江國香織
『抱擁、あるいはライスには塩を』★★★★
これぞ江國ワールド!
一気に二日で読破。
---
「カッとしてはいけない」
「一時の激情にのみこまれてしまうと、自分も相手も不幸になる」
「なんでも好きなことをすればいい、ただし僕の手のひらの上で」
「ただにっこりして、『そんなふうに考えられるあなたが大好きよ』って言っただけ」
上司というものは、論破すべき相手ではなく利用すべき相手なんだ、
動物の温かな生命をきちんとお腹に入れないと、人は心に力がつかない。
精神的生命力とでもいうべきものが薄くなり、人生を愉しもうとする欲望や、血の気や活力も薄くなる。
だから、望まれれば唇でも胸でも貸してあげた。でも、それだけのことだ。
心配からの解放、諦念とういう名前の安心。