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白鳥のブログ - 日々の世界を徒然と

とある科学の超電磁砲S 第16話 『姉妹』

2013-07-27 17:55:44 | 超電磁砲/禁書目録
いやー、このシスターズのシリーズは最高だったね。
ホント、素晴らしい。

一通さんと上条さんとの対決は前回でほぼ終わっていたわけで、最後の一発を繰り出して決着が着くところでAパートが終了。そして、まとめのためのBパート。

でも、どちらもよかった。

前回の辺りから強くそう思うようになったのだけど、この『超電磁砲』でのシスターズ編は、美琴視点でみた上条vs一通ということで構成されていて、そのために、彼女の心情がわかるような演出をしていたわけだけど、その一方で、実は一通さんの心理描写も多かったのが、面白かった。

というか、全体として、シスターズの実験のような非道なことを考えついてしまう「科学サイド」のキチガイっぷりが、実は描写したかったことなんだ、と思ったのだった。

今回の、上条さんにぶん殴られる直前の、一通さんの独白というか回想を踏まえると、彼もまた、シスターズ同様、学園都市のモルモットのひとつでしかなかった、ということがわかるわけで。

そうなると、この後の『禁書目録』の展開で、ラストオーダーを救ったり、学園都市の暗部を始末する仕置人のような方向に向かうのもわかってくる。

ということで、この『超電磁砲s』のシスターズ編は、現在進行形の新約『禁書目録』を理解するためにもよくできた構成だと思った。

というか、どう考えても、「とある科学」の方が、能力開発の部分で人=科学者が係る分、人間の業が込められてドロドロしたものになってしまう。

基本的に、新約『禁書目録』はそういう「科学サイドのゲスな部分」を、「シリーズ全体の謎」として扱っているので、尚更、この『超電磁砲』の物語がしっくりとはまってくるし、中でも、超能力者の第1位(アクセラレーター)と第3位(レールガン)、そして、間接的に第4位(メルトダウナー)も関わる、このシスターズ編は、彼ら超能力者と学園都市のねじれた関係を明らかにするのにも一役買っている。

いやー、面白かった。

後々の展開を考えると、レベル6っていうのが、要するに人工的な天使の創造のことを意味していることもわかったし、だからこそ、「第1位」、「第3位」、なんていう、天使の序列のような表現を使っていたのだと、いまさらながら、感じた。

もっとも、こういう設定の連関は、『禁書目録』の刊行が進んでいったからこその「深み」なのだろうけどね。

実際、シスターズ編を経て、アクセラレーターは能力の一部を失い、ミサカネットワークとの共存によって能力を発揮する、という、いわば「贖罪」のような立ち位置につけられることになるわけで。要するに、広い意味で、美琴/ミサカネットワークを介して、上条さんと一通さんとの繋がりを強化しているのだよね。

そういう意味でこのシスターズ編の物語は、その後の「とある~」世界の土台を作る大事なエピソードとなるわけで。

なにしろ、クローンぐらいで驚いていたら、この後の風斬氷華のような存在を受けとめることができなくなっていくわけだし。人外という言葉も追いつかないくらい、そもそも、身体と魂との関係って何?人格って何から構成されるの?人格が確認されれば、それは人として扱ってもいいの?・・・みたいな問いがどんどん生じてくるわけで。

多分、新約禁書目録が、基本的に学園都市に焦点を当てるようになったのも、そういうことだよね。

だから、こういう、その後の『禁書目録』ワールドの理解を深めてくれた、という点でも、このシスターズ編の映像化は大事だったし、素晴らしかったと思う。

それに、美琴と御坂妹との関係性が、姉妹のようでもであり、母娘のようでもあったのは、よかった。その意味で、途中、美琴の母が登場して、母娘の関係を示していたのもよかった。「人と人との繋がり」の新しいあり方についてもいろいろと考えさせられたし。

もちろん、これだけのことをしてもらったら、そりゃー、美琴が上条さん命になってしまってももう、仕方ないよねw

『禁書目録』の方は、一応、全て上条さん視点で話が進むので、事件が解決したらそれまでで、また次の事件に臨む、という割りと淡白な展開で進んでしまって、わかりにくいのだけど、これ、今回の美琴のように、「救われた」側の視点で物語を語るようになったら、どれだけ、それぞれのヒロインが上条さん命になってしまうか、具体的に心情を理解してしまえる、というものでw

なんていうか、『禁書目録』については、後日、全て、現在のアニメーションのクオリティで作り直す機会があったりしたら、是非、全てヒロイン視点でシリーズを構成してほしいなw

上条さんがどれだけ「白馬の王子」様なのか、わかろうというものw


・・・ということで、『超電磁砲s』シスターズ編、超良かった!

物語の結末を知っているにも拘わらず、こんなにドキドキハラハラしながら楽しめたのは、ひとえに長井龍雪監督の采配がアレばこそ、なんだろうな。ブラボー!

で、次回以降は、オリジナル話に行くらしいけど、それはそれでまた、楽しみ。

いやー、『超電磁砲』、素晴らしいよ!

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