初冬十一月を迎えて、春から半年を過ごした風炉の茶から炉を開く事となります。
開炉は立冬を待って行われます炉を開いた当初は茶壷の口を切って新茶を振る舞
う「口切の茶」の時節に当たり壷飾りをいたします今年の5月に摘まれた新茶は
葉茶(碾茶ともいう)のまま濃茶の葉茶は20匁(75グラム)の袋ずめとして
茶壷の中心に幾つか入れられ、その周りに薄茶の葉茶をぎっしり詰め合わせ、茶
師の記した入れ日記という目録を添えて茶壷の口は和紙で封をされます。夏、秋
を越し冬まで持ち越された茶壷の口封を切り新茶を客に振る舞うわけでお茶の世
界における新しい年の始まりお正月ということです。近頃は茶を挽いて使うこと
もなく形としてのみ勉強しています裏千家流では口切の茶事で席中で茶を挽き客
に供する手前があることを最近知りました.経験したいものです。
床掛物 本来無一物 光悦寺山下恵光師筆
茶壷に真の飾り緒をかけて
瓢形花入れ(グランマ作)に椿西王母と白山吹の実