Boise on my mind

ウェブサイト「Boise on the Web アイダホ州ボイジー地域情報」の作者短信、運営裏話など

ものを知っているだけでは教育者にはなれない

2010-12-26 | Weblog
当たり前のことですが,自戒を込めて.

某質問投稿サイトで,集合や写像の理解について悩ましい「質問」が投稿されることがあり,たいていは無視するのですが,たまに,まるっきり質問者の疑問の論点から外れたスカタンな「回答」がなされることがあり,いたたまれなくてやむなく「介入」することもあります.
で,スカタンな「回答」というのが,えてして,言っていることの中身自体は正しくて根拠があって,しかも,けっこう「高尚」な数学の知識を振りかざしていたりするものの,「質問者の疑問を解消する」という最重要の目的はそっちのけだったりするんですよねぇ.

ものごとを知っているだけでは,教えることはできません.
教える内容を知っていれば教えられるのなら,小学校の先生は小学生が(一歩譲って中学1年生が)なれるでしょう.
何かを教える人に求められるのは,「自分がわかっている」ことだけではなく,

(1) 「それはどういうことなのか」を洞察して
(2) 「それを人は『どうやって』『わかる』のか」を見通したうえで
(3) 「それを『わからせる』ために,何をどう伝えるべきか」というステップを構築する

ということのはずです.

質問に答えるという局面では,さらに

(1) 質問者のつまずきの原因は何かを探し当てて,
(2) つまずきの原因を取り除くための適切な教え方の方針を,その場で構築して,答える,
さらに
(3) つまずきの原因の推定は正しかったか,また,質問者が答を適切に理解したか,質問者からフィードバックを得て,答え方を修正しながら適切な理解に導く,

という,フィードバックを伴う教え方が必要です.

それをしないで,単に質問内容の周辺知識をドサッと質問者に浴びせるのは,教え方としてダメダメです.単なる回答者の自己満足です.
で,こういう自己満足回答を見つけたとき,傍観者としてスルーできればそれでよいのですが,質問者がそういう思いやりのない回答に反応して不必要に混乱してしまうようだと,いたたまれなくてスルーできなくなります…

Amazonさんのおすすめ(^^;)

2010-12-15 | Weblog
Amazon.co.jpが私にダイレクトメールでこの本をすすめてきました.うーん(^^;).

--------
数学の本のカテゴリで何かお探しですか? 次のような商品はいかがでしょうか。

* 論理と集合から始める数学の基礎
...(以下略)
--------