Boise on my mind

ウェブサイト「Boise on the Web アイダホ州ボイジー地域情報」の作者短信、運営裏話など

オンラインコミュニケーションに実時間の概念が(不必要に)入り込むのは嫌

2011-03-23 | コンピュータ・インターネット
某ピザ宅配業者のオンラインオーダーシステムは,注文受付可能な時間帯の始まりが実店舗の開店時間と一致している.つまり,配達先地区を担当する店舗が11時開店だとしたら,11時以後にしか注文を登録できない.「勤務先でランチパーティを開くから正午に勤務先に配達してほしい」という注文を,出勤前の朝8時に自宅から登録しておきたい(もちろん店舗がその注文を認識するのは11時の開店時でかまわない)と考えるのは自然だと思うのに,それを意図的に排除するシステムになっている.
電話注文なら,従業員が出勤していないと注文を受けられないのは当然ですが,「電話を受ける人」がいなくてもお客が注文を登録できるのがオンラインのメリットなのに!

携帯電話のメールが普及し始めた頃,インターネットのメールに慣れた人が携帯電話所有者にメールを送ると「着信音が鳴って困るから深夜はメールを送るな」と文句を言われて困惑する,などと語られたこともあったような.

「実時間の制約からの解放」はオンラインコミュニケーションの大きな利点の一つだと,私は思っています.
特に,eメールは「システムに起因する遅延」に加えて「相手がいつ読むかわからない」という意味で,そもそも実時間との一致性が低いコミュニケーション手段だと思っています.そのことが,「必ずしも受け取った直後に返信しなくてよい」という,受け手側の余裕を与えることなり,コミュニケーションをより楽にすることにつながります.

でも,現実には,携帯電話の普及でメールは即時に相手に読まれて即時に返信されるのが当然という風潮が強まっていますし,Twitterの大流行にみられるように,オンラインコミュニケーションはますます実時間依存の度合いを強めています.この現象はコミュニケーションの進化なのか,それとも退行なのか,私にはよくわからなくなってしまっています.どうしたものか…