DALAI_KUMA

いかに楽しく人生を過ごすか、これが生きるうえで、もっとも大切なことです。ただし、人に迷惑をかけないこと。

ひきがえるタッドの冒険 : ジャンプ大会-3

2013-03-06 09:56:44 | 物語
十数歩跳んで、タッドは振り返った。

まるで、どうだ僕だって飛べるんだぞ、というふうに。

彼は余裕たっぷりの様子だったが、私は断固として言い放った。

「タッド、君はひきがえるにしては素晴らしいジャンパーだよ。でもね、これはカエルのコンテストで、どうみたって君はひきがえるにしか見えないよ。」

彼が跳び去って行き、私はこの話はそれで終わったと思っていた。

ところがそうではなかったのだ。

タッドは、踏み石の下の居心地の良い住処に帰るのではなくて、ひきがえるのためのプールのほうへ跳ねていった。

プールといっても、植木鉢の水がこぼれ出ないように下に敷く、黒いプラスティック製の縁が高いお皿なんだけどね。

私はこの皿を、フランス産の月桂樹の下の地面に埋め込んでいた。

いつもは定期的に水を交換しているのだけれども、先週は換えるのを忘れてしまったので、今日はアオコのぶ厚い膜が見られた。





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