写真歳時記≪まさとしの一日一首≫――写真と短歌で綴るコラボ作品

きょうも生きた、泳いだ、自転車漕いだ。
その一日を、フォト短歌に仕立てる。
写真歳時記≪まさとしの一日一首≫。

利発なToswa

2013-01-31 08:26:11 | 日記
三歳のチュニジア人のToswaちゃん英語しゃべりて遊んでくれし
                       まさとし
ここはTunis空港。Doha乗継Kix行きQatar航空のカウンター前。
私の前に、かわいらしい女の子がいたので、その母親に声をかけて
撮らせてもらった。ふつうは、ここで話が終わってしまう。ところが――
いざ機内に乗り込み、座席に着いておどろいた。なんと、私の前の
席が、この女の子だったのだ!よほど縁があるらしい。
空港には、その父親が見送りに来ていた。旅行は母親と、その姉と、
この子の3人。Dohaに遊びに行く。
この女の子の名前は、Toswa。3歳。うしろを向いて、さかんに私に
話しかけてくる。アラビア語なので意味はわからないが、楽しげだ。
その中に、突然、"What's name?"という英語が挟まれた。えっ、
それって、英語だよね? なおも何回も、"What's name?"と
訊いてくる。「おじちゃんの名前、なんていうの?」
"Papa, Yash." えっ、なに?"Papa, Yash."
「そうか、お父さんの名前はYash(or Jash)なんだね」
こんどは"Happy birthday!"ときた。
「おいおい、きょうはおじちゃんの誕生日じゃないよ」
こんな感じで、TunisからDohaまでの4時間半、あっという間だった。
Toswaちゃん、ありがとう。おかげで、退屈しないで済んだよ。



LA MER

2013-01-30 09:20:21 | 日記
LA MER 海の響きをなつかしみ喧騒はなれ渚歩むも
                  まさとし
ここはシディ・ブ・サイド、前は地中海である。
向こうに見える右側の双瘤ラクダのような山は、
ブッカルリーニ(牛の角)。

アザーンの声、響かう

2013-01-29 08:26:12 | 日記
鶏鳴きてアザーンの声の響かいぬまた一日の祈り始めん
                    まさとし
写真はグランド・モスクの礼拝場。メッカの方を向いて祈る。
鶏が鳴いたのは、そことは別の場所――Matmataである。
いまや日本では、一番鶏の声に目覚めるなんてことは、
まずありえなくなった。それがいいことか、どうか……。
ところが、ここTunisiaでは、それが日常茶飯事。
Matmataのホテルの周りは、穴倉住居の多い田舎。
夜も昼も、ホテルの周りは鶏糞の臭いがしている。
ちなみに、1月7日夕方、Matmataのホテルの前に
ある黄色いポストに、日本宛絵葉書を3通、投函した。
添乗員のタラ子さんに訊いたところ、日本には7日ほど
で着くという。
だが、7日経っても、日本に着かなかった。半月経っても
着かないので、近くの郵便局に問い合わせた。
3日後、郵便局からこういう返事がきた。
「成田空港に訊きました。昨年末から、Tunisiaからは
1通も、日本宛郵便物が届いていません」
我的天(Wo de tian)!Oh, my gosh!
もう諦めていたところ、なんと、きのう(28日)、沙漠をゆく
ラクダの写真の絵葉書がわが家に届いた。
これって、なんとなく、”蕎麦屋の出前”っぽいけどなあ。
絵葉書にはちゃんと、1月8日付けMatmataの消印が
押されてある。っつうことは、それ以後、半月ほど、
Tunisiaのどこかで足止めを食っていたって訳だ。不可解。

三題噺:現地ガイドは湿布薬が欲しい

2013-01-28 08:08:29 | 日記
裸電球ともる迷路の如きスーク現地ガイドにつきて進めり
                    まさとし
画面右側の黒服のうしろ姿が、現地ガイドのチュニジア人
Makrem(マッカラム)――アラビア語で”慈悲の心”という
意味だそうだ。その名にぴったりの男だった。
さて、きょうの本題は三題噺:現地ガイドは湿布薬が欲しい。
1.現地ガイドもピンからキリまでいるが、今回のMakrem
(38歳)は、誠心誠意尽くしてくれ、本当にピンだった。
2.それはいいのだが、あんまりマジメにやりすぎて、観光
最終日の前日、肩が詰まって、首が回らなくなった。
3.そこで添乗員タラ子さん(ショールに身を包んだキューピー
をポインターの先に着け団旗代りにしている。そのマスコット
人形の名前が「タラ子」!)が、バスの中でこう訊いた。
「どなたか、湿布薬を持っていませんか」
――たまたま私が持っていたので、Makremにあげた。
その翌日、つまり最終日、「首が回るようになった」と、
彼がうれしそうに私に言った。よかったね。
ちなみに、湿布薬はチュニジアでは製造されていない。
最近、日本から輸入され始めたらしいが、まだ高価である。
だから、これからチュニジアに行く人は、湿布薬をすこし
「お土産として」持っていくといいですよ。
仕事熱心で「首の回らなくなった」現地ガイドにあげると、
とても喜ばれる。

El Gemの闘い

2013-01-27 09:47:20 | 日記
古代ここで人と猛獣闘いし円形闘技場いまに残るも
                 まさとし
ここはEl Gem――古代ローマ植民地の円形闘技場跡。
死刑囚が、猛獣(ライオン・トラ・クマ)と闘わされた。
往時、その血しぶきが大理石の周壁に飛び散ったそうだ。
画面左下に見える金網下の地下道に、飢えた猛獣たちが
飼われていて、いざ闘技になると、上まで運ばれた。
この闘技場の広さは、内側が一周約200m、外側で
約300mほどか。
「イノウエ君、ここで勝負しよう。負けた方が獣の餌食
になる」
言っとくけど、おじさんは元マラソン・ランナーだからね。
京都の福知山マラソンで、3時間6分で走ったことがある。
イノウエ君は30代で若いから、100mでは君の方が速い。
だけどね、200mで追いつき、最後はおじさんがぶっちぎり!