Boise on my mind

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「先生に丸をもらえればいい」の延長

2006-10-26 | アカデミック
そろそろ情報にも手が回ってきたか不定期戯事

高校未履修科目問題に関するリサーチで見つけた記事ですが,より一般性のある意見と考えたので,別記事としてブログします.

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…そしてそれは,学生時代の「先生に丸をもらえればいい」の延長にあるものだ。社会人になれば先生が上司や役所に代わるだけのことで,本質的なところは何も変わってはいない。マンションの強度偽装,岐阜県庁の裏金…世を賑わしたそれらの事件も根は同じ,誰かに自分の行動を採点してもらって丸(あるいはハンコ)をもらうことが目的だと勘違いした結果だ。君たちは自分の行動を自分で採点できる大人になってほしい。
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これについては,まさに私の本業に関わります.私が関与する学生たちからも,「答案の書き方がわかりません」「答の書き方はこれでいいんですか?」「演習問題の模範解答はもらえないんですか?」という質問というか文句をさんざん聞いています.
もっとも,大学は全人教育の場でもあるので,そういう学生の態度を一方的になじるのでなく,「自分の行動を自分で採点できる大人」を育てるための手だてを考えることも重要でしょう.

私はそういう考えで,今学期から,1年生対象の数学(微積分・線形代数)の演習科目は,試験形式でなく発表形式で行うことにしました.答の書き方を丸暗記しただけの学生は,発表させるとボロが出ます.また,宿題を出題しますが,宿題答案を形式的に提出させることはせず,宿題と同じ(または類似の)問題を「小テストに出題する」か「発表させる」ことにしました.宿題を提出させると,友人の答案を(何も考えずに)丸写しする輩が必ずいるからです.いったん自分でとことん考えて答えに至った問題なら,直後にテストで問えば困難なく再現できるはずです.

高校必修教科履修漏れ問題

2006-10-26 | アカデミック
やはり,というか,なんとまあ,というか,あきれてものが言えない状態はまだ続いていますので,目についた報道記事やブログ投稿をチェックするにとどめます.

必修教科 のしろの徒然日記
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なぜその科目が必修なのか、本当の意味を考えればわかるはずだが、皮肉にも今回の事件のようなことが発生するのはどこか教育の進み方が間違っているからだと思わざるをえないのが残念である。
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10月26日(木)「進学ぼけ高校」 (紀伊民報)
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高校の学習指導要領では、必修の世界史に加え、日本史か地理のどちらかを教えなければならない。それを1科目だけにした。必修科目を節約して、受験に必要な科目の時間をひねり出したのである。こういうのを進学ぼけ高校という。
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