ブルックリン横丁

ブルックリン在住17年の音楽ライター/歌詞対訳者=渡辺深雪の駄ブログ。 そろそろきちんと再開しますよ。

お知らせ:「おしゃれ横丁」新設しました。

2005-03-04 | おしゃれ横丁
思いつくままにコーナー新設出来るのっていいわぁ。

てなワケで新カテゴリー「おしゃれ横丁」新設しました。基本的にはBK発のローカル・ブランドやデザイナー等を紹介していくこのコーナー。ゆくゆくはオーダー受注や販売も考えているのでお楽しみに。

091:「言わせてもらうと」

2005-03-04 | ブルックリン横丁
何かさー、最近友人達とのあいだで話題になったことなんですが、こうしてヒップホップとかそれにまつわるカルチャー/黒人風俗をネタにして仕事してるワシらのような人間についての世間一般のステレオタイプってかなり凝り固まってないか?何か、ワシらのような人間はさぞかし黒人文化の真髄を深く理解&心底共鳴していて、彼らからも諸手を挙げて受け入れられており、その証拠に街中でつのだ★ひろ(知ってる?)もビックリなダシキ(アフロセントリックな民族衣装ね)を着て歩けばマルコムXやアンジェラ・デイヴィスをこよなく敬愛するブラザー、シスターからも右手を挙げて「ライトオン!」って挨拶が、みたいなさ。それは丸っきりの誤解であることは良識ある皆様なら誰もがお判りだと思うんですが、割とそれに輪をかけて厄介なのが逆にそういう世界に片足突っ込んでる「黒人文化おたく」な人々なんじゃないかと最近思うわけですよ。何か「我々は○○でなければならない!フンガー!!」みたいな。でもそれって何か違うと思うんだよねー。しかも彼らの多くはあまりにも盲目的に黒人文化を愛してしまっているのが痛い。判官びいきなんだか哀れみなんだか知らんが、それこそ「アナタのためなら尻でも拭きましょう」的丸ごとの愛。ゾッコン命な惚れっぷり。

偽善者ぶるつもりはないので自分から曝しておきますが、ワタシも高校時代はアフリカン・アメリカン文化研究会なる団体が存在することを新聞で知って会費払って参加してました。他に女子高生会員なんぞおらず地味~な会合にも数回出ましたが、勉強にはなったもののその後受験とかで忙しくなりフェードアウト。だけどそこで色々憤ったり、考えさせられたりしたことが今の価値観に大きな影響を与えていることは確かだとは思うよ。

さて。自分が所属するワケでもない他者の文化に共鳴して身も心も捧げることはまあ、そのヒトの勝手として、だ。だけどさー、あまりにも盲目的にのめり込み過ぎてそれに対する批判精神を失うってのはどうかと思うワケですよ。それか逆に、あまりにも同化し過ぎてしてしまい(この場合の同化、っていうのもそのヒトの幻想に過ぎない場合が多いのだが)あくまでも「文化的他者」である自分のスタンスを勘違いした発言をしたり。っていうかそもそも、アンタ誰?みたいなさ。別に黒人の皆様はどこぞの東洋人にわざわざレペゼンして頂かなくても結構です、ってカンジだと思うんですけど。あの秋田弁を巧みに操るヘンなガイジンとか、デーブ・スペクター(まだいるのか?)とかを心底リスペクトしてる日本人がいるのか?ってことだと思うんだけどよー。いや、勤勉なのは認めますがね。

とりとめが無くなってますが、それがそのヒトのライフ・ワークと言えるほどの生き甲斐となっているのならそれはそれでリスペクトしますけど、何か自分の根幹とは何も交差していない部分の「他人の闘争」を引き継いじゃってるみたいでご愁傷様なカンジ。誰に頼まれたワケでもなかろうに。いや、きっと人間としての器が違うんだろうね、そういう人々は。ワタシはそこまで人間が出来ていないのでまず先に山積みになっている自分の問題を片付けてからじゃないととてもとても他人の闘争を戦うことはできまへーん。(ま、ワタシの場合は半分黒人の血を引いた子孫を残している都合上他人面してるワケにもいかないんですが。まーそれはこの際置いといて。)

いや、ただね、「まがりなりにも黒人文化に関わって人々に情報を伝達する仕事に従事しているのならかくあるべき」的なステレオタイプや押しつけがウゼーんだっつーの、ってことが言いたかったんですわ。別にそういう突っ込みや指摘を直接受けた訳でもないし、誰か特定のヒトに向けてビーフ(笑)を仕掛ける気はサラサラ無いんですけど。ま、そういう傾向ってあるよね、くらいで。ご清聴(読)ありがとうございました。まる。