写真歳時記≪まさとしの一日一首≫――写真と短歌で綴るコラボ作品

きょうも生きた、泳いだ、自転車漕いだ。
その一日を、フォト短歌に仕立てる。
写真歳時記≪まさとしの一日一首≫。

ああ、紺碧の空にクノッソス宮殿が映える

2016-05-08 06:55:25 | 日記
紅殻を塗られし柱堂々と 往時しのばすクノソス宮殿
(in Knossos, Kriti, Greece)       まさとし

ギリシャ神話によれば、クレタ島の王ミノスは、迷宮
(labyrinth)を建て、牛頭人身の怪獣ミノタウロス
(ミノスの牡牛)を閉じ込めた。

これは長い間、単なる物語として伝えられてきたが、
英国考古学者が1900年から始めた発掘によって、
実存した宮殿であることが明らかにされた。

いま、北側入り口に残るこの写真の宮殿一部は、
鮮やかな紅殻色の柱と、立派な角を生やした牡牛
のフレスコ壁画とによって、クノッソス宮殿を
代表するモニュメントとなっている。

紅殻(弁柄とも表記)は、酸化第二鉄を主成分とする
微粉末で、染料よりも耐候性のある顔料である。
風雨と強烈な日差しに耐え、鮮烈な発色を保っている。

こういう歴史の舞台に立ってみると、はるか3千年も
4千年も昔に生きていた人々の息吹が、とても身近な
ものに感じられてくる。