パンセ(みたいなものを目指して)

好きなものはモーツァルト、ブルックナーとポール・マッカートニー、ヘッセ、サッカー。あとは面倒くさいことを考えること

より上位の概念(法には触れていない、に対する)

2018年04月02日 08時11分03秒 | Weblog

それを自民党の議員の口から聞くとは思っていなかった
あるテレビ番組に出演した自民党議員が佐川さんの証人喚問について語った
「法的に問題がないと言っても、、刑事訴追の恐れがあると言って、、、応えないのは法より上位の、、」
正確な発言は忘れてしまったが、こんな流れの話で、そこから続くのは(自分の頭では)憲法しか思いつかず
話は憲法と続くかな、それなら解釈がいろいろありそうで面倒な議論になりそう、、
と予想したが、続く言葉は全然違っていた
続いたのは「より上位の、公平とか正義とか、倫理とか、、そういったものに照らし合わせて、、」
これも正確には覚えていないが、とにかく「法よりも上位の概念」として、一般常識的な要素とか善悪とか
人間性の問題を指摘したのだ

その話を聞いて永いことモヤモヤしてきた気持ちが吹っ切れた
「法に触れていない、、」の一言で片付けられることの多い国やわが町新城市の不祥事
全ては「法に触れていない」が免罪符の様になっていてそれ以上の追求はできなくなっていた
しかし、ぼんやりとしていて解釈も多々ありそうだが、それでいて多くの人が感情的に納得できそうな
「法より上位」な概念としてこうしたモノが存在することを確認したことは(自分にとって)大きい

話は飛ぶが昨年読んだ本の中に「サピエンス全史」がある
面白かった記憶はあるが大半は例の如く忘れているが、一つだけ記憶に残っていることがある
それは、生物は子孫を残すのが最優先事項となっていて、たいがいの生き物はそれで行動を
理解することができる、、つまり生殖をいかに(効率的に)行うかが、、問題
しかし、人類は奇妙な宗教と言うもの(?)を考えだし、そこでは未婚の男や女が聖職者として
活動し子孫を残すことはしない一生を送る
これは生物の生き方としては、どこか矛盾している、、
しかし、人類のトータルで考えると、この行為は全体としては生物としての人間の生き延びる方法を確保している、、
自分の理解の範囲ではこんな内容の話

このトータルで考える「あるべき世界」とか「想像上の世界」がホモ・サピエンスとして
とりあえずこの地球上を仕切っている大きな要因となっていると続いた
(だからこそ抽象的概念を扱う脳の発達が他と比べて格段と進んでいる)

人の世界は、一見精緻な法でコントロールされているかのような印象をもつが
そこには大前提として「法以前の」みんなが納得するものがある
例えばタクシーの運転手は乗客が犯罪をおこすなどとは考えず、乗客も運転手が悪意をもって何かするとは思わない
という前提で成り立っている
床屋さんでもあんなに怖いカミソリを悪用しないとの信頼関係でお任せしている
これと同じで、大半のひとは政治家に対して法より上位の、こうした常識的なものをもっているものと
当たり前に考えている
ところが最近は「法には触れていない、、」の一言が絶対的な力をもっているかのよう

何かを追求されたとき「法には触れていない」で言い訳するのは
「それを言っちゃあお終い」としたいところ
人はそれなりの人間性、正義感、倫理観を持っているとの前提で自分の仕事を分業として他の人間に委ねる
それらを裏切るということは、実は「法に触れていない」以上の問題なのだろう

ということで、全人格的な要素を否定されるような方々
国の政治家、わが町のある議員さん、はっきり言って「失格」
国民・市民の大前提となる信頼を裏切っているのだから、、

コメント
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