最前線の育児論byはやし浩司(Biglobe-Blog)

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●老人心理

2009-02-13 06:25:07 | Weblog


【3】(近ごろ、あれこれ)□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

●1月10日(土曜日)

【老人心理】

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昨夜、こんな話を聞いた。
その家には、84歳になる女性がいるのだが、
他人の前では、弱々しく、やさしく思いやりの
ある人間を演ずるという。
そのため近所の人たちの間では、「仏様」と評されて
いるという。

たとえば孫(26歳)が、嫁(27歳)とひ孫(4歳)を
連れて正月に遊びに来たとする。
いつもならパクパクと夕食をすませるのに、そういうとき
にかぎって、遠慮深く、穏やかな表情でこう言うという。

「私はいらないから、H(=ひ孫)にやってくれ。
私は、食べたくない……」と。

いかにも病人、もしくは今にも死にそうな声で、そう言うという。
そのためその女性を直接世話(=介護)をしている女性(=娘、
64歳)は、こう言う。

「いやになっちゃう……。私が何も食べさせていないような
印象を、みなに与えてしまう」と。

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●4つのタイプ

他人と良好な人間関係が結べなくなると、独特の症状を
示すようになる。

(1)攻撃的に出るタイプ、(2)服従的になるタイプ、(3)依存的になるタイプ、
それに(4)同情を求めるタイプに分かれる。
それが老人になると、顕著に現れるようになる。
夜中じゅう、大声を出して暴れていた老人(男性、75歳くらい)もいた。
妻もいたが、介護に疲れて、二男の家に身を寄せてしまっていた。
しかたないので、長男の嫁にあたる女性(40歳くらい)が、介護をしていたが、
気苦労が重なったのだろう。
1、2年余りで、これ以上やせることはないと思われるほど、やせてしまった。
この老人のばあいは、(1)の攻撃的に出るタイプということになる。

が、この老人のばあいもそうだが、他人に対しては、まるで別人のように振舞って
いた。
つまり攻撃タイプであっても、他人に対しては、服従タイプになったり、依存タイプ
になったりする。
冒頭に書いた84歳の女性のばあいもそうである。

●部屋中、神札だらけ

それほど裕福な家庭ではない。
その女性の介護に当たっているのは、64歳の女性(娘)だが、夫とは死別。
現在は、会計事務所の事務員として生計を立てている。
が、その84歳の女性は美容院へ行くたびに、1万円のチップをはずんでいるという。

もちろん家計は火の車。
そこでその女性は、あちこちから、神札をもらってきては、部屋中にそれを
張りつけているという。
そこで64歳の女性(娘)が、そんなことをしても無意味と言うのだが、それを
言うと、84歳の女性(母親)は、烈火のごとく怒り出すという。

暴言を吐くなどということは、当たり前。
ときに「お前なんか、地獄へ落ちて死んでしまえ!」とさえ言うそうである。

●弱々しい老人(?)

似たような話は、いくらでもある。
こんな話も聞いたことがある。

あるときある女性(娘)のところへ電話がかかってきた。
受話器を取ると、電話口の向こうで、その女性の母親(75歳)が、やはり
今にも死にそうな声で、「助けてくれ」「歩けない」「何も食べていない」と言った
という。

が、その日は、何かの用事があって、その女性は実家(母の住むところ)には
行けなかった。
で、翌日、行ってみると、びっくり。
何とその母親が、スタスタと駅の構内を、友人といっしょに歩いているではないか。
その女性が、我が目を疑ったという。
で、母親に、「お母さん……」と声をかけると、その母親は一瞬、
「しまった!」というような表情をしてみせたという。

●ゆがんだ心理

残念ながらこの日本では、こうした老人心理の研究は、ほとんど進んでいない。
冒頭にあげた4つのタイプにしても、もとはといえば、発達心理学で使われている
分類法である。

しかし高齢になればなるほど、心はゆがむ。
思いつくまま、特徴をいくつかあげてみる。

(1)極端化…その人の性格や性質が極端化する。
(2)愚鈍化…脳の機能が衰え、言動が愚鈍かする。
(3)硬直化…融通性が消え、全般に頑固になる。
(4)悲観化…ものごとを悲観的に考えるようになる。
(5)貪欲化…食欲、性欲、物欲が増大する。
(6)依存化…強度な依存性が現れるようになる。

こうした全般的な症状にあわせて、精神的な病気や、認知症などの障害が
起これば、症状は、さらに複雑になる。

●対処段階論

こうした老人と接するとき、注意しなければならないことがある。
これは私自身の経験でもあるが、その第一は、まともに接しては
いけないということ。

息子や娘の立場で、段階的に考えてみよう。

(1)幻想期…「親である」という幻想を抱きつづける時期。親をことさら美化する。
(2)葛藤期…「そんなはずはない」と親に対する疑問と葛藤する時期。親の失敗を認め
ない。
(3)受諾期…葛藤することに疲れ、現実を受け入れるようになる時期。親を一人の人間
としてみるようになる。
(4)寛容期…1人の老人として認め、親に対して寛容になる時期。現実を受け入れ、老
人介護が、淡々とできるようになる。

たとえばある女性(当時60歳くらい)は、母親が車の中で失禁をしただけで、
パニック状態になってしまった。
自分の母親が、失禁するということ自体、受け入れがたかった。
それまでは「親は絶対」と考え、だれかがその母親を批判しただけで、それに
たいしてムキになって反論していた。

が、こうした葛藤を1、2年繰り返したあと、その女性は、ここでいう受諾期へと
入っていった。

●こわい反面教師

ここで「まともに接してはいけない」というのには理由がある。
まともに接すれば接するほど、その親の性格、性質を引きついでしまうということ。
そのときは反面教師として親を見るが、その親が亡くなったあと、今度はその
人自身が、親そっくりの人間になってしまう。

つまり反面教師にするならするで、それとは別のところで、別の人格を形成する。
その努力を怠ると、反面教師が目の前から消えたとたん、その反面教師そっくりの
人間になる。
そういう例は多い。

たとえばBさん(女性、当時60歳くらい)は、いつも母親の愚痴を言っていた。
母親は軽い脳こうそくを何度か経験したこともあって、善悪の判断ができなくなっていた。
それについて、Bさんは、母親のことを、「ずるい」「うそつき」「約束を守らない」と。

が、母親が15年近く前に亡くなった。
で、今度はBさん自身が、当時の母親の年齢に近づいてきた。
が、年齢とともに、ますます母親に似てきた。
今はBさんの息子や娘たちに、「お母さんはずるい」「うそつき」「約束を守らない」と
言われている。

老後の親は、接する側が、一歩退く。
「どうせ相手は老人」と思うことで、相手をのんでしまう。
あるいは幼児と同列に置く。
そしてあなたはあなたで、高邁な人格をみがく。

(はやし浩司 家庭教育 育児 育児評論 教育評論 幼児教育 子育て はやし浩司
老人心理 老人の心理 老齢心理 依存性 老人の依存性)


Hiroshi Hayashi++++++++JAN. 09++++++++++++はやし浩司

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