写真歳時記≪まさとしの一日一首≫――写真と短歌で綴るコラボ作品

きょうも生きた、泳いだ、自転車漕いだ。
その一日を、フォト短歌に仕立てる。
写真歳時記≪まさとしの一日一首≫。

通称アガメムノンの黄金マスク

2016-05-15 06:33:17 | 日記
死してなお威厳保てる王の貌 アガメムノンでありやなしや
(in the National Archaeological Museum, Athens, Greece)
まさとし

アテネにある国立考古学博物館――入ってすぐの正面第4室
「ミケーネの部屋」に、黄金のマスク(実物)が飾られている。

1876年、ミケーネ遺跡を発掘したシュリーマンは、
「これこそアガメムノンのマスクに違いあるまい」と主張した。

だが、後年の時代考証により、「時代が合わない」とされた。
すなわち、アガメムノンよりも300年も前のマスクだった。
しかし、いまだに誰の葬儀用マスクなのか、特定できていない。

そこで、いまわれわれは、シュリーマンに敬意を表して、
”通称アガメムノンの黄金マスク”と呼ぶことにしよう。

アガメムノンはミケーネの王で、ギリシャ軍の総大将として、
トロイア戦争(トロイの木馬で有名)に勝利したとされている。

トロイア戦争はホメロスの叙事詩「イリアス」(ギリシャ語の
トロイア)に謳われているが、神話であって、史実ではないと
考えられてきた。

しかし、このように立派なデスマスクが残されていることから、
単なる神話ではなく、実際にあったと考えることもできる。

いずれにしても、この黄金マスクは、古代史ロマンの夢を
掻き立ててくれます。