すっかり忘れていた川原礫のもう一つのシリーズ。
忘れていた分、あ、出てるんだって気づいたら、あれよあれよというまに一気読み。
もしかして、もはやSAOやAWよりも面白い?
・・・というわけで、まずはスペース、空けときます。
ともかく、今回は
「ミノルくんがなんだかラノベの主人公みたいになってきている……!」
という、作者あとがきが全てかなぁ。
てか、読者の感想先取りするなよ(苦笑 !
でも、なんていうか、AW初期の頃の面白さを髣髴とさせる展開で。
やっぱり主人公が、自分の役割を自覚して積極的行動に転じる、という場面は読んでていいねー。胸熱だよw
もっとも、そんな通過儀礼は、どの話も一回きりの儀式なので、ここで使ってしまったら、あとはどれだけ、この後の展開を加速させて、敵である(ということになっている)《組織》の片鱗をちらつかせていくかによるよね。
あきらかにリキダイザーにしても、ミノルのアイソレータにしても、能力がチート過ぎ。
ていうか、ミノルが《殻》の潜在能力を開花させようと右手を叩きつけているところは、まんま、AWのシルバー・クロウの心意技の特訓そのものだし、自らの力に目覚めたミノルに瀕死のスウが投げかけた「希望」という言葉も、そのままAWじゃないか、ということで、要所要所の展開が、まんまAWじゃん!、とは思ったけどね。
このあたりは、マンネリととるか、わかってやってる作者の様式美ととるかで、評価は分かれそうだけどね(苦笑
今回は許容範囲w
にしても、スウのキャラはよかった。
最後にいきなり(一時?)退場してしまったのがなんだけど、これはなんとか戦列復帰してほしいかなぁ。アクセラレータよりもずっといいよ。
まぁ、アクセラレータみたいのとスウみたいのをダブルヒロインとして振り分けるのも、また作者の様式美ということで。
もっともよくよく考えれば、この《絶対ナル》の世界は、SAOやAWが背景として使ったVRMMORPGの世界を、アバターとリアルという具合に2つの世界に振り分けるのではなく、一つの世界として扱ってしまおう、ということだよね。
で、そのもっともらしさを近年の「現代物理学」の知見を盛り込むことで確保しようとしている。
その意味では、これは川原礫版の『魔法科高校の劣等生』でもあるわけで。
なぜなら、物理学的説明のもとで、超常現象を正当化するわけだから。
で、お兄様と違うのは、川原礫の場合、そうした「超常の力」を与えた創造者はどこか別の世界にいる、ということで。
《絶対ナル》の世界でいえば、一応、宇宙からの飛来物、ということになっているから、SAOの茅場晶彦ポジションのゲーマスポジションにいるのが、一応、宇宙人?ということになっている。
でも、このあたりはまだ本当にそうかはわからないよね。
で、とにかく、地表では《特科》と《組織》の小競り合いが続き、そことは違う次元でそんな争いをそもそも生み出した創造者=ゲーマスの存在の探求が背後に常に控えるようになる。
そういう意味では、ホントAWの焼き直しだよね、《絶対ナル》は。
もっとも、これはAWの感想で何度も書いてきたことだけど、アバターの世界とリアルの世界の2つの世界を往復するという設定は、巻が進むにつれて、うっとおしいものになっていかざるをえない。
なぜなら、どうしたって登場人物の数が増えていくので、その増えた分、必ず2つの新しい世界を描かなければならないから。実際、AWのここのところの間延び感といったら半端ないから。
それに対して、《絶対ナル》の世界は、とにかく2つの世界にわけずに、一つの世界に統合して話をさくさく進めるために、ITとは異なる理屈として物理学をもってきた。
ただ、そうすると、ほとんどジョジョのスタンド対決みたいな話になってしまうんだけどねw
リキダイザーの攻撃なんて、スタンド能力の応用に近いしねw
そういうありきたりの展開をどう避けるかが、川原礫の勝負どころなんだろうな。
そう思うと、冒頭で付け加えられた「原発事故後の世界」という《微パラレル》設定も、この世界を強制的にSAOやAWとは異なる、断絶のある世界なんだということを強調するために出してきた方便なんだろうな、と思う。
ロボットというギミックの登場もね。
なんたって、SAOなんて2000年代初頭に書かれたものだから、設定だけでいったら、もう十数年前のものになってしまう。
もちろん、現実の技術はようやくVRが出てきたところだから、これからSAOの世界がリアルになるということなのだけど。
でも、現実になったら、絶対想像の方が負けるので、それとは違う世界に「加速」して乗り込まないと、即座に陳腐化してしまう。
そのための、設定がMMORPGから現代物理学への転換なんだと思う。
で、その背景的ギミックを外せば、物語の中身は恐ろしいくらい川原礫節でw
なにしろ、能力の発動条件が、その人が過去に抱えた「トラウマ」だからね。
それ、AWのまんまじゃん!
