最前線の育児論byはやし浩司(Biglobe-Blog)

最前線で活躍するお父さん、お母さんのためのBLOG
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●マガジン先取り版(11-18)

2009-10-21 12:51:32 | Weblog




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子育て最前線の育児論byはやし浩司   09年 11月 18日
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【1】(子育てのこと)□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

●不安な子育て

【佐賀県にお住まいの、Kさん(母親)より、はやし浩司へ】

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佐賀県にお住まいの、Kさん(母親)より、こんな相談のメールが
届いています。
子どもの不登校の問題です。
この問題を、みなさんといっしょに、考えてみたいと思います。

++++++++++++++++++++++++++++++

【Kさんより、はやし浩司へ】

こんばんは。

メールのお返事本当にありがとうございました。パソコンに不慣れなもので、このメール
も送れているのか心配ですが・・・。

文字化けした部分は母子登校を続けるべきなのかということです。学校恐怖症というのも
拝見しました。

実は今日先生とお話して明日から送迎はするけれど、教室まではついていかないようにす
るという取り決めをしてきたのです。でもメールを拝見するとそれはかえってよくなさそ
うですね・・・。

でも私のなかでまだ学校は行かなくてはならないところという気持ちが、100%に近い
です。引きずってでも連れていくのは、私はしたくありませんが、私がついていくなら学
校へ行くというならついていって連れていくべきなのでしょうか? そして教室にいるべ
きでしょうか? 私自身、教室にいるとほかの子と比べたり、なんで私だけここにいるの
だろうと、悲しくなってきます。

親としては今行かないとずっといけなくなる不安が襲ってきます。これが高学年とか中学
生なら休ませているでしょうが、私は低学年からいかないなんて、どんな将来があるのか
と思ってしまいます。

今までの息子に対する子育ては本当に大変でした。まわりの人たちに、いい子だねとよく
言われるのです。私はそれがずっと嫌で私が息子に圧力をかけてしまっていたと反省の
日々でした。私の身近に精神病を抱えた人がいて、その人がまさに小さい頃いい子だねと
か親のいうことをよくきく子ででもある時から親を困らせていて、自分もこんな未来が待
っているのかと毎日考えてしまいます。

息子はとにかく人前ではにこにこ明るくあまりもめごとをしないことです。でも今まで家
ではいちいち文句いったり、癇癪をおこしたり、てこずる場面が多くて障害があるのかと
考える時もあります。

私からみた息子は感受性が強く、小さな頃から大人の会話に混ざろうとしたり、まだわか
らなくていいことがわかったり、カンが強くていろんなことをわかりすぎる半面、幼さゆ
えに処理しきれなくて悩むといったところが、私の見たところだけですが、そう感じます。

よくいろんなことに気がつくしいろんな状況をみて判断したりできる半面、あんなことで
きるのにここができないの?と、思ってしまう部分もあります。小さなときから大人と話
しているみたいで、私も子供ではなく大人と話している気分になってしまい、息子の返答
がおかしなときに、子供らしいと思ったり、大人っぽくみずぎて、この子おかしいと思っ
たりしてしまいます。ついつい7歳ということを忘れてしまいます。

気になる点は多々ありますが、なかなか次の行動にすんなりうつることができないことで
す。お風呂とか小さいころからすんなりいきません。あと記憶力がものすごいです。こち
らがこわくなるほどです。

息子は本当に今まさに私の不安定さを見事に見抜いています。ついついぼーっとしてしま
うと楽しくないの?とか、ご機嫌取りしにきます。分離不安の症状がでてから、すごく私
の言うことを聞こうとしていて、私はそれが気持ち悪いのです。今の私は息子に対して否
定的でほんとにいけないなあとおもいます。

たぶん何か言ったことに対して反抗的ならほんとうにこの子は言うことを聞かないからお
かしい、と思い素直に、はいと返事されると気持悪いしといったかんじです。今は見捨て
られ不安のためすごく言うことを聞いていたり、わかっていることをわざわざ言いにきた
りそういうときに、私がいらっとした態度や表情をしてしまいます。

先週、学校に行けなかったときに水族館に出かけてきました。そのこともまわりから賛否
両論で私は家で、テレビを見たり、ゲームをやってたら腐っちゃうと思って連れ出したの
ですがまわりから楽しませたら、余計行きたくないんじゃないかといわれましたが、メー
ルをみて安心しました。

今の私は日々が辛くて辛くて、もしもう一度人生があり、結婚したならば子供を持たない
という選択をしてしまうぐらいどん底です。かけがえのない宝なのですが・・・今の私は
子育てが辛いです。でも守るのは私たちしかいないですもんね。私自身、小さなころから
感受性が強く、今の息子みたいにいろいろなことを感じてしまい、辛い思いもしてきて、
今の息子をよみとろうとしすぎる部分も、私自身を追い込んでるきがします。間違ってと
らえたりもしているだろうけど、昔の自分と重ねてしまっているなあと思います。

