山本周五郎
『人情裏長屋』★★★★
何だか男手一つで苦労している案配な表紙
哀愁が漂ってますな。
山本周五郎
あまりに書籍が膨大過ぎて、まずは題名やら気になる作品から読み進めることに。
こちらは同時読書の彼女がチョイス
彼女的には「長屋物」が気になるそう。
(続『あんちゃん』)
わたしは『柳橋物語・むかしも今も』を予約
--------(抜粋)
居酒屋でいつも黙って一升桝で飲んでいる浪人、松村信兵衛の胸のすく活躍と人情味あふれる子育ての物語『人情裏長屋』
天一坊事件に影響されて家系図狂いになった大家に、出自を尋ねられて閉口した店子たちが一計を案ずる滑稽譚『長屋天一坊』
ほかに『おもかげ抄』『風流化物屋敷』『泥棒と若殿』『ゆうれい貸屋』など周五郎文学の独擅場ともいうべき“長屋もの”を中心に11編を収録
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前回読んだ『長い坂』や『日本婦道記』とは雰囲気が全く違う。
ユーモアと遊び心たっぷりな短編集です。
周五郎さん遊んでるな(笑)
愉快爽快 長屋の人達の暮らしが垣間見えるお江戸物語です。
・おもかげ抄
・三年目
・風流化物屋敷
(「講談雑誌」 昭和22年10月号)
どこかで読んだような気がするが、ノンノン!この周五郎さんが先駆けよね。
・泥棒と若殿★★★★ 私的にはよかったな。
(「講談社倶楽部」 昭和24年12月号)
・長屋天一坊
(「講談雑誌」 昭和25年5月号)
これには笑った笑った。天一坊事件にかけた笑い話
まさしく講談である。ちゃんちゃん。
・ゆうれい貸家
ぐーたら亭主が出逢った幽霊
これは夢か幻か?
どうゆう展開に流れてゆくのか様子見な予測不可な物語
・雪の上の霜
・秋の駕籠
ここまではよかった。
お次の
・豹
・麦藁帽子
いきなりの現代モノになっていて驚き
『人情裏長屋』との短編集=お江戸物語(時代小説)かと思っていた。
テンション下がった。
それも豹の方は何だか山本周五郎が書く現代物に慣れていない、
初めて読むわたしにとって「大人な小説」としか感じえなかった。
最後の麦藁帽子は、こういう世界観を訳ありな老人譚を書かせると秀悦と言うことが分かった。
お次は『あんちゃん』です。