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2014-01-29 | 作家別諸々(さ行)




沢野ひとし
『山の帰り道』★★★★


これはおもしろい。うん。


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我々の祖先は太古の時代から山に畏敬の念を抱いていた。日本人の山岳観の始まりは山岳信仰である。山を見つめる時、人は常に敬虔な気持ちで両手を合わせてきた。山は命の素となる大切な水の源であり、動植物を育み、人間の生活の糧を生み出してくれる。空高く突き上げる頂はもっとも天に近く、神が宿る地にふさわしい。そこには安易に人が踏み込んいい場所ではなかった。



P77



本は読まれないとただの活字のシミになってしまう。



私は妻から「ケイタイは通じるが話が一切通じない人」と言われてきた。わがままで身勝手だから、過去を回想すると恥ずべき記憶で窒息しそうになる。



P92-
体が元気なうちは浴びるほどたくさんお酒を飲んだらいい。楽しいお酒も、からみ酒も「酒で勉強した」という作家は数限りない。だらだら飲み放題の生活も将来は何かの役に立つ。恋も文学も芸術も酒が最初のきっかけをつくる。



P134



「書は人なり」という言葉があるが、昔から立ち位置を心得ている人、自分の仕事をきっちりとした人の字はバランスがいい。



「天命」という言葉が頭をよぎった。幸せに生きることは幸せな死に方を見つけることだ。

神はその人に見合った生涯しか与えてくれない。



P150



「形あるものはやがて崩れ、水は低きに流れ、愛は常温に戻る」


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