書きたいことがいろいろありすぎて何からかけばいいのか、てんでばらばらな文章になっ
てしまいましたがすみません。きっと忙しい方だからメールくるなんておもってもみませ
んでした。本当にありがとうございます。少し気持ちが楽になりました。またきっと不安
になってメールすると思います。よろしくお願いいたします。

【はやし浩司より、Kさんへ】

 「子どもを、全幅に心を開いて信じきれない、母親の葛藤」ということになります。
子どもというのは、親の心をそのまま引き継いでしまいます。
親が「不安だ、不安だ」と思っていると、子どもの方も、自分に自信がもてなく、自己評
価力をさげてしまいます。「ぼくは、ダメな子なんだ」とです。

 そういう点では、子どもは、親の(思い)どおりの子どもになるということです。
「うちの子は、すばらしい」「できがいい」と思っていると、その子どもはハツラツとして
きます。
そうでないと、そうでない。
不安先行型の子育てのこわいところは、ここにあります。
Kさんの不安、心配は、恐らく妊娠したときから始まっています。
それが出産→育児→現在……とつながっています。

 原因は、母子関係の不全ということになりますが、さらにさかのぼれば、Kさん自身と、
Kさんの母親との関係が、疑われます。
KさんとKさんの母親との関係も、不全だったということになります。
これを子育ての世界では、「世代連鎖」と呼んでいます。
つまりKさんは今、自分が受けた子育てを、そっくりそのまま、自分の子育てで再現して
いるということです。

 Kさん、あなたは、あなたのお母さんの前で、いい子(=人形子)だった。
言いたいことも言えず、がまんし、心を開いて、甘えることもできなかった。
あなたはいい子でいることで、母親に認められようとしていた……。

 少しきびしいことを書きましたが、実のところ、あなたは自分の子どもにさえ心を開け
ないでいます。
ひょっとしたら、あなたの夫に対してさえも、心を開けないでいるのかもしれません。
「もっと心を開きなさい!」と書きたいのですが、この問題を解決するためには、この先、
5年とか、10年とか、長い年月がかかります。

 しかしそうであることに気がつけば、長い年月をかけても、この問題は解決します。
そのつど努力して、自分の心を開いてみてください。
(いい人)ぶるのを、やめるのです。
居直るのです。
「私は私だ」と、です。

 で、今、あなたの子どもが、同じことを繰り返しています。
あなたはそういう子どもの中に、自分の過去を見ています。
それが不安の原因と考えてください。

 昨日もらったメール(一部、文字化け)を、そのまま紹介させてください。

++++++++++++++++++

【Kさんより、はやし浩司へ】

息子の分離不安で悩んでおります。9月の5連休ごろから様子がおかしくなり、ママがい
なくなるのが怖いといい、登校しぶりがでています。保育園時代から毎年年に1回1か月
ほど登園拒否があります。いつも秋ごろでだいたい同じ時期にでます。年中までは登園拒
否でしたが、ママがいなくなるという不安を訴えるのは、去年の登園拒否のときからです。

その時は1か月ほどでぱたっとなくなりました。でもまた今年も同じ症状がでて対応にこ
まっております。家の中でも私を探したり、友達と遊びに行くのもお迎えの時間を何度も
確認して絶対迎えにきてねと念をおします。現在学校へは母子登校しています。今身体的
にでている症状は腹痛、頭痛、吐き気、チックです。

特に朝腹痛をうったえます。授業中も集中力がとぎれると、おなか痛い、寒い、疲れた、
もうやりたくないと私に助けを求めます。頑張れている時もあるのですが、私が学校にい
ることが彼にとっていいのかぎもんです。私がいることによって甘えがでてしまい逃げ出
す姿勢にさせてしまっているのではないかとおもってしまいます。先生は無理して学校に
こなくていい、早退する?それともお母さんにずっといてもら

……(以下、文字化け)……

……息子には本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです。ちいさなころから甘えさせてなか
ったり突き放した態度ばかりで下の子たちの入院で1か月以上離れて生活したり、執拗に
怒りすぎたり手もあげたりしました。本当に今は反省の日々です。もう過去にはもどれな
いけど今からでも間に合うのでしょうか。彼の心に傷をつけたと自分を責める毎日です。

小さなころから育てにくく癇癪をおこしたり、何か障害があるんじゃないかと思ったこと
もあります。ここに書ききれないくらいいろいろありますが今家族みんなが不安定で下の
子たちも不安定になっていきて私自身子育てが辛すぎて苦しい日々です。少しでもお力を
御貸しいただけることを、ねがっております。

++++++++++++++++++

【Kさんへ、はやし浩司より】

 子どもは、あくまでも家族の(代表)です。
子どもに何か問題(?)があると、親は、懸命に、子どもに向かってそれを直そうとしま
す。
しかしこの見方は、親の身勝手というものです(失礼!)。
子どもに何か問題が起きたら、まず自分を疑ってみる。
子どもは、家族のかかえる問題を、別の形で表現しているだけです。
「代表」というのは、そういう意味です。

