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教科書参考書採用ウォッチング:東京都市大学

2011-04-26 | アカデミック
まいどありぃ.
東京都市大学環境情報学部の「情報数学」(1年後期:大谷紀子先生)で,例の本を参考書指定してくださっています.
教科書指定ではありませんが,「教科書なしの参考書」の扱いなので,ありがたいです.

授業計画を見ると,例の本との相性がわりとよさそうな授業内容です.カバーできていないのは,命題論理の推論,述語論理の推論,情報量とエントロピー,誤り訂正といったところ.

「誰でも捨てるな」!?

2011-04-23 | アカデミック
堺市内某所の小さな事務所ビルで見かけた張り紙.
「誰でも捨てるな / ○○ビル専用」と書かれています.

この張り紙の文言を見て,私はしばらく頭を抱えて悩んでしまいました…

張り紙は倉庫の外壁に張られていて,その下方の路上はネットが設置された簡易なゴミ集積場になっています市のゴミ回収日に限ってゴミ置き場として使われています.
張り紙の意図が「ここは自分たちのビル専用のゴミ置き場だから他の人(近隣住民など)はここにゴミを置くな」というメッセージであることは,周囲の状況から判断できますが,文言だけから解釈するのは困難です.

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x を人を表す変数として,否定を¬で表すことにします.
さて,「誰でも捨てるな」の述語論理的解釈は

(1) ∀x ¬(x は捨ててよい)
(2) ¬∀x(x は捨ててよい)[ ⇔ ∃x ¬(x は捨ててよい)]

のどちらでしょうか!?

もし,文言がちょっと違って「誰も捨てるな」だったら話は簡単,「誰も寝てはならぬ」( ⇔ ∀x ¬(x は寝てよい))と同じで,解釈は(1)のほうに確定します.
でも,この張り紙の状況を考えると,(1)とは考えられません.(1)だとすると,○○ビルの当人も捨ててはいけないことになってしまいます.
そうすると,「誰でも捨てるな」は(2)に解釈せざるを得ませんが,それにしても,日本語としてものすごく違和感があるだけでなく,「ここに捨ててはいけない人は誰なのか」について何も語っていないので,意図されているであろうメッセージとはかけ離れた意味しか持たないことになります.

《本》数学基礎セミナー / 日本大学文理学部数学科

2011-04-23 | アカデミック
数学基礎セミナー / 日本大学文理学部数学科 編(日本評論社)

この本は知りませんでした.さっそく入手して勉強したいところです.

ところで,静岡大学理学部数学科の「新入生セミナー」では,上記の本を教科書に採用していますが,ありがたいことに,参考書としてこの本を指定してくださっています.

Wikipediaの「ベン図」

2011-04-03 | アカデミック
以前の記事で,「Wikipediaの『ベン図』の項目の記述は気に入らない,全面的に訂正されるべきだ!」という主張をしましたが,先ほど,思い立って自分で編集しました.

「論理演算とベン図」の節は,編集前は文章がなくて図だけでしたが,図の前に文章を挿入しました.その中で,「ベン図を論理演算を表すのに使うのは誤用というべきものだ」と明言したうえで,「でも,現実には…」という立場で説明を加えてみました.

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(追記)その後,どなたかによる編集が加わって,ベン図を論理演算の表現に使うことについて,「誤用」→「本来の使い方ではない」と,穏当な言い方に変更されています(→差分).