もっとも、こんかいの《殻》の能力拡張のきっかけを考えると、トラウマをむしろ、その人に固有の個性の発動条件に転用しようとしているようには見えるから、ちょっと捻りが加えられるのかもしれないけれど。
ともあれ、まとめていえば、AWの抱える物語上の問題点をいろいろと解除して、すっきりさせたものが、この《アイソレータ》の物語のように思える。
まぁ、だから、ミノルはラノベの主人公、してしまうのだけどw
となると、ミノルがどのタイミングで闇堕ちするかだよなぁ、次のステージは。
今回の戦闘で、スウを傷つけることが想定されているにもかかわらず、その事実を告げずに任務につけられたことに対して、相当ミノルは憤ってしまったようだから、そのあたりの《特科》への不信感が、次巻以降の物語の鍵になるのだろうなぁ。
ともあれ、1巻を読んだ時はどうしようかと思ったけど、3巻で化けたね、この物語は。
なので、もはやかつて書いたものの、予定調和の消化試合にしかなっていないSAOを書くよりも、この《アイソレータ》の物語を、勢いがあるうちに書いたほうが作者的にもいいんじゃないかな。
SAOには固定ファンがわんさかいるから、多少、出版が滞っても待ってくれるでしょ。
AWにしても、相当モタモタした展開になっているので、《アイソレータ》の方で「加速」したほうが受けもいいと思うんだよね。残念ながら、AWはもうSAOのようには新規ファンを開拓できそうには思えないから。
あ、でも、もしかしたら、AWの世界の秘密に、SAOのアンダーワールドだけでなく、《アイソレータ》の世界の話も関わってくる、というような超展開もあるのかもしれない。
だとしたら、三作が歩調を合わせて進むという方向もあるのかも。
ただ、その場合、4巻はまた来春ってことだよねぇ。。。
でも、スウとオリヴィーがどうなったのか、気になるのだ。
早く続刊を望む!
てか、SAOはもう飽きちゃったんだよなぁ。正直なところw
忘れていた分、あ、出てるんだって気づいたら、あれよあれよというまに一気読み。
もしかして、もはやSAOやAWよりも面白い?
・・・というわけで、まずはスペース、空けときます。
ともかく、今回は
「ミノルくんがなんだかラノベの主人公みたいになってきている……!」
という、作者あとがきが全てかなぁ。
てか、読者の感想先取りするなよ(苦笑 !
でも、なんていうか、AW初期の頃の面白さを髣髴とさせる展開で。
やっぱり主人公が、自分の役割を自覚して積極的行動に転じる、という場面は読んでていいねー。胸熱だよw
もっとも、そんな通過儀礼は、どの話も一回きりの儀式なので、ここで使ってしまったら、あとはどれだけ、この後の展開を加速させて、敵である(ということになっている)《組織》の片鱗をちらつかせていくかによるよね。
あきらかにリキダイザーにしても、ミノルのアイソレータにしても、能力がチート過ぎ。
ていうか、ミノルが《殻》の潜在能力を開花させようと右手を叩きつけているところは、まんま、AWのシルバー・クロウの心意技の特訓そのものだし、自らの力に目覚めたミノルに瀕死のスウが投げかけた「希望」という言葉も、そのままAWじゃないか、ということで、要所要所の展開が、まんまAWじゃん!、とは思ったけどね。
このあたりは、マンネリととるか、わかってやってる作者の様式美ととるかで、評価は分かれそうだけどね(苦笑
今回は許容範囲w
にしても、スウのキャラはよかった。
最後にいきなり(一時?)退場してしまったのがなんだけど、これはなんとか戦列復帰してほしいかなぁ。アクセラレータよりもずっといいよ。
まぁ、アクセラレータみたいのとスウみたいのをダブルヒロインとして振り分けるのも、また作者の様式美ということで。
もっともよくよく考えれば、この《絶対ナル》の世界は、SAOやAWが背景として使ったVRMMORPGの世界を、アバターとリアルという具合に2つの世界に振り分けるのではなく、一つの世界として扱ってしまおう、ということだよね。
で、そのもっともらしさを近年の「現代物理学」の知見を盛り込むことで確保しようとしている。
その意味では、これは川原礫版の『魔法科高校の劣等生』でもあるわけで。
なぜなら、物理学的説明のもとで、超常現象を正当化するわけだから。
で、お兄様と違うのは、川原礫の場合、そうした「超常の力」を与えた創造者はどこか別の世界にいる、ということで。