 以下、気がついたことを、箇条書きにしてみます。

●「どうしてうち子だけが……」

 子どもに何か問題(?)が起きると、ほとんどの親は、「どうしてうちの子だけが……」
と悩みます。
これは共通した親の心理と考えてください。
しかし実際には、問題のない子どもはいないし、みな、そうした問題をかかえながら、必
死に闘っているのです。
(外からはわかりませんが……。)

 Kさんのメールを読んでいて気になるのは、その視野の狭さ(失礼!)です。
読んでいるだけでも、読んでいる私の方が窮屈に感ずるほどです。
「学校とは、100%、行かねばならないところ」という部分もそうですが、人生観その
ものが、狭い(失礼!)。
「まだ幼いうちからこうでは、先が心配でならない」という部分も、そうです。

 Kさんの子どもは、いわば、心の風邪をひいて、熱を出している。
それを見て、「将来が心配」は、少し飛躍しすぎています。
それともKさん自身が、子どものころ、「学校とは行かねばならないところ」と、親にも迫
られ、Kさん自身も、そういう形で、自分を追い込んでいた(?)。
学校神話というのは、それを言います。
日本人は、明治の昔から、そういう意識を叩きこまれていますから、それが今でも亡霊と
なって、親や子どもたちを苦しめているのです。

 アメリカ人でも、オーストラリア人でも、彼らは、学校に対して、もっとおおらかに考
えていますよ。
カナダ人は、もっとそうです。
学校の設立そのものが、自由です。
教科書なんて、もちろんありません。
どの子も、小学生のときから、落第(ドロップアウト)を自由に経験しています。

 が、日本人だけは、「学校、学校、学校……!」と。
バカみたいと言ったら、失礼かもしれませんが、少なくとも外国の人から見れば、そうで
しょうね。

●母子登校

 母子登校など、何でもないことですよ。
いっしょに学校へ行ってあげてください。
他人の目が気になるようでしたら、そういう人たちは、河原の石ころとでも思えばよいの
です。
まず、あなた自身が、心を開き、大きくなることです。
子どもの心だけを見て、行動すればよいのです。

 最近では、子どもを見る親たちの姿勢も変化してきました。
あなたが明るく、さわやかに母子登校をつづければ、みなも、あなたを暖かく見守ってく
れるでしょうし、あなたのすばらしさ(=度量の広さ)に感銘を受けるはずです。
もっと自分に、そして自分のしていることに自信をもちなさい!

 「私はすばらしい親だ」とです。

 ただ誤解がひとつ、あります。
症状だけを見ると、母子分離不安症のようにも思えますが、神経症による症状もいくつか
出ていますので、やはり「学校恐怖症」に準じて考えたほうがよいでしょう。

 7歳という年齢からして、母子分離不安症だけでは、そういった症状は出てきません。
学校恐怖症については、「はやし浩司 学校恐怖症」で検索してみてください。
(これは前回の返事で書いたとおりです。)

 ときどきパニック状態になりますが、どうかじょうずに、パニック期を乗り越えてくだ
さい。
コツは、「学校恐怖症」のところで書いたように、無理をしないことです。
ここで無理をすると、本当に不登校児ということになってしまいます。
しかも、長期の、です。

●カルト抜き

 Kさんの心には、学校神話が、骨のズイまでしみ込んでいます。
「学校絶対教」と言ってもよいかもしれません。
それを抜くのは、たいへんなことです。

 しかし現実には、アメリカだけでも、ホームスクーラー(=家庭で教育を受ける子ども)
が、200万人を超えていますし、EUでは、さらに教育が自由化されています。
みんな学校などほったらかしで、クラブ活動に専念しています。
そういう(自由ぽさ)を見るたびに、「何だ、この日本は!」と、私は感じてしまいます。
あえて言うなら、Kさんも視野を広めて、もう少し高い視点から、一度、子育てを考え直
してみたらいかがでしょうか。

 大切なことは、子どもが生き生きと、自分のしたいことをしながら、自分を見つけてい
くことです。
Kさんは、自分の子どもがいい子ぶることを心配していますが、そういう子どもにしてい
るのは、Kさん自身なのですね。
つまりあなた自身が、子どもにその「型」をあてはめようとしている。
子どもにしても、あなたは息苦しい母親だと思います。

 何をしても、親が心配そうな目つきで、自分をながめている。
何をしても、「あれはだめ」「これはだめ」と言われる。
私があなたの子どもだったら、「バカヤロー!」と言って、家を飛び出してしまうかもしれ
ませんよ。

 仮に、あなたの子どもが学校へすんなりと通うようになっても、あなたの心配や不安は
消えません。
あなたはまた別の新たな心配や不安の種を見つけてきては、心配し、不安に思うのです。
「うちの子は、B中学校に入れるかしら?」
「友だちと仲よくやっていかれるかしら?」とか、など。

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