ方にあるのではなく、文全体として、問題があると考えて
いる。数日前にも、それについて書いた。「先生、終わったら、どうするのですか?」と言
った子どもがいたので、私は、こう答えてやった。

「先生は、まだ終わらない。元気でピンピンしている。先生が終わったら、葬式でもして
くれればいい」と。

 こうした言い方の代表的なもののひとつに、「先生、オシッコ!」というのがある。「ト
イレへ行きたい」と言うべきときでも、子どもたちは、「先生、オシッコ!」と言う。だか
ら、すかさず、私は、こう言う。「私は、オシッコではない。人間だア!」と。
 で、最初の話題。つまり国語力。

 「日本の論点」(04)は、「国語に関する世論調査」(04)の結果について、報告して
いる。そして「誤った敬語を含む例文を、正しいと思う人が目立つ」と。
 たとえば……
 「先ほど、中村さんがお話しされたように、この本は、とても役にたちます」(まちがい)
→正しくは「お話しになったように」
 「先生が、お見えになります」(まちがい)→正しくは「先生が、見えます」
 「ご乗車できません」(まちがい)→正しくは「ご乗車になれません」
 
 しかしこうした議論を一巡すると、つまり、あれこれ議論をしつくすと、そこに、ふと、
こんな疑念がわいてくる。つまり、これは国語力の問題ではなく、日本語そのものがもつ、
欠陥(けっかん)ではないか、と。
 たとえば英語で、「I go to Tokyo.」は、
 「私、東京、行く」
 「東京、私、行く」
 「東京、行く、私」と、どんな言い方をしても、意味が通じてしまう。私が住む浜松市
では、こうした言葉の間に、(ジャン)(ダニ)を入れる。たとえば、「私、東京、行く」は、
「私、東京、行くジャン」と。

 こうした言葉としての欠陥は、100年単位でみると、さらによくわかる。この日本で
は、たった100年前に書かれた文章ですら、辞書なしでは、理解することができない。
200年前、300年前の文章となると、さらに、そうである。

 流動的というよりも、言葉としての一貫性が、まだ確立されていない。だから今の今も、
日本語は、乱れつづけている。

 で、問題は、それが悪いことなのかどうかということ。最近では、コンビニ言葉につづ
いて、オタク言葉、さらにはネット言葉というのも、生まれている。そしてそういう言葉
が、表に出てきて、日常会話の中でも使われるようになってきている。

 ためしに中学生たちが話している会話に、そっと耳を傾けてみるとよい。多分、あなた
は、彼らが、何を話しているか、その意味すらわからないのではないだろうか。たとえば、
彼らは、こんな話し方をする。

「私、あいつにコクられて、いやだった。だって、フタマタよ。それをXXのヤツ、チク
ってね。あとは、シュラバ。私には、ラブな人、ちゃんといるのよ。私、マッチョは嫌い。
腹筋が、8つに分かれている男なんて、サイテー。頭にきたから、デニルしてね。あとは、
シカト……」と。

 ついでに、若い人たちの間で、よく使われる言葉について、調べてみた。私が中学生た
ちから、直接、聞き取り調査したものである。

 コクル……告白する。
 デニル……デニーズ(レストラン)に行く。
 マクル……マクドナルドに行く。
 カリパク……借りたあと、返さないで、もっていること。
 パクル……盗む。
 シュラバ……自分のまずいところを見られること。
 フタマタ……浮気のこと。二人の異性とつきあうこと。
 チクル……告げ口をする。
 パシリ……下っ端のこと。子分的な人のこと。
 アリガチ……ありえること。
 シカト……無視する。
 ラブな人……好きな人。
 A(エイ)……手を握るつぎの段階。(つぎに、B、Cへと進む。)
 マッチョ……筋肉質の人。
 
  もっとも、今の若い人たちは、日常的に、そういう言葉、つまり、「テメエ、殺すぞ」
式の言葉を使っている。ドキッとする言い方だが、これも、ごく日常的な言い方で、特別
な言い方ではない。が、その一方で、旧来型の日本語を知らないからといって、国語力が
落ちていると判断するのも、どうかと思う。

 つまり言葉というのは、いつも大衆が先導して決めるもの。そしてその大衆は、いつも、
若い世代によって、先導される。つまり一部の学者が、おかしいと言うなら、それを言う
学者のほうが、おかしいということになる。「国語に関する世論調査」(04、ON教授ほ
か)でも、敬語の使われ方を問題にしている。

