最前線の育児論byはやし浩司(Biglobe-Blog)

最前線で活躍するお父さん、お母さんのためのBLOG
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●生きる皮肉

2008-12-17 07:04:40 | Weblog
【生きる皮肉】

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他人の不幸を笑うものは、
かならずその仕返しを受ける。
仮にあなたが受けなくても、
あなたの子どもが受ける。
仮にあなたの子どもが受けなくても、
あなたの孫が受ける。
かならず受ける。
だから他人の不幸を笑ってはいけない。
笑えば笑った分だけ、
あるいはそれ以上に、
あなたが今度は、自分の言葉で苦しむ
ことになる。

それにはちゃんとした理由がある。

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●人間のクズ?

少し前、自分の姪に、(姪に、だぞ!)、「工員は人間のクズ。そういう人と
結婚してはいけない」と諭(さと)した(?)、女性がいた。
(こうした話は、フィクションとして書くことが多いが、これは実話である。)
その話を、ワイフがどこかで聞いて、私に話してくれた。

何という、偏見!
何という、職業観!
私はそれを聞いて、しばらく怒りが収まらなかった。
私の長男も、その工員である。
そこで私なりに、その女性の夫の職業を調べてみた。
どうにもこうにも、怒りが収まらなかった。
そういう言葉を使うのは、どこのだれか、それを知りたかった。
どんなアホか、それを知りたかった。
で、夫の職業は、O市に住む、元役人ということがわかった。
退職前は、国の出先機関の副局長をしていたという。
(ここまでの話は、以前にも書いた。)

が、同じような話を、別の知人からも聞いた。
こんな話である。

その家の長女が選んだ相手は、隣の町の小さな工場で働いていた工員。
が、親はその結婚に、猛反対。
理由など改めてここに書かなくてもよい。
で、その長女は、駆け落ち。
そのあと現在に至るまで、20年間、音信がないという。
その過程でも、いろいろあったらしい。

が、20年たってみると、事情は一変した。
その下に2人の息子がいたが、2人とも、暴力団の事務所に
出入りするようになった。
現在、2人とも刑務所で服役しているという。
しかし親は、そのことを必死で隠そうとしている。

刑務所にいることが問題と書いているのではない。
善人も悪人も紙一重。
悪人といっても、ほんの少し歯車が狂っただけ。
自分の意思とは無関係に、ズルズルとそうなってしまう。
大きくちがうようで、どこもちがわない。

私が書きたいのは、「必死で隠そうとしている」という部分。
たとえば近所で葬儀があったりすると、息子たちの名前で花輪を出していた。
そして近所の人たちには、「仕事で来られない」とか、「中国に出張で出かけている」
などと言っていた。

正直に言えばよいとは書かない。
しかしウソまでつく必要はない。
近くにいなければいないで、よいではないか。
というのも、娘が家出したことも、2人の息子が刑務所で服役しているということも、
近所の人たちは、みな、知っていた。
知らないと思っているのは、当の両親だけ。

しかし(隠す)といっても、ものすごいエネルギーを消耗する。
悶々とした毎日。
いつ晴れるともわからない、心の霧。
つまりその両親を苦しめていたのは、娘でも息子たちでもない。
その両親のものの考え方、ということになる。
その両親は、自分自身がもっている偏見で、苦しんだ。

……というような例は多い。
だからこういうふうにも言える。
未来を作っていくのは、私たち自身であるということ。
しかも知らず知らずのうちに作っていく。

たとえば冒頭に書いた、「人間のクズ」と表現した女性にしても、
たまたま今は、よい(?)かもしれないが、先のことはわからない。
自分の息子や娘が、その工員になるかもしれない。
そうなったとき、その女性は、自分の言った言葉、つまりは
自分自身の偏見と職業観で苦しむことになる。
だれでもない、自分自身の偏見と職業観で、である。

私はその女性の夫の職業を知ったとき、「ナルホド!」と合点した。
同時に、「何を偉そうに!」と思った。
ほんの少し、人生の入り口がよかったというだけで、エリート意識を
もってしまう。
自分たちだけが、特別の人間と思ってしまう。
江戸時代の士農工商の亡霊をいまだに引きずっている。
どこまでも愚かで、哀れな女性である。
笑われるべきは、その女性自身ということになる。

(付記)
「江戸時代は終わった」
「封建時代は関係ない」
「私は近代的な人間」と思っている人も、一度は、立ち止まって、自分を
見つめなおしてみてほしい。
本当に、そうか、と。

今でも封建時代のあの時代を、賛美する人は多い。
武士道こそ日本が誇るべき、精神的バックボーンであると説く人もいる。
しかし、本当に、そうか、と。

私たちは過去の、負の遺産にこそ、目を向けるべきである。
そのひとつが、ここでいう職業観ということになる。
ほかに男尊女卑観、さらには上下意識、権威主義などなど。
いろいろある。


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