ブルックリン横丁

ブルックリン在住17年の音楽ライター/歌詞対訳者=渡辺深雪の駄ブログ。 そろそろきちんと再開しますよ。

086:「マライア取材:ディーヴァ光線浴びてきました。」

2005-02-22 | ブルックリン横丁
ほぇ~。まだ半分惚けてますワタクシ。マライアすごかったっす。

木曜日のアルバム試聴会、金曜日の取材通訳に続き土曜日はTV用の共通素材や各番組用のID録り(「○○をご覧の皆さんこんにちは、マライアです」、っていうアレね)というスケジュール。USの媒体は彼女のスケジュールに合わせて密着すりゃいいだけだがインターナショナルの場合は各国からジャーナリストを飛ばしてきて短期間で最大限の取材をぎっしり詰め込むのがお約束。大抵は日、英、独、仏、豪、スウェーデンなど。そのアーティストの規模や各国での人気度によって多少参加国が変わったりすることはあるけど。金曜日は紙媒体の取材だけだったのでタンクトップにノーブラ、ブーツインさせたタイトなデニム姿(でも化粧はカンペキ)というカジュアルな出で立ちのマライアでしたがやはりTVとなると気合いが違うようで。しかも本人たっての希望/提案で30分おきくらいにお色直しして登場という演出付き。。。TV素材には色々なバリエーションがあった方が良いだろう、っていう気配りと解釈すべきなんだろうけど、彼女がMTV Cribsに登場した時のことを覚えている人ならわかるでしょ?…彼女のヴィジュアルに対するこだわり、というか見せたがり、っていうか、まあその意気込みたるや常人の域を超えてますな。

それが一番顕著だったのが、マライアお抱えの照明担当として采配をふるうビルの存在。つーかどこの国にプロモやツアーで出向く時も必ず彼とクルーを引き連れて行くらしい。彼女が日本のTV局の歌番組に出演しようと、その照明は必ずビルが手掛けるのだそう。予定より数時間遅れて登場したマライア、衣装#1はミッソーニのニットドレス。昨日のウェーヴヘアから一転、ピシ~っと伸ばしたストレート。会場となったミートパッキング・ディストリクトのGansvoortホテルの最上階のペントハウスの巨大な窓の下に広がる夕闇のハドソン河と室内にデコレートされたキャンドルに白い薔薇。吹き抜けの2階部分にある彼女の控え室から着替えを済ませ、しもべ(にしか見えなかった)に手を引かれ階段を下りてくる姿はマジでディーヴァ、姫様ですよ。しかしそこからが長かった。ビルが数時間かけてセッティングした照明にばさりばさりとダメ出しするマライア。どこをどう映して欲しいのか、自分をどう見せたいのか、はたまたどう見られたいのか、それをカンペキに把握しているプロフェッショナルっぷり。何てったって全世界でアルバムを1億5千枚(だったっけ)売り上げている人だもの。ビートルズとかプレスリーの記録を抜いちゃった人だもの(詳しいことは忘れた)。そのくらい当たり前なんだろうけどさ。椅子の座り心地、はたまた肘掛けの有無が与える彼女の姿勢、ロングドレスの裾をたくし上げるそのギリギリ感(やっぱり露出するのが好きらしい)、髪の毛の毛先の伸び具合、胸元にはたくフィニッシング・パウダーの分量、その全てにおいて彼女が絶対権を握っているのだ。メイク担当、スタイリスト、照明係、その誰一人として彼女に指図する者はいない。It's All About Herなのだ。

ていうかあんまりスターを目の前にしてもビビったりする方ではないし、割としょーもない軽口を聞いたりすることもあるんだけど、彼女に関してはもうただただ固唾を飲んで傍観、ってカンジでした。こりゃースゴいわ、と(笑)。

