2015年 03月 19日 05:15 JST ロイター
[18日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)は18日まで開催の連邦公開市場委員会(FOMC)後の声明で、金融政策の正常化に関し「忍耐強く(patient)」いられるとした文言を削除し、早ければ6月の利上げに道を開いた。
市場関係者のコメントは以下の通り。
●9月利上げの公算、年内2回実施の可能性も
<バイニング・スパークスの首席エコノミスト、クレッグ・ディスミューク氏>
米連邦公開市場委員会(FOMC)は利上げに対し極めて懐疑的だ。物価、もしくは賃金圧力は見受けられない。声明から「忍耐強く(patient)」は削除されたが、全般的にはハト派的な内容で、利上げ時期を後ずれさせることになる。6月利上げの可能性がなくなったわけではないが、可能性は低く、9月が初回の利上げとしては最も確率が高いと考える。年内に1回、もしくは2回の利上げを実施する可能性がある。
●極めて控えめな利上げペース示唆
<DAデイビッドソンの債券トレーダー、メリーアン・ハーリー氏>
声明からは想定通り「忍耐強く(patient)」の文言が削除されたが、同時に景気判断が引き下げられたことが注目に値する。これは、金利がより長期間、低水準にとどまり、利上げ開始後は極めて控えめなペースになることを意味している。
早期ではなく、遅い時期の利上げが見込まれていることを反映する格好で、市場ではイールドカーブがフラット化している。
●経済やや軟調との見方、性急な利上げない
<ウェルズ・ファーゴ・インベストメント・インスティテュートのマクロ戦略部門責任者、ギャリー・サイアー氏>
米連邦準備理事会(FRB)はFOMC声明から「忍耐強く」との文言を削除し、年内に利上げを実施するとのメッセージを引き続き発し続けていると思われる。ただ、見通しは市場予想よりも若干弱かった。
FRBは基本的にやや軟調であるとの認識を持っており、ドル高も勘案すると、インフレ率のFRBの目標に向けた上昇が阻害されると見られる。こうした環境下では、政策担当者は性急な動きは見せないと思われる。
FRBが金融政策運営にあたり慎重になるのは、適切だと考えている。
●利上げ急がずとの明確なシグナル
<アメリプライズ・ファイナンシャルの首席市場ストラテジスト、デービッド・ジョイ氏>
米連邦準備理事会(FRB)の決定を称賛する。「忍耐強く(patient)」の文言を削除することで、人為的な制限を取り除き、経済指標が今後の行動を決定する余地を生み出した。
景気が緩やかにしか回復していないと判断していることから、同時に金利上昇ペースの見通しを引き下げることで、利上げを全く急いでいないとの明確なシグナルを送っている。今回の決定はリスク資産にはプラスで、ドルの上昇圧力を幾分軽減するだろう。