写真歳時記≪まさとしの一日一首≫――写真と短歌で綴るコラボ作品

きょうも生きた、泳いだ、自転車漕いだ。
その一日を、フォト短歌に仕立てる。
写真歳時記≪まさとしの一日一首≫。

アルバニア国旗を広げて見せてくれたジプシーの子ら

2016-01-31 08:21:01 | 日記
国旗広げ観光客に屈託なく 笑顔ふりまくジプシーの子ら
(in Prizren, Cosovo)            まさとし

コソヴォには、ちゃんとコソヴォの国旗があるのだが、
この国を回ったとき、それを見たという記憶がない。

コソヴォの国旗の代りに、赤地に黒い双頭鷲の図柄の
アルバニア国旗は、あちこちで目についた。

それもそのはず、コソヴォ国民の9割がアルバニア人で、
彼らは国名こそ違え、民族的にはコソヴォを「わが国」
の一つと考えているからだ。

ジプシーの子らは、われわれ観光客が現れると、手を
差し出してお金ちょうだいと要求した。よくあることだ。

無視していると、さっさと諦めて自分たちで遊び始めた。
しつこくなく、暴力的でもないので、ほっと一安心した。

われわれが坂の上の見学から戻ってきて、兵士の像の写真を
撮り始めるのを見た彼らは、傍にあったアルバニア国旗を
さーっと自分たちで広げてみせてくれた。

おお、なんとサービス精神旺盛なことよ!
こういう屈託のなさは、子どもらしくて好ましいなあ。

ここで余談をひとつ、ご紹介します。
――同行のK子さんが、あとから笑いながら私に話してくれた。
「わたしが冗談で、あのジプシーの女の子に『ちょうだい』って
反対に手を出したら、まあ、ポケットからキャンディを出して、
わたしにくれようとするのよ。あわてて、『あ、いいの、いいの。
冗談なんだからあ』って、断ったわ」





プリズレンの気のいい二人

2016-01-30 08:43:38 | 日記
声かければ快諾したりこの二人 発展途上のコソヴォの街に
(in Prizren, Cosovo)             まさとし

この写真を撮らせてもらったら、向かって右側の帽子の青年が
いそいそとスマホを取り出して、私もいれて三人を自撮りした。

今回、コソヴォ・マケドニア・アルバニアのバルカン3国を回った。
中では、まだ独立して7年しか経っていないコソヴォが、最も貧しい。

田舎に行けば、まだ馬が荷車を曳いている。まるで60年前の日本の姿を
彷彿とさせる。

建築途中で資金繰りに行きづまったのか、放置されたままの家々が、
あちこちで目についた。

また、瓦礫のまま残されている家々も少なくない。つい7年前まで
あったセルビアとの紛争の、生々しい破壊の爪痕だ。痛ましい……。

電力制限があるらしく、街灯の数そのものが少なく、町全体が暗い。
それでも、彼ら二人のように、コソヴォの人々の気持ちは明るい。

コソヴォはいま、発展途上にある国である。
みなさんもコソヴォに行って、ユーロを使ってあげてください。


コソヴォの世界遺産「ペーチ/ペーヤ修道院」

2016-01-29 08:44:23 | 日記
建物跡のこる向うの山裾に ペーチ修道院しずかに佇てり
(in Peja, Cosovo)              まさとし

ペーチはセルビア語読み、ペーヤはアルバニア語読み。
ここはセルビア正教の女子修道院。

「黒い」聖母

2016-01-28 08:35:15 | 日記
キリストもその母マリアも黒かりき アフリカの地の発祥なるか
(in Dechani Monastery, Cosovo)  まさとし

「黒い」聖母を、私は世界のほかの所でも見てきました。

なぜ、キリストも、マリアも、肌の色が黒いのか?
単に汚れて、黒ずんだだけなのか?

「黒い」聖母は、キリスト教普及以前にオリエントに広まっていた、
「大地母神信仰」を吸収したものと言われています。

黒人の公民権運動活動家マルコムXは、「キリストもマリアも
黒人だ」と主張しています。

あなたは、どう思いますか?