しかも取材直前になって、実はこちらが日本から用意してきている質問や代行取材用に必要な時間よりも少し余裕がありそうだ、ということで急遽追加取材分の質問状を作成せよ、とユニバーサルS氏からの指令が。基本的にハーコーなラッパーやR&Bシンガーを相手にすることの多いワシだけに、こんな天下のディーヴァ相手に一体どうすりゃいーんじゃ、と悩んだもののそれなりにアタックしてみることに。

後になって分かったことだけど、私の前に入っていたUKのジャーナリストは皮肉屋&ゴシップ好きな傾向にある人だったらしく、私は敢えて今回のアルバムの音楽性やその「歌声」の復活の裏にあるものを探る方向で話を進めることが出来たのは良かった。マライア級のアーティストになってしまうと、音楽性うんぬんっていうよりももっともっと「女性誌」的な質問を浴びせるのが常ではあるんだろうけど、その辺の話は日本からいらしていた大先輩方にお任せするとして、ってことで。ホントはもっと練った質問をしたかったのは事実だが、受け取め方によってはディーヴァな彼女ならご立腹してしまいそうな微妙に聞きにくい質問(意地悪、っていうワケじゃないんだけど)もあったので、なるべく耳障りの良さそうな語彙を選んで質問したりとマジで神経使っちゃいました。でもその甲斐あって取材が終わった後に「素晴らしいインタヒューをありがとう」と言ってもらえたので自分的には一応合格、ということにしようかと(おめでたくて悪かったわね)。

さらにそこから数時間して、また別の衣装で現れたマライアと残りの取材(これは純粋に通訳のみ)も敢行。これもソツなく終了、しかし気づいたら既に深夜2時。途中本人たっての希望で飼い犬のジャックにまつわる質問を半ば強制的に訊かされたり(しかもユニバーサルS氏になついた彼はマライアのところには行きたがらなかった。。。)とかもありましたが、ホントにスゴいモン見せて頂きましたよ。でも取材が終わってS氏と話していたのだが、彼女の本拠地であるNYで、しかもお抱えのスタッフ総動員でコレだっちゅうのに、アウェイもアウェイ、飛行機で13時間も離れた遠い国ジャパンにおいて全てをあのディーヴァのためにしつらえもてなしながら微妙に仕事もさせなきゃならないその心労たるや。ご愁傷様です&頑張って下さいとしか言いようがありまへん。噂では3月に来日するかも、ということなのでまたまた日本にもマライア旋風が吹き荒れることでせう。

でももし今度彼女の姿をTVで観たりしたら、その背後にある裏方スタッフの汗と人知れぬ涙を感じてあげて下さい(笑)。

085:「マライア完全復活!」

2005-02-19 | ブルックリン横丁
出ますよ出ますよ、マライアの新作!昨日はアイランド/デフジャムのオフィスにてインターナショナル・プレス向けのこぢんまりとしたリスニング・セッションが開催、日本やフランス等のジャーナリストが空港から直行で続々参上。今回のアルバムでマライアと共にトータル・プロデュースを務めているというLAリードが直々にアルバムの紹介をしてくれる予定だったのだが、急遽出張でシカゴに飛んでしまったためにアイランドの社長=スティーヴ・バーテル氏が代行。各参加者を握手で迎え、いちいち名刺を渡すところがいかにもビジネスマンですな。キャンドルを灯し、暗めの照明というセッティングの中(でも場所はあくまでもオフィスの会議室なんだけど)、新作『ジ・エマンシペイション・オブ・ミミ』から計7曲を聴くことが出来た。

結論から言うと…『マライア完全復活』!!!!

