あるマーケティングプロデューサー日記

ビジネスを通じて出会った人々、新しい世界、成功事例などを日々綴っていきたいと思います。

食の安全性が問われる中国の現状

2007-07-23 16:17:51 | ニュース
こんにちは。

昨日のNHKの『海外ネットワーク』という番組で、中国の食の安全性に関する報道がありました。

今回話題になったウナギをはじめ、様々な中国の食品の安全性の現状、中国の作家による告発本、市場における消費者の動向がレポートされていました。

印象に残った点が2つあります。

一つは、中国の消費者も安全性を気にするようになってきており、価格が2倍以上する有機野菜を積極的に買うようになってきていること。

もう一つは、中国当局が貿易上のイメージダウンに歯止めをかけたいせいか、かなりの厳罰をもって対応しようとする姿勢を見せていることです。

同じく、今週の週刊文春でも同じ特集がされていました。こちらは、かなりインパクトの強いタイトルです。

◆『現場直撃 対日輸出禁止「発ガン性うなぎ」恐るべき養殖』
 ~中のうなぎが見えないほどぶちこまれた緑の薬剤。カニ、鯖、ホタテ、イカの汚染されていた~

輸出禁止命令について尋ねても、「上司からマスコミには何も話すな」と、とりつくシマがない。しまいには守衛がわらわらと集まってきて、彼らに取り囲まれる事態になってしまった。

江西の加工業者は、会社の代表電話がPHS(携帯電話)で、しかも料金未納で止められているし、ウナギ以外の業者にもトライしてみたが、山東の乾燥ナシ業者は登録されている業者は「現在使われておりません」だった。

やはりブラックリストの企業には、かなり問題のあるところが多いようだ。日本企業は、どうしてこんなところと取引したのか。

これら食品のほとんどは、中国で加工されたものを日本の商社が輸入し、食品卸会社などを通じて、スーパーやコンビニ、さらにはレストランの業務用食材として使用されていた。

もはや直接、養殖業者にあたるしかない、と住所を調べるが、これがことごとくとんでもない山の中。(※中略)

この業者は、生簀まで案内してくれた。そこで記者が見た光景は、想像を絶するものだった。

水が暗く濁った緑色をしていて、2万5千匹もいるはずのウナギの姿がまったく見えないのだ。水からは明らかな薬品臭が立ち上がっている。マカライトグリーンかどうか、業者もよくわかっていないようだが、大量の薬剤が投入されているのはたしかだ。しかも、このウナギはいまだに日本に輸出可能なのである。(※中略)

「池が緑色なのは化学成分が入っているからです。ウナギから基準外の薬品が検出されるのは、みんな知っていることですよ。なぜなら、禁止された薬剤を新たに使わなくても、生簀の底に泥がたまりますが、そこに古い薬剤が残留しているからです」(協会職員)

とてもじゃないが、こんなところで育ったウナギを口には入れられないと思いつつ、さらに車で一時間。やっとブラックリスト企業と取引のある養殖場にたどりついた。ここの生簀も、ウナギの姿こそ確認できたが、やはり水は濁っている。

「今年は稚魚の値段が高かったから買わなかったんだ。来年、どうするかはまだ決めていない。今日使っている薬が明日使えないということが起きているから、今年高い稚魚を買って、来年売れないと困る」

この養殖場の向かいには淡水魚の養殖場もあったが、そこからは吐き気を催すとてつもない悪臭がした。同行してくれた中国人の通訳氏がそれをかいで悶絶。

「こんなの知ったら、もう魚は食べられません…」(※中略)

「あの水質汚染は、周囲の町や村からの下水がすべて太湖に流れ込んだのが一番の原因。つまり大量の糞尿でアオコが養殖したところで、上海蟹を飼育していたわけです。3ヶ月前、私も汚染が養殖に悪影響を与えるのでは、と思って取材に行ったのですが、関係者は『養殖用の水は別のところから引いているから大丈夫だ』と話していた。そう言っておいて、つぶしてしまい、あとで、やはり問題だったというニュースが出る。中国では、全て解決したあとにニュースが出るんです。汚染があったけど政府の努力で解決の目処がついた、そう言える状況になって初めて事実を報じることが許されるのです」

公表されていることはまだマシ。恐ろしいものは、隠れたままということだ。(※以上週刊文春7月26日号より抜粋)

中国の地方では、まだまだ賄賂を役人に渡して検査を見逃してもらうケースが多いということです。

今回の件が中国という国の対外的なイメージに与えた影響は計り知れないと思います。観光ビジネスへの打撃は、かなり大きいのではないでしょうか。

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