ブルックリン横丁

ブルックリン在住17年の音楽ライター/歌詞対訳者=渡辺深雪の駄ブログ。 そろそろきちんと再開しますよ。

106:「フリーダ・カーロとか」

2005-03-24 | ブルックリン横丁
結局Daddy Yankeeのインタビューは明日の朝まで延期になってもうた。せっかく太陽の学校の遠足(って言ってもアフタースクールのクラスの子供達だけだから少人数だけど)でバスキア展に行くはずだったのを家で待ってたのに。。って私が楽しみにしてどうするよ。学校に迎えに行ったらアート・クラスを教えている25歳のケイトが興奮気味に子供達と行ったバスキア展のことを話してくれた。ブレイクダンスもやっていたという彼女はアートについても音楽についても同じくらいの熱意で語る。子供達にも音楽と絵とをフュージョンさせたペイント・ワークショップをやりたいとか。じゃんじゃんやってくれ。太陽がバスキアの絵を見て「ヒップホップとジャズだ」と言っていたと教えてくれた。先週私が見に行った後にそんな話を家でしたかなぁ、と記憶を辿るがあまり覚えはない。でもバスキアが一番好んで聴いていたというチャーリー・パーカーのCDを引っ張り出してきて聴いてはいたけど。でもヤツに入れ知恵した記憶は無いんだけどなぁ…なんてことをケイトに言いながら、ある絵本のことを思い出した。太陽が誕生日に誰かから貰った、クリス・ラシュカの『Charlie Parker Played Be Bop』という絵本。その話をしたら、是非来週のアート・クラスではチャーリー・パーカーを聴きながらお絵描きさせてみよう、ということに。面白そう。

それにしても私の芸術家一般に対するコンプレックスというか「憧れの眼差し」を自覚する時が最近よくあるんだよね。今日もたまたまチャンネルをあわせたPBS(教育番組系チャンネル)でフリーダ・カーロの自伝をやっていたので思わず見入ってしまった。Overwhelming。思うところは色々あったがここに書いてるとまたエラい長文になりそうなので遠慮しとくが、要するに私が芸術家という存在に憧れるのはその「努力のしようがない」「先天性」なんだな、と。昔からただ勉強が出来るだけのヤツとか、ものすごく頑張ったからどうの、とか、そういうのにはあまり感銘を受けないタチである。やれば誰にでも出来るワケで。そうなりたければ勉強でも何でもやりゃあいいワケで。簡単な話だ。だけど「感受性」とか、努力の及ばないところにこそ価値があるとは思わないか?それを持って生まれた「カリスマ」と解釈しても良いかもしれない。フリーダの絵について、彼女の生徒が回想してこう言っていた。「彼女の絵は決して技巧的ではないが、一度見たら絶対に忘れられない何かがある」と。そうそう、テクニックを凌駕する圧倒的な迫力、気迫、モティヴェーション。そしてそれだけの衝動を彼女にもたらした感受性、さらにはその感受性を培ったであろう生育環境、時代、国民性、両親からの影響…そういうものが複雑に絡み合って産み落とされるのが「天才」なのだな、と。うーむ、やっぱりカリスマとか天才とかいう言葉は濫用しちゃいけないね。

ちなみに今日の写真は去年家族でメキシコに行った時に撮ったもの。壁一面にフリーダとディエゴ・リヴェラの作品が額に入れられて飾ってあった。学校でフリーダのことを覚えてきたばかりの太陽がじぃ~っと見ているのをお母さんは後ろから激写しちゃったよ。

105:「レゲトンを少々」

2005-03-24 | ブルックリン横丁
何かここにきてレゲトン絡みの仕事が集中。次号のbmrでは我らがノリエガakaノリちゃんによるレゲトン講座を執筆。めっちゃオモロい&タメになるので読んでね。彼のインタビューはいつも後味爽快です。あと今週来週とDaddy YankeeとTego Calderonというレゲトン界の新旧両巨頭へのインタビューが控えており。ワシのスペイン語は大工のアミーゴ達(詳しくは過去のログを参照してください)から覚えた程度のモンなのでまったくリリックはわからんちんですが、去年のピットブルやノリちゃん等、ラティーノMC達の熱意に心動かされて以来めっきり芽生えた(日本語ヘンだな)レゲトンへの興味。今もプエルトリコで映画ロケ中のDaddy Yankee(「ガソリーナ」の彼よ)との電話インタビュー待ち。勿論スペイン語が母国語な彼のために事前に英語の質問状をパブリシストへ送っておくように、との指令にも真面目に応えて30問きっちり送りつけたわよ。めちゃめちゃ喋るヒトだったら1時間とかかかっちゃうかな~。それはそれで嬉しい悲鳴ですが。

ていうか最近はHOT97でも2時間レゲトンかかりっぱなし、とかだったりする時もあるしね。物凄いよね。DJって結構ラティーノ人口高いしな。これは一種の組織的陰謀ともいえるがまあイイか。ラジオという存在自体が組織的陰謀だもんな…ブツブツ…。