言うまでもなく、ここ数年はその奇行(?)と言うか、方向性を見失っている、というか、いや、向かおうとしている方向性はわかるんだけどなんか空回り風と言うか、まぁ「全然万全じゃない感」がありましたよね、マライア。歌声にしてもフェイクに頼ったウィスパー唱法というか、掠れ声というか、往年の「7オクターブ」(だっけ?)伝説を聴いて感動した世代にはイマイチ物足りない気がしていたモノです。

それがそれが。既にNYでもガンガンに流れているジャーメイン・デュプリ作の「It's Like That」みたいな、相変わらずアーバン・シーンを意識した(というかそれが今はメイン・ストリームだからな。こういう言い方はもう語弊があるよな。)フロア路線の曲も沢山ありつつ、ジェイムス・ポイザーやジャム&ルイス(Flyte Tyme)作の秀逸でタイムレスなバラッドでは、もうホント、久々に声を思い切り張り上げて歌い上げてます。素直に嬉しかった。こんなマライアは久しぶりだわー。ここしばらく何が彼女を支配していたのかは知らないが、呪縛はきれいさっぱり解けましたね。祝・完全復活。

聴くことの出来た7曲中ではジャーメイン・デュプリのトラックが多かったのですが、他にもネプチューンズ作(feat.スヌープ)とか、ネリーをフィーチャーした曲とか、あとは聴けなかったけどカニエ作のもあるそうよ。

個人的にハマってしまったのは、デニース・ウィリアムスの未来永劫クラシック『Free』を思わせるトラックを下敷きにした、「これぞマライア!」的な迫力の歌声を余すところなく見せつけるアルバム最後のトラック、「Fly Like A Bird」。アルバム・タイトル通り「エマンシペーション(解放)」を体現したような壮大なバラード。思わず聴いていて激しく頷いてしまいました。こういう万人に分かりやすいメッセージを込めたプロダクションって好き。ヒネりが無い、とか意地悪な聴き方はせずに素直に身をゆだねたくなるような有無を言わせない迫力がありました。

そんでもって今日、明日はいよいよマライア本人を拝んできます。日本から来ているジャーナリストの通訳と、インターナショナル向けのTV素材撮りのインタビュアーをすることになってしまったのだ。楽しみ~。その結果はまたここでご報告いたしやす。

084:「Game vs Jay-Z?」

2005-02-17 | ブルックリン横丁
いや別にそんなに煽るつもりはないんだけど、先週あたりネットで回ってきた音源(ゲームがジェイーZ、メンフィス、ビーニーらのロッカフェラ集団やジャ・ルール、アーヴ・ゴッティそしてマーダー・インク改めジ・インクに対しひたすら「suck my dxxk!」と言っているアムステルダムでのライブもの)に対するジェイーZの回答フリースタイルが金曜夜のフレックスのショウでプレミア放送(?)された。今週に入っても得意げに流れまくってるこのフリースタイル、今やデフジャムCEOのジェイですから、それはもう「Take Over」とは違ったソフトでサブリミナルな切り返しっぷり。「I don't play that game」(俺はそんなゲームはプレイしないのだ、って勿論ゲームの名前にもかけたダブル・ミーニング。)「大人をからかうモンじゃない」とか、「スーパーマンはまだ生きてるぜ!」とか。(これはクラーク・ケント役のクリストファー・リーヴスが最近逝去したことにも微妙に言及しているワケですな。)

でも、実際のところはアルバムの発売日の直前にドレーの指南によりゲームはメンフィス・ブリークを始め、ビーフのあった相手に直接電話して謝罪を入れたとのこと。だからこのアムステルダムのライブ音源がいつのものかは怪しいし、本気で「ビーフだビーフだ!」って盛り上がっている、というよりは割とリスナー達も冷めた目で見てるというのが個人的見解(中高生はどうか知らんが)。ジェイにしてもハナっからリラックスしたフリースタイルっぷりだし、「俺がいま機嫌が良くて良かったな」とか言ってるし。それよりも笑えたのが、そのフリースタイルの中でジェイが「俺のヴァースを使うな!」「700%払え!」って繰り返してるトコ。これは勿論T.I.の「Bring Them Out」とかCassidyの「Hustler」(甘甘ハスラー)でのジェイの声ネタサンプリングのこと。古い話で、ファットボーイ・スリムの「The Rockafeller Skank」で「check it out now, the funk soul brother」ってロード・フィネスの声が延々サンプリングされまくっていたというのにフィネスにはビタ一文入らなかった、ってのを思い出しますな。ジェイもそれで苦笑してる感じ?有名税とは言いますが、T.I.はともかくCassidyなんてみんな「甘甘ハスラー」の部分しか聴いてないもんな。あれじゃジェイの曲だって。

