パンセ(みたいなものを目指して)

好きなものはモーツァルト、ブルックナーとポール・マッカートニー、ヘッセ、サッカー。あとは面倒くさいことを考えること

官僚について(あるいは公務員について)

2024年06月23日 16時13分04秒 | あれこれ考えること

先日は政治家に関する書き残したものを紹介したので
今回は官僚について残したものの紹介!
だが、情けないことにどこから書き残したのかメモされていないので
出典がわからない(「マックス・ウェーバー入門」か「権力と支配」からと思うが)

それはこんな内容

官僚の世界

まず官僚は規則の拘束の下で職務を遂行し、「非人格的な没主観的目的」----つまり「だれかれの区別をせず」----に奉仕する義務を負う。こうした官僚のあり方は、封建社会における主従関係と対比すると、その近代的社会に固有の性格がよりはっきりする。

封建制度では家来が領主などある特定の一支配者との間に主従関係を結んでいたのである。これに対して官僚の忠誠心が向けられるのは、特定の人格ではなく「国家」あるいは「企業」といった非人格的で客観的な対象である。官僚は、特定の人格に仕える家来とは違って、「だれかれの区別をせずに」仕えることができる。したがってもっとも純粋な官僚とは自動化されたマシンのようなものなのである。

規則に従って事務処理をする官僚制の特徴は、その作業の迅速さと精確さである。かつては名望家が行政事務を兼務していたり、会議によって行われていたりしたために、事務処理には時間がかかり、また精確さを欠いていた。しかし近代社会では専門的に訓練された官僚が、一律の規則に従いつつ作業を分割して処理するために、事務処理は効率的で迅速に遂行される。

官僚は没主観的目的に向けて(だれかれの区別をせずに)事務作業を自動処理する。これは「計算可能な規則」に従って事務処理を行うことを意味する。この計算可能性こそ官僚制化現象の重要な特質である。さらには近代社会を支配する価値観としてウェーバーが抽出したものである。

だれかれの区別をせずに、主観的な判断を入れずに迅速に物事を処理するには客観的な判断基準が必要になる。そのためには、判断基準を定量化・数値化することである。物事を数字で判断とするということは官僚個人の主観的価値判断や感情が排除されるということである。なぜなら主観や感情は定量化できず計算可能ではないからだ。まさに官僚の採用自体が、計算可能な規則に従っている。官僚は、属人的なコネや人事担当者の好き嫌いではなく、試験の成績という定量化された中立的な判断基準に従って、公平に作業されているのである。

非人間化こそが美徳

官僚が中立的で公平な判断基準に従っているということは一般的には望ましいものと考えられている。確かに行政が特定の政治家や政治家集団の利益追求に偏向せず国民全体の利益を考慮するという意味での中立性や公平性は、望ましいものである。しかし、もしこの公平性あるいは中立性が、官僚が一切の主観や感情を交えずに、定量的な規則に従って淡々と事務を処理することだと理解された場合には、どうか。それは官僚を「非人間化」するという意味になってしまう。ウェーバーが官僚制を論じた時に問題としたのは、このことだった。

官僚制が「非人間化」されればされるほど、それだけより完全に、官僚制は資本主義に好都合なその独特な特質を発展させることになる。ここでより完全にというのは、官僚制が、愛や憎しみ、およびいっさいの純個人的な、総じて非合理的な、計算できない感情的要素を、公務の処理から締め出すのに成功するということなのであって、それは官僚制の特性として賞賛される固有の特質なのである。まことに近代文化が複雑化と専門家の度をくわえるにつれて、それは個人的な同情、恩寵、恩恵、感謝の念に動かされる古い秩序の首長のかわりに、人間的に中立・公平な、それ故厳密に、「没主観的」な専門家を、それ「近代文化」を支える外部的装置のために必要とするのである。

ウェーバー 権力と支配から

官僚制的行政は、知識による支配を意味する。これこそは、官僚制に特有な合理的根本特徴なのである。

これらを興味深いと思うか、面倒くさいと思うか
さて

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ホームページ内容が変更されていた

2024年06月23日 09時59分30秒 | 市政、市議会に関することなど

今朝は新城市についてのマニアックな話題
日曜日にふさわしくないかもしれないが、気になっていることなので取り上げてみる

新城市には市民自治会議という制度がある
そしてそれを紹介するホームページには以前はこのように紹介されていた

新城市自治基本条例が平成25年4月からスタートし、市民が主役のまちづくりが進められています。
市長は、この条例の実効性を確保し、また、まちづくりの推進について、さまざまな見地から幅広い意見を得るため、市民自治会議を設置しています。(新城市自治基本条例第24条)
ここでいう実効性の確保とは、市民自治会議が、特定の施策を含め、市の全般的な施策について、自治基本条例の目的や基本原則などにのっとって行われているかどうかを調査・検討・協議・提言することをいいます。
なお、市民自治会議は、市の施策や各事業について、実施の可否、善し悪しを検証・評価する機関ではありません。