 これについても、「敬語は、日本語の美しさを代表するものだから、守るべき」という意
見と、「敬語など、もうどうでもよいではないか」という意見の2つが、するどく対立して
いる。私自身は、めったに敬語など使わない。天皇についても、「天皇が浜松へ来た」と書
くことはあっても、「天皇陛下が、浜松へ、おいでになりました」と書いたことは、一度も
ない。

 敬意を表す、表さないということではなく、どこでどのように一線を引くか、それを考
えるのが、めんどうだからに過ぎない。いちいちそういうことを考えながら文を書くとい
うのも、たいへん疲れる。それに敬語の底流にあるのは、日本人独特の、上下意識。敬語
を考えるときは、いつも、その上下関係を考えなければならない。だから敬語は、無視。
大きな流れとしても、敬語は、この先、消えゆく運命にある。

 だから「国語に関する世論調査」そのものが、どこか、おかしい。その調査では、「敬語
の使われ方がおかしいから、日本語が乱れている」というような結論を出したかったのか
もしれない。しかし最近の若い人に言わせると、「今どき、敬語なんて……」ということに
なる。

 だから視点を変えてみたら、どうだろうか。つまりここにも書いたように、個々の言葉
の使われ方を問題とするのではなく、文全体として、的確に自分の意思を相手に伝えるこ
とができるかどうかという視点で、である。その際、どんな言葉が使われようが、それは
問題ではない。

 「今日、学校あった」(まちがい)→「今日、学校で、授業がありました」
 「これは、パパが建てた家」(まちがい)→「これはパパが、買った家」
 「これは、私の学校」(まちがい)→「これは、私が通っている学校」と。
 で、反対に、これを調査した、「メディア教育開発センター」のON教授に、こんなテス
トをしてみたら、どうだろうか。はたして、ON教授は、何点取れるだろうか?

【問題の例】

☆ムッチョ
(1)むっつりしているさま
(2)貯金がないこと
〔3〕筋肉がモリモリしているさま
(4)いやがっていること
(5)怒っている様子

☆コクル
(1)告発する
(2)忠告する
(3)密告する
〔4〕告白する
(5)納得する

☆カリパク
(1)食べ物の名前
(2)借りて返すこと
(3)カリカリと怒ること
(4)道路で座ってものを食べること
〔5〕借りて返さないこと

☆アリガチ
(1)ありがた迷惑
(2)ありがとう
〔3〕ありえること
(4)ありえないこと
(5)いらぬ節介のこと

☆フタマタ
(1)2つのことを同時にすること
(2)2人の人と、同時につきあうこと
〔3〕浮気すること
(4)2つの選択肢のこと
(5)いやなこと

☆シュラバ
(1)喧嘩すること
(2)がんばること
(3)ここ一番というとき
(4)苦労すること
〔5〕何か、まずいことがバレること

 日本語も、どんどんと変化している。もともと日本語という言語は、そういう言語であ
るということ。調査では、「憂える」の意味を知らないことを問題にしているが、実際、若
い人たちが使わない言葉であれば、それもしかたないのではないか。

 さらに一言つけ加えるなら、私自身は、旧世代の人たちは、もう少し、若い人たちに、
謙虚であるべきではないかと思っている。繰りかえしになるが、「自分たちは知っている。
しかし今の若い人たちは知らない。だから今の若い人たちは、おかしい」という論法自体
が、おかしいということになる。どこかものの考え方が、復古主義的?

 ただし世の親たちに一言。

 高校入試にせよ、大学入試にせよ、そこで使われる入試問題は、こうしたどこか頭の古
い、旧世代の人たちによって作られている。だから、子どもの(進学)ということを考え
るなら、体制に迎合したほうがよい。そのほうが、あなたの子どももスイスイと、学歴社
会を生きぬくことができる。

 そのためにも、あなたの子どもには、ここに書いたように、正しい言葉で、かつ豊かな
言葉で話しかけるとよい。「テメエ、殺すぞ」ではなく、「あなたが、そうすれば、あなた
は、私によって、殺されますよ」と。
 なお、上から(3)(4)(5)(3)(3)(5)の、〔かっこ〕が正解。

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