「Drop It Like It's Hot (Remix)」

2005-02-11 | 対訳横丁
リクエストにお応えしてとりあえず歌詞だけ見つけたので貼っときますね。ヒマ見て訳そうかね。
あ、これじゃ全然リクエストにお応えしてないかね。
ジェイーZのヴァースはワードプレイだらけで分かりにくいかもしれないが、
意味的には何ら難しいことは言っていないのでちょいと腕試しに訳してみればいかがかしら。
この歌詞がまったく正しいっていうワケでもないと思うが、聞き取りをした人がなかなか気をきかせて
-iz-って表記しているので、そこを抜いた単語の意味で訳していけば理解出来るでせう。

"Drop It Like It's Hot (Remix)"
(feat. Jay-Z, Pharrell)

[Hook: Pharell]
Spin around ma
Drop, drop, like it's hot
Drop, drop, like it's hot
Spendin money mang
Drop, drop, like it's hot
Drop, drop, like it's hot
Spin around mommy
Drop, drop, like it's hot
Drop, drop, like it's hot
I got the rollie on my arm
And I'm pourin saun dan
And I roll the best weed
'Cause I got it goin on

[Verse: 1 - Pharrell]
No steroids can make you hit what I'm pitching
Chef boy-ar-P is back in the kitchen
You niggas is scratchin, my niggas is itchen
Don't keep "Pacin" but these dudes blow they "Pistons"
Yes, nigga, P stands for polish
None of y'all is fuckin with he, and this is obvious
I'm Ron Artest, layin down to your garbage
While my niggas in the street pushin shit like Ben Wallace
And any ya'll could get it, even fans in the stands
These guns is a sun, you'll catch a tan with ya man
I'm no cheeto, trust this is real/rio
Everything is grande nothing is poquito
Securitys behind me, with the torpedo
'Cause the wrist stay frigid
How you say it? Frio
Or where I'm from, in Virgina, we say ch-ill
And the ends also quarter million for each whe-el

[Hook]

[Verse 2 - Jay-Z]
I got hatas on my j-iz-ock, plus the frickin c-iz-ops
All of whom want to hit me with sh-iz-ots til I dr-iz-op
Thank God for hip hop, or I be in the b-iz-ox, uh
Jail or casket, either way you r-iz-ot
But now I'm so fresh you could smell me through a ziplock
Mr. S d-iz-ot, it's not gon' st-iz-op
Too much pizzas for these piss-ass niggas to get past
Too cool for c-iz-ops to cuff his iz-ass
Snitch-ass they made, they can't get the boy
These niggas givin' out cases like a liquore store
Runnin' to the DA tryin' to get me for it
All the money it made, I'm like forget the law
I'm not 'fr-iz-aid, it J-iz-ay homie you got pl-iz-ayed
Take it like a man, the flow ran you off the st-iz-age (go sit down)
Wastin' ya time tryin' to sue S. tell ya lawyer
"Take that civil case and drop it like it's hot"

[Hook]

[Verse 3 - Snoop Dogg]
(World Wide)
International, nah I'm universal
But you a gangsta, how you get to do commertials?
With them big wheels, yeah cuz you do it big
I stay real, stay sharp, and tell it like it is
I never fake the funk, niggas know I ain't no punk
They want beef? Yeah cuz, pop the trunk
We go all the way, we do it lifesize
Now my life right, 'cause my wife on my right side
Yeah, and she protecting my interest
Now I'm on the move they got me hoppin' these fences
Ay little homie your defence is defencless
A pimp apprentice
Now come here princess (Come here, come here)
I know ya tired of the chit-chatter
It really don't matta it's like a seesaw platter
I check money, check niggas, check bitches
Now drop it like you ass on swit-ches (Ziip)

[Hook]

[ www.azlyrics.com ]


さらなる訃報:オッシー・デイヴィス他界

2005-02-10 | ブルックリン横丁
超ベテランの黒人俳優にして公民権運動家でもあるオッシー・デイヴィスが87歳で他界したそうです。ここのブログを見ている人達的にはスパイク・リーの『Do The Right Thing』とか『School Daze』に出ていたお爺ちゃん、って言えばわかりやすいのかな。たまたま昨夜フォレスト・ウィテカー出演のこれまた公民権運動を扱った映画『Deacons For Defense』を観ていて、牧師役のオッシー・デイヴィスの名演に目頭を熱くしていたところだったのでショック。彼はマルコム・Xへの感動的な弔辞を贈ったことでも知られているが、hiphopmusic.com(それにしてもあのサイトはヒップホップの良心だね)でその全文が読めるようになっているので是非。そこのサイトで管理人が「これと同じだけの素晴らしい弔辞がオッシー・デイヴィスにも手向けられて然るべきだろう」とコメントしているが全く同感。本当に惜しい人がまたいなくなってしまった。。

082:「目玉をくり抜いちゃったヒューストン」

2005-02-10 | ブルックリン横丁
数日前のニュースらしいがイケメンR&Bシンガーのヒューストンがロンドンのホテルで飛び降り自殺を図りセキュリティに制止され、低い階の部屋に移動された後、自分の目玉をくり抜いて負傷するという事件があったそうだ。ここでは載せたくないがネットでその写真も出回っている。見ちゃった…。どうやら鬱病の治療をしていたとか、「早く神様に会いたい」とか口走っていたとか噂は色々。まあ素面とは到底考えられんが自分の目玉をくり抜くってあまりにも凄惨。目にゴミが入っただけでもイテーのに。前にクラブ取材でヒューストンを発見、激写させてもらった時にもかなりハジけてたよなぁ。。(詳細は028「ジャパニーズ・ギャルズすげえ。」にて。)キャリアはともかく、早くヒューストンが心身の健康を取り戻せるように願っております。。

081:「50セント取材@LA:Mission Complete!(超長文)」

2005-02-08 | ブルックリン横丁
無事に50セントの取材を終えてまいりました。お誕生日記念に太陽も無事に50に対面&わずかながらのLA滞在を楽しんでいた様子。うちの4階に住んでるスウェーデン人のジャーナリストもいきなり行きのフライトから一緒。義姉と太陽もあわせて「Team St.Marks」がレペゼン。Tシャツ作ろうかな。そしたらスーシーも着れるな。

Jet Blueで飛んだのでLAXではなくロングビーチ空港に着陸。義姉はその昔『Best Friend's Wedding』という映画にチョイ役で出演しているのだがその時に共演したモデル君とこれまたフライトが一緒だったらしくしばらくお喋り。彼は着々とCMモデルとしてのキャリアを築きつつあり、LAにもNYにも家があるとのこと。確かにライトスキンのイケメン、目の保養ごっつあんです。とりあえずLBCは初めてだったのでお上りさん全開でクイーン・メアリー号という往年の豪華客船をホテルに改築したレトロな宿にチェックイン。気分は西船橋のラブホです。大学時代幕張メッセのアメフトの試合にチアリーダーしに行く時の常宿だったわ…(遠い目)。だって朝早かったんだもん。…話は逸れましたが船のホテルは海洋オタク気味の太陽にはビンゴだったらしく大はしゃぎ。いいぞいいぞ。お誕生日ですもの。客室の窓も船らしく真ん丸、その向こうにはロングビーチ水族館が。太陽はそこに行きたくてたまらないらしいのだがベビーシッターのはずの義姉は太陽をダシに50セントに会えやしないかと内心期待しているらしく断固ワシと一緒にサンタモニカに来ると言って譲らない。まあ太陽もサンタモニカの桟橋にある観覧車に乗ったら嬉しいかも、とも思ったのでタクシーで直行。早朝のフライトにより睡眠不足気味のため全員爆睡。ヨダレ出る。