ところが現在は(6月20日以後は)
新城市自治基本条例が平成25年4月からスタートし、市民が主役のまちづくりが進められています。
市長は、この条例の実効性を確保し、また、まちづくりの推進について、さまざまな見地から幅広い意見を得るため、市民自治会議を設置しています。(新城市自治基本条例第24条)
引き続き、このまちづくりのルールがしっかり守られているかを市民自治会議で審議します。
傍聴を希望される方は、市民自治推進課までお問合せください。


比べてみると最初は同じだが、現行では途中の文章がなくなっている
先の「ここでいう実効性の確保、、、以後の説明」がわかりにくいものだったが
(少し前のこのブログでも指摘した→2024年6月2日のブログ記事一覧-パンセ(みたいなものを目指して) (goo.ne.jp)
そのわかりにくい部分をカットした現行の説明はシンプルでわかりやすいし
明らかにこのほうが良いものと思われる

実はこの変更を求めて数日前に該当部署に出かけたのだった
それはこれを扱う部署の部長さんは能力、人間性も信頼おける方で
この方に言えば変更の意図は理解してもらえるものだと確信していたからだ

訪問した日は部長さんは不在で、部下の女性に依頼したのだが
彼女は今年度この部署に配置が変わったばかりで、
自分の訴えている内容がすんなり理解出来ているとは思えなかった
ただし、部長に伝えますとの言葉をもらうことは出来た

その数日後、議会傍聴の帰り道でその部長さんに合った
そこで、先日部署の女性に「変更依頼をした」ことを告げたら「聞いている」との答えだった
ただしその意図を理解しているとは思えなかったので、再度女性に話したようなことを
例を混じえながら伝えた

その場では自分の依頼は部長さんの体に染み込んでいくような印象を受けた
やはり彼は、理解してくれている、、そんな風に思った
でも、彼の判断で前の人の残した文章を変えることはできないかもしれないな
とも思っていた

その数日後、部長さんが信頼できる人と実感するに至った会議に出ていた女性と
あるところで出会った
彼女も自分の言い分は素直に聞いていただけているし
以前は市民自治会議にも関係していたので、話してみると彼女も素直に話が
吸収されていくような印象を覚えた
何度か頷いて、市民自治会後のホームページを見てみますとの答え

言ったものの、無理かな、、との思いが強く、確認はできずにいたが
一昨日、確認すると冒頭のように変わっていた

一歩間違えると単なるクレームとも思われそうな気がしたが
彼らが対応してくれたことがありがたかった
それは自分の言う通りになったからではなくて
彼らがその方が良いと判断したということが、自分の自信にもなった

実は市に対して「これはおかしいじゃないですか?」
と文章の変更を求めたことが以前にもあった
それは2015年の住民投票の時のこと、市では住民投票を控えて
防災無線で投票の呼びかけをすることになった
だだその初日の防災無線の内容が、「この住民投票は金額を問うものではありません」
とか、とても違和感を覚えるものだったので、それに対し苦情を伝えに出かけたのだった
(今思うと、あの当時は怖いもの無しだったなと赤面しそう)

防災無線はその後内容は変わり、少し不満は残るが許せる範囲内になったので
それで良しとした

言えば変わる、何かが動くことは他の例もある
これらがその例となるかどうかは微妙だが
外国をルーツに持つ子どもたちへの「プレ教育制度」もある機会に訴えたところ
1年後には実行されるようになった

運が良いのかこのように、自分が訴えたことは何らかの変化をもたらしている
問題は、今後もこれらの提案(?)がクレームとして受け止められるか
それとも提案として受け止められるかという点

それにしても、動くことでなにかが変わると実感する

一昨日、変更に応じてくれた部署にお礼を言いにいった
最初に話を聞いてくれた女性と、もうひとりの素直に話を聞いてくれて
「確認します」と口にしてくれた女性には「変更されていた」ことの報告に

でもこれに気づく人は、きっと部外者以外には5人といないだろうな



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする