ホームにつながる道は、旅立ちの起点だ。
これまでに随分と旅行をしてきたけれども、まだ飽きることを知らない。
車窓に身を任せると、なにか安心した気持ちになる。
時間と空間が通り過ぎる。
その間、私は考え事に耽る。
一度に二つのことができるなんて、なんて素敵なのだろう。
移動するエネルギーと、
思考するエネルギーが、
絶え間なく消費される。
なんて贅沢なのだろう。
人はみな旅人。
そこから逃れることはできない。
こうした営みを辛いと思わない間は、まだ生きていて良いのだろう。
そう思いながら、私は歩く。
ありがたいことだ。
感謝をし、そして歩く。
好奇心と克己心で体を支え、私は歩く。
歩みが止まった時、私の人生は終わる。