《絶対ナル》の世界でいえば、一応、宇宙からの飛来物、ということになっているから、SAOの茅場晶彦ポジションのゲーマスポジションにいるのが、一応、宇宙人?ということになっている。
でも、このあたりはまだ本当にそうかはわからないよね。
で、とにかく、地表では《特科》と《組織》の小競り合いが続き、そことは違う次元でそんな争いをそもそも生み出した創造者=ゲーマスの存在の探求が背後に常に控えるようになる。
そういう意味では、ホントAWの焼き直しだよね、《絶対ナル》は。
もっとも、これはAWの感想で何度も書いてきたことだけど、アバターの世界とリアルの世界の2つの世界を往復するという設定は、巻が進むにつれて、うっとおしいものになっていかざるをえない。
なぜなら、どうしたって登場人物の数が増えていくので、その増えた分、必ず2つの新しい世界を描かなければならないから。実際、AWのここのところの間延び感といったら半端ないから。
それに対して、《絶対ナル》の世界は、とにかく2つの世界にわけずに、一つの世界に統合して話をさくさく進めるために、ITとは異なる理屈として物理学をもってきた。
ただ、そうすると、ほとんどジョジョのスタンド対決みたいな話になってしまうんだけどねw
リキダイザーの攻撃なんて、スタンド能力の応用に近いしねw
そういうありきたりの展開をどう避けるかが、川原礫の勝負どころなんだろうな。
そう思うと、冒頭で付け加えられた「原発事故後の世界」という《微パラレル》設定も、この世界を強制的にSAOやAWとは異なる、断絶のある世界なんだということを強調するために出してきた方便なんだろうな、と思う。
ロボットというギミックの登場もね。
なんたって、SAOなんて2000年代初頭に書かれたものだから、設定だけでいったら、もう十数年前のものになってしまう。
もちろん、現実の技術はようやくVRが出てきたところだから、これからSAOの世界がリアルになるということなのだけど。
でも、現実になったら、絶対想像の方が負けるので、それとは違う世界に「加速」して乗り込まないと、即座に陳腐化してしまう。
そのための、設定がMMORPGから現代物理学への転換なんだと思う。
で、その背景的ギミックを外せば、物語の中身は恐ろしいくらい川原礫節でw
なにしろ、能力の発動条件が、その人が過去に抱えた「トラウマ」だからね。
それ、AWのまんまじゃん!
もっとも、こんかいの《殻》の能力拡張のきっかけを考えると、トラウマをむしろ、その人に固有の個性の発動条件に転用しようとしているようには見えるから、ちょっと捻りが加えられるのかもしれないけれど。
ともあれ、まとめていえば、AWの抱える物語上の問題点をいろいろと解除して、すっきりさせたものが、この《アイソレータ》の物語のように思える。
まぁ、だから、ミノルはラノベの主人公、してしまうのだけどw
となると、ミノルがどのタイミングで闇堕ちするかだよなぁ、次のステージは。
今回の戦闘で、スウを傷つけることが想定されているにもかかわらず、その事実を告げずに任務につけられたことに対して、相当ミノルは憤ってしまったようだから、そのあたりの《特科》への不信感が、次巻以降の物語の鍵になるのだろうなぁ。
ともあれ、1巻を読んだ時はどうしようかと思ったけど、3巻で化けたね、この物語は。
なので、もはやかつて書いたものの、予定調和の消化試合にしかなっていないSAOを書くよりも、この《アイソレータ》の物語を、勢いがあるうちに書いたほうが作者的にもいいんじゃないかな。
SAOには固定ファンがわんさかいるから、多少、出版が滞っても待ってくれるでしょ。
AWにしても、相当モタモタした展開になっているので、《アイソレータ》の方で「加速」したほうが受けもいいと思うんだよね。残念ながら、AWはもうSAOのようには新規ファンを開拓できそうには思えないから。
あ、でも、もしかしたら、AWの世界の秘密に、SAOのアンダーワールドだけでなく、《アイソレータ》の世界の話も関わってくる、というような超展開もあるのかもしれない。
だとしたら、三作が歩調を合わせて進むという方向もあるのかも。
ただ、その場合、4巻はまた来春ってことだよねぇ。。。
でも、スウとオリヴィーがどうなったのか、気になるのだ。
早く続刊を望む!
てか、SAOはもう飽きちゃったんだよなぁ。正直なところw