ナッシュが罹っていた統合失調症は、息子にも発症した。
かなり遺伝的な要素が高い。
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統合失調症(とうごうしっちょうしょう、ドイツ語: Schizophrenie、英語: schizophrenia)とは、「連想分裂」を中核とする類似の症状の集合から構成される精神病理学あるいは臨床単位上の診断・統計カテゴリーの一つである。
疾患あるいは障害単位の存在自体がいまだ不明であり、疾患としては単一のものであるとは考えられておらず、多数の発症原因を持つ多数の疾患であると予測されている。
かつては「精神機能の著しい分裂」を基礎障害とするという意味で意訳され「精神分裂病(せいしんぶんれつびょう)と呼ばれていた。
この症状の担当診療科は精神科であり、精神科医が診察に当たる。
ブロイラーは当該症候群の特徴は「精神機能の特徴的な分裂を基本的症状として有するとして Schizo(分裂)、Phrenia(精神病)と呼んだ。
ここで「精神機能」とは、当時流行した連合主義心理学の概念で、「精神機能の分裂」とは主に「連合機能の緩み」及び「自閉症状」を意味する。
主要な症状は、基礎症状として「連合障害(認知障害)」「自閉(自生思考等)」であり、副次的に「精神病状態(幻覚妄想)」など多様な症状を示し、罹患者個々人によって症状のスペクトラムも多様である。
クレペリン、ブロイラー、シュナイダーが共通して挙げている特徴的で頻発の症状は「思考途絶(連合障害)」と「思考化声(自生思考)」である。
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統合失調症は、ほとんど完治することがなく、治癒率は10%以下だそうだ。
他方、現在の日本でよく見られるのは双極性障害だ。
こちらの場合は、治癒率が高い。
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双極性障害(そうきょくせいしょうがい、英: bipolar disorder)は、躁(そう)状態(躁病エピソード)およびうつ状態(大うつ病エピソード)という病相(エピソード)を繰り返す精神疾患である。
ICD-10では、うつ病とともに「気分障害」のカテゴリに含まれている。
古い呼び名では躁うつ病、あるいは他の名称として双極性感情障害とも言う。
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さて、統合失調症は突然発症し、治るのに非常に長い時間を要する。
実は、自然現象の中でおこるほとんどの事象が急激に起こり、元にもどる時間は非常に長い。
身近な事例では、洪水や地震がある。
これは、ある安定的な平衡条件が壊れて、別の安定条件へ遷移する時間が長いことを意味している。
秩序の変化といってもよいだろう。
したがって、統合失調症でも、治癒という表現は妥当ではないのかもしれない。
脳の仕組みが変化するのである。
不安定な時期、つまり遷移する時期においては、攻撃的になったり妄想的になったりする。
問題は、次の安定状態に達したときに、多くの自殺の事例が報告されている。
過大に期待しないことが大切なのかもしれない。
精神的に病んでいる友人を見るとき、どうしても治癒してほしいと思う。
英語ではremissionというようだ。
再びmissionを司ることができるようになるということなのだろうか。
ナッシュがノーベル賞を受賞したときに、最初に希望したのがクレジットカードの発行だったらしい。
精神疾患のために、彼は長い間、カードの発行を止められていた。
社会の正常な一員として認められることを望んでいたようだ。
考えてみれば、何が正常で、何が異常なのかは、その時代や社会によって異なるのだろう。
一つの価値観に拘束して、それ以外のものを異常だというのならば、私などはとっくの昔に異常人であったとしてもおかしくない。
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