昨年のデスチャの取材時はソニー担当A氏と無駄にロマンチックなひとときを過ごしてしまったサンタモニカ。今回もバタバタ。しかし取材までのしばしの時間を太陽と堪能しようとお母さん張り切りました。いつもならしっかり水着だの替えの靴下だの用意しているはずが今回はどこか抜けていたらしくまんまと手ぶら。そして太陽は予想通り太平洋を見た途端走り出す。カモメを蹴散らし、こちらの思惑をよそに豪快に波間にダイビング。そのうちズボンもパンツも脱いで子供らしくフルチン君。いいよいいよ。お誕生日ですもの。腹が減ったと義姉が騒ぐので桟橋へ。適当にメキシカンを食って取材の時間までうろうろ。似顔絵ならぬ似顔石膏、っていうか石膏で客の顔を作ってくれるオッサンがいたので記念に太陽の顔を作ってもらう。結構似てる。「じゃそろそろ仕事に向かいますか…」と思ったら義姉が「私もやってもらう」とどっかり着席。つーか時間無いんですけど。しかしパートタイム・モデルの意地はスゴい。「何もそこまで…」とこちらが気後れしてしまうくらいのたたずまい(背筋伸び過ぎ!目線が明後日の方向見過ぎ!)で15分間微動だにせず。「おいおい何事だよ」とギャラリーまで出来る始末でお母さんちょっと恥ずかしかったわ。

幸い取材会場となったインタースコープのオフィスは近かったので、隣のスタバで太陽と義姉を待たせて上へ。しかし到着後判明したのだが実は取材は1時間近く押していた。ちきしょ~。しかも急遽決定したTV出演のため50の持ち時間は限られている!こりゃあ取材時間削られちゃうかな、とちょっと不安になりながらも新作『Valentine's Day Massacre』のリスニング。しかしインタースコープの人間でさえもトラックリスティングは知らないとか。プロデューサーの名前も不明。しかしジャ・ルールとファット・ジョー、さらにはナズ&ケリスまでディスっているという噂の「Piggy Bank」もしっかり聴いてきました。詳しい内容はアルバムの発売までお待ちくだされ。

今回はインタビュー2本分の通訳として参加したのだが、にゃんと時間が足りないので急遽チーム・セント・マークス北欧代表のスウェーデン人、マーティンと一緒に20分をシェアしろとインタースコープ担当アンジェリカ。せめて10分ずつバラけてくれりゃあ集中出来るんだけどな。まあ50が相手じゃ無理は言えまいとすごすご二人で取材部屋へ。

2年ぶりの50セントは相変わらずレイドバック。かなりお疲れの模様。そりゃそうだよな。しかし前にも感心したことだけど彼は絶対に用意した答をだらだらと繰り返すようなおざなりなインタビューをしない。たまに質問の意図を読み違えることはあれど、丁寧に真摯な答を返してくれる。語彙も豊富(MCに向かって言うコメントじゃない気もするがヒドいインタビューするヤツはゴマンといるからね)。さらに彼の特徴は、気分がノってくると身を乗り出し、インタビュアーの膝頭を小突きながら話すのだ。2年前もそうだったが今回もそれは変らず。しかし大和撫子なワシは北欧代表マーティンに上座(って言うのか)を譲っていたため50の膝頭プレイ(アホすぎ)にはあやかれず。そういや50、デカくなった?と思ったら防弾ベストだった。Tシャツめくって見せてくれたけど、あんなモン毎日着けてたらアチーだろうな。

1つ目のインタビューが終了ししばし休憩の後TV用素材録りも兼ねたオフィシャル・インタビューの通訳でまた取材部屋へ戻る。ここでも取材はソツなく終了、50も一息ついてるところで今回の裏テーマでもある「50&太陽のご対面」について切り出す。全然問題ナイとのこと。インタースコープのアンジェリカも「50がオーケーならイイよ」とのこと、速やかに太陽と義姉を通してくれた。

