DALAI_KUMA

いかに楽しく人生を過ごすか、これが生きるうえで、もっとも大切なことです。ただし、人に迷惑をかけないこと。

遍歴者の述懐 その41

2012-12-17 11:03:01 | 物語

インドからネパールへ

晃とキクは、ダージリンを後にして、カトマンズに向かった。

「当時、ネパールにはヒッピーがあふれていました。彼らは世界中から来ていて、日本の裕福な家庭の子弟と思われる若者も4~50名はいました。首都であるカトマンズの人口が30万人余りでしたから、空港や街角に集まる彼らの姿は、結構目立ちました。確かに、彼らは『何か』を求めているようでした。それは、急速に発展を遂げる物質文明社会からの逃避であり、『神々が住む山々』を意味するヒマールの自然から得られる精神文化への帰依のような感じがありました。」

心の平安を求める若者たち。安価なマリファナと、ヨガへの憧れと、大自然からの癒しとが、彼らの心と体をとらえて離さない。自由主義と共産主義の両思想の落とし子とも言える彼らの姿を見ていると、反体制や反文明の旗印を掲げながら、現実の差別や享楽の奴隷となっていることに気が付く。

「本当に、ネパールがこのような若者たちに正しい宇宙観と人生観を与えうるのだろうか。そんなことをふと考えました。」

確かに、ネパールは魅力に満ちた国である。晃のお勧め観光スポットを挙げてみよう。

(1)チトワン国立公園の中心に位置するTiger Tops Jungle Lodge に宿泊して、自然のありのままの姿を楽しむ。堂々とした象の背中に乗って、野生の虎や豹を見に行ける。

(2)世界で最も高い場所にある高級ホテル『エベレスト・ビュー』に宿泊して、エベレストを満喫しよう。できれば、エベレスト・マウント・フライトで約一時間の空の旅に出かければ、天下第一の景観、白き神々の秀峰、ヒマラヤの絶景を楽しむことができる。

(3)古い中に新しい息吹を持つ首都カトマンズ。パゴダ寺院の数々。時間があれば、周辺の谷へのトレッキング。ポカラと湖水地方の散策、アンナプルナ・ダウラギリの周遊。

今は、カトマンズの人口は70万人を超え、ずいぶん近代化してきている。しかし、そそり立つヒマラヤの山々は変わっていない。人生で、一度は訪れたい国の一つである。

つづく


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