パンセ(みたいなものを目指して)

好きなものはモーツァルト、ブルックナーとポール・マッカートニー、ヘッセ、サッカー。あとは面倒くさいことを考えること

今年の聴き始めはK364

2016年01月01日 10時36分43秒 | 音楽

2016年1月1日
近くの神社に初詣もすんで、さて今年しょっぱなに聴く音楽は
何にしようか、、、

一年の計は元旦にあり!
この言葉に影響されて、毎年最初に聞く音楽は慎重に選ぶ
多分今まで一番多いのはバッハ
真面目なかっちりした乱れのないところがいいのだけれど
今年はなんとなく真面目過ぎてちょっとしんどい気がしたし
先日から再読している池辺晋一郎氏の

この本に影響されて
モーツァルトのヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲変ホ長調 K364 
オイストラフ親子のレコードを引っ張り出してきた
 

大正解!
結構楽しめた 
モーツァルトは聞き流すとなんてことはない、ただ抵抗感のない音楽が
流れていくみたいだが、少し注意して聴くと本当に面白い
メロディを(特に初めて聞く曲などは)追っかけて、次を予想すると大概外れる 
安易な繰り返しはない(古典派などと言われるけど何故か自分には変化が多すぎる気がする)
いつもどこかに、どこに行くか分からない雰囲気がある
でも結果としてはちゃんと収まっている

それにメロディの楽器間の受け渡しがとてもおもしろい
まるで会話をしているように
あるときは支えてあるときは表で歌って
この様に楽しめるときは 自分の精神状態もすこし良い時だ

このK364も協奏交響曲と名付けられているのでヴァイオリンとヴィオラの
掛け合いが 興味深い
聴いててなぜかビートルズのアビー・ロードのメドレーの最後の部分
ジ・エンドのギタープレイの掛け合いを思い出した
ポール・マッカートニーのライブでもこの掛け合いはとても面白かったが
音楽は結局会話なんだと思ったりする
同じようにジャズでも奏者が替わって各人の個性を聞き取るのも面白い

ということで、ヴァイオリンを聴いたりヴィオラのパートを聴いたり
リズムを刻むオーケストラを聴いたり柔らかな木管を聴いたり 
楽しい
でもこの曲の最大の聴きどころは第2楽章
池辺晋一郎氏の本にもこの楽章のことが書かれている
これは本当に美しい
はたして美しいという言葉が適切なのかどうかわからないけど
とにかく信じられないくらいの音楽だ
深い感情を感じさせるが、それにいつまでも浸っているわけでもない
悲しいくらいにあっさりとその世界から抜けだしてしまう
(シューベルトやチャイコフスキーなら延々とこの世界に浸ってしまうだろうけど) 
本当にこんな音楽をヒョイとつくってしまうモーツァルトという存在は
化物、天才というしかない 

この曲(楽章)、ラ・フォル・ジュルネ(熱狂の音楽祭)で
モーツァルトがテーマの時に生で聴いたが
知らず知らず涙が出てきた
感情が揺さぶられたわけではないのに 
儚い、とか二度と戻ってこないとか、一瞬の美しさとか
多分そんなものを感じたのだと思うが 、、、

とりあえず、今年の音楽鑑賞スタートは上手く切れた感じ
ずっとこのコンディションで聴けたらいいのだが 

コメント
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