さて50セントと晴れてご対面した太陽、どんなリアクションを取るかと思いきやいきなりつかつかと50に歩み寄り「ハーイ50cent、今日は僕のお誕生日だよ」と言ってのけた。物怖じしないヤツだ。結構結構。50も「Hey lilttle man, happy birthday!」と言ってくれました。そしてすかさずお約束の2ショットを数枚。使い捨てカメラだったのでまだ現像してないけど。出来たらアップするね。つーか事前に太陽に仕込んで「ねえねえ50、「Go shorty, it's your birthday!」って歌ってぇ~」とか言わせたらリクエストに応えてくれていたかもしれないな。チッ。でもいいや。これで将来太陽がMCとかになっちゃったりしたらこの写真をVH1にでも提供して「やはりこの頃から…」ってネタ作りしちゃったりして。あ、でも太陽はハワイでサーファーになって可愛いフラダンサーの彼女を連れて来るんだった。ダウンタウンBKで徘徊するようなゲトーのクソガキとかじゃなく(しつこい)。いやー困ったな~。じゃあマイクも握れるサーファーってことで…。うわっ、そんな胡散臭いMCいらねー。お母さんの妄想は膨らみます。

そういや取り巻きの中に50のDJで最近来日したばかりのフーキッドもいたけど、彼のワイフもジャパニーズっちゅうことでいきなり自分の子供の写真を見せてくれた。ハワイアン風の腰ミノつけたカワイコちゃん二人。ま、余談ですが。

080:「ガングロのコギャルに負けた…」

2005-02-08 | ブルックリン横丁
つーかホントなら太陽を迎えに家を出ているはずの時間だがあまりにも悔しいので殴り書きだわ!さっきまでストリート・スナップ撮影のためダウンタウンBKのフルトン・モールをオヤG改めオヤZ(ぜっと)と歩いていたのだが、ワシが履いていた真っ白でフワフワな毛むくじゃらブーツが下校後のガキ共の格好の餌食に。今まではクラブやマイ・メイン徘徊スポットであるSOHO近辺くらいにしか履いて行ったことのないこのブーツ、やっぱりフルトン・モールでは浮きました。

つーか中高生なんて笑いの対象を求める生き物だし、通りすがりの人間をコケにするのはヤツらの専売特許だよ。ええ、アタシだってそりゃあヒドかったもんです。ヘタすると言い返してきたオトナ相手に石投げたりアタマ小突いたりしてたからね。しかも相手はうだつのあがらないゲトーの中高生。カネも無けりゃ未来も暗い。そんなヤツらにアジア人のイイ大人の女が歯向かっては顔切られるか強盗に遭うかのどちらかだろう。今までも地下鉄の中とかで中学生のガキ相手にキレたことはあるが危ない目に遭わなかっただけラッキーだと思え、と常々旦那に制動されているワシ。そんなモンで今日は鼻息を荒くしながらもマックの前とか中高生が集まっているところは避けて避けて歩きました。あんなブーツ穿いてヤツらの目の前歩くなんてアフリカの難民キャンプにステーキの首飾り下げて歩いてるようなモンだからな。しかし同行のオヤZには「コギャルに負けた…」と言われ。
ちっくしょー、あんなガングロのコギャル共に負けたなんてあたしゃ屈辱だよ。あんな育ちの悪いミス・ジョーンズ予備軍みたいなフッドラット共が将来太陽のお嫁さんになりたい、なんてアタマを垂れてきたってぜーったい許さねえぞ!!!ハァハァ。

…さ、気を取り直して今晩は蟹江さんとジョン・レジェンドのパーチーに行ってくらぁ。フーンだ。

模様替えしました。

2005-02-07 | ブルックリン横丁
重箱の隅を突かせたら右に出るもののいない寂しがりやのフォトグラファー、オヤG改めオヤZ(ぜっと)の指摘により、これまでのデザインが却下になり華麗に模様替えをいたしました。アナスイっぽくてなかなかカワイくないですか?とかいってアナスイ着ないけど。いまスーパーボウル観てるのだが去年のジャネットの乳出し事件に懲りたのか、今年のハーフタイムはなんとポール・マッカートニー。顎が外れそうになったぜ。そこまで守りに入ると逆に挑戦的ですらあるな。あー、ジジくせー。のでフロに入ってくるぜ。後で諸々更新しま~す。

