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【松園と華麗なる女性画家たち】展

2015-06-02 10:58:24 | 美術館へ行こう!
先月5/16、山種美術館で開催中の、

【特別展】上村松園 生誕140周年記念
松園と華麗なる女性画家たち

青い日記帳×山種美術館
ブロガー内覧会

に行って参りました。


内覧会というものは初体験!
ドキドキワクワクで貸切りの会場に入り、いつもと違う、かなり非日常的な空間で、自由に観てまわれる開放感のようなものも味わえました。

上村松園は、明治初期に生まれ昭和にかけて活動された日本画家です。

美人画として
有名ですね

上村松園 《新蛍》昭和4年 山種美術館蔵
(写真はすべて主催者の許可を得て撮影しています)

入り口では、簾越しの美人がお出迎えしております。
この作品の前に立った瞬間、空気が変わりました。簾の表現とまなざしにくぎ付けです…。


上村松園 《庭の雪》 部分 昭和23年 山種美術館蔵
庭は描かれていませんが、はら…はら…と、胡粉で表された儚げな雪の粒が、そして女性の胸元を温めるようなしぐさから、冬の冷たい空気を感じます。


上村松園 《夏美人》 山種美術館蔵

横顔、着物の色づかい、そして
表装の美しさにとても惹かれます。

松園の作品には、洋画でいったら額縁にあたる表装に凝ったものが多く見られます。
使用されている裂地の中には、染めと刺繍が入っているものもあり、それだけでもうっとりしてしまうほど美しい。


河鍋暁翠 《紫式部図》部分 実践女子学園香雪記念資料館蔵

室内ではなく、戸外を背景に描かれているものは大変珍しいそうです。
なんだか…とても女性的な感情が溢れている、そんなオーラを感じます。


美術館の館長と青い日記帳Takさんとのギャラリートークです。
ここでまた気づきが。
まなざし
という視点で、もう一度見てみよう、とまた会場へと走りました。


上村松園 《蛍》部分 山種美術館蔵


上村松園 《春芳》部分 山種美術館蔵


上村松園 《娘》部分 山種美術館蔵


上村松園 《新蛍》部分 山種美術館蔵

ここで松園の「眉の記」の中のことばで、
~目は口ほどにものを言い…といわれているが、実は眉ほど目や口以上にもっとも内面の情感を如実に表現するものはない。~
とあります。 まなざしのゆくえを追うとともに、眉にも想いが込められていることを心に留めたいと思います。


好みの髪型もあったりして…。


カフェでは、展覧会にちなんだ
特製和菓子をいただきましたよ!
ぼたん華 あんは上品な甘さの黒糖風味


図録の最初のページにあることばに、
魂ふるえました

芸術を以て人を済度する
これ位の自負を画家はもつべきである。


美術館の出口で、なんだか
タイムスリップして、松園先生の授業を受けてきたような、そんな体感をした時間でした。
入り口と出口で、違う自分になっている…。 本当に、贅沢で濃密、身もこころも清らかになる美術展でした


会期は、
6月21日まで。
月曜はお休み。JR恵比寿駅西口より徒歩10分。