079:「LA行ってきまーす。」

2005-02-03 | ブルックリン横丁
サンフランシスコで行われるはずだった50セントの取材が急遽LAに変更になり、しかもばっちり息子の誕生日と重なってしまった…。一瞬迷ったが一度引き受けたことだしこりゃー旦那とお留守番してもらうか、と思ったのだが「誕生日のディナーがチャイニーズの出前じゃカワイそう」とボソり言われてしまった。ハナっから自分で料理するとか外食するとか考えてないなコイツ…というワケでえーい、こうなったら太陽も連れてっちまえ!しかもベビーシッターとして義姉もオマケに連れてくぜ!(旦那は休みが取れなかった)と男気奮ってアグネス道まっしぐらな私。2年前に取材した時はチョー気軽に2ショット写真も撮らせてくれたし(しかも脱いでくれた。あんましモリモリ&テカテカ過ぎて目が眩み思わず「旦那にこんな写真見られたら殺されるのでシャツ着てくれ」と頼んだ腰抜けなワシ)、時間も守るしホントに良い人でしたがさてこの名声と成功は50セントを変えたのかどうか!?じっくりチェケってきます。隙あらばお誕生日ボーイの太陽くんとナマ50を対面させたいものだがさてどうなるかな。「Go shorty, It's your birthday!」って言ってもらいたいね。ま、それよりも太陽はロングビーチの水族館の方に興味シンシンみたいだけど。

078:「TWEETの新作はイイ!」

2005-02-02 | ブルックリン横丁
すっかり忘れていたのだが先日3年ぶりの新作『It's Me Again』をリリースするTWEETに取材してきた。リード・シングル「Turn Da Lights Off」は最近プロデューサーとしての活躍が目覚ましいKWAMEとミッシーの共同制作、古いレコードのノイズ加工を施したクラシックかつ中毒的な好盤でございます。ビデオもスタイリッシュ。アルバムもメローなミディアム/バラードが品良く詰まったタイムレスな仕上がり。今後長~い間愛聴出来そうなカンジ。

取材も非常に和やか、でもTWEETってデビュー・シングル「Oops」のセンセーショナルさが割と印象に残っていたので(註:あの曲のリリックはマスターベーションのことを歌ったものに違いない、と皆思っていた)、その辺のことを突っ込んでみたら「そういうつもりじゃなかった」とのこと。解釈の問題ですね。しかしそれにしてもこのスーパーフィシャルなギョーカイにあって、デビュー当時から年齢も偽らず、鬱にかかっていて自殺願望すらあったという暗い過去も隠さず曝け出した彼女はオトナの女性としてリスペクトしちゃうぜ。今年で35歳だそうよ。娘は14歳(アルバムで母娘デュエットしてます)。ちなみに彼女の娘と私の息子は誕生日が一緒だということが判明、取材の後は今年の誕生日パーティーをどうするか(2/3なので)、音楽とは全然関係ないママ談義になってました。(ちなみにエルモも同じ誕生日だよん。)

中尊寺ゆつこさんのご冥福をお祈りいたします。

2005-02-01 | ブルックリン横丁
たった今知りましたが、bmrでも『ハマのメリーJさん』を連載されていた中尊寺ゆつこさんが亡くなられたそうです。東京時代に何度かご挨拶した程度でしたが、早くから日本語ラップをサポートしたり、フジテレビの名(迷)子供番組「ウゴウゴ・ルーガ」の「どうよう・フロム・ニューヨーク」でガイジンに日本の童謡を歌わせたりと、素晴らしい着眼点を持った博識な方でした。42歳。あまりにも早過ぎます。心からお悔やみを申し上げます。。。