グランマのまなこ

デジカメ片手に、あれこれ
綴っています

楽茶碗を作る 10

2008-01-22 17:42:17 | 工芸
「火襷様」の窯変楽焼
稲が実り、刈取られ、新米が出回りますと新しい稲藁が
手に入る様になります。早速塩水に浸し作陶しておいた
茶碗、水指、花生けなどに巻き鞘に入れて素焼きをします

  
左は茶碗、右は水指に藁を巻き鞘に入れたところ
(この写真の水指は出来が悪かった)こんな物を3~4個作る

   
左は別の鞘の水指の素焼きの上がり   右は釉薬を付けて
本焼をして出来上がった水指

  
素焼きをした後釉薬を塗り本焼して出来上った茶碗
樂茶碗としては邪道なのかもしれませんが窯変を求めて遊んでいます









楽茶碗を作る 9

2007-10-22 18:39:30 | 工芸
再び飴釉の茶碗
今回の焼成日は新しく購入した弁柄の色と
量をを試すためと、焼き方による変化について
の研究のため飴釉茶碗だけの焼成をしました

飴釉



6個の窯のうち飴専用の
窯に火が入れられました


釉薬が塗られた茶碗は
蓋の上に置き暖めておく


前日に素焼きの終った
茶碗はゴミをよく払う


釉薬を刷毛で二度塗る
左は違う釉薬の重ね掛け


窯に入れられた茶碗
目で確かめながら火を燃やす


窯から出した瞬間の茶碗
火の入れ方で違う物ができる


重ね掛けした茶碗 途中から
煙を入れ弱還元で焼いた


窯肌に近い部分に偶然に
窯変が見られた


意識的に釉薬の塗り方を
変え変化を作った


変化した薬の流れと
高台 一瞬煙を入れた

飴釉の茶碗は同じ釉薬を使用しても塗る厚みによって
色が違ってきます。それを利用したのが上の平茶碗。
また燃やす木材、焼き方、窯の中の置く(5~6個)
位置によっても違う物が出来ます。ということで
人間の智恵と火の神様の合作ではないかと思っています



東北芸術工科大学社会人講座

2007-09-19 21:45:41 | 工芸
陶芸「志野を焼く」講座
平成10年4月東北芸術工科大学が地域貢献の狙いで一般社
会人を対象にした特別講座を開設した。「あなたも芸工大生に」
の新聞記事にひかれ陶芸講座を受講、ロクロで大鉢を作る、
から始まって色々のテーマに挑戦し、以来七年飛び飛びではある
がまだ楽しんでいる。その足跡を思い出しながら綴っていきます
最近焼いた(平成18年~19年)志野の作品から始めます

  
  
  
百草土(もぐさ)五斗蒔(ごとまき)それぞれ赤・白土による無地志野、鼠志野、
絵志野、紅志野、練込みのテストピース実際は是の4倍作った

[水 指]


[鉢]

[茶碗」


無地志野とその高台


絵志野


鼠志野の心算



三島手茶碗

2007-02-18 08:47:36 | 工芸
今日は旧暦で1月1日(元日)です
1月30日tamagoさんのブログで三嶋暦を知り
入手しました。三嶋手の茶碗を作ったとき呼び
名のルーツである暦をぜひ見てみたいと思って
いたからです。予想に違わず楽しいものでした。
月の満ち欠けを基にした旧暦のこと、六曜、
十二支の事など・・・

三島暦のこと三島茶碗のことをtamagoさん
が詳しくUPしていらっしゃるので下記を
クリックしてご覧ください
tamagoさんのブログ
一昨年my窯で焼いた三島手の茶碗です
土も色々、焼き方も色々の方法です




かな文字で細く版木に摺られた崩し文字
の三嶋暦を見ていると、その昔朝鮮半島
から渡来した茶碗に「みしま」「こよみ」等
呼び名を付けて愛用した茶人が偲ばれます

旧暦のこよみついて
奥の細道で『静かさや岩にしみいる蝉の声』は
松尾芭蕉が5月27日山寺を訪れた時に読んだ句で
す。そのときの鳴いていた蝉の種類についての論
議があったとき、旧暦5月27日が新暦の7月13日で
その時季に鳴いている蝉は?ということで決着が
ついたそうです。古典文学をひも解くとき、また催
しの日にちを決める、など旧暦の暦があると便利で
すね。農家の方にも欠かせないと聞きました。


樂茶碗を作る 8

2007-02-03 22:33:42 | 工芸
黒樂茶碗
黒樂茶碗は加茂川石を主成分にした釉薬を
厚く刷毛塗りし、窯で一個づつ焼き上げます


茶碗の真ん中にあるのは
長い火箸の目跡(窯から取り出すときつまんだ場所)
樂家代々目跡が違い判定の一つになると聞いています



①鴨川石粉に白玉
鉄分など加えて布海苔で
溶いたもの


②刷毛塗りした釉が
乾いたら塗り重ね4回
繰り返す


③窯の中を綺麗に掃除
をして底に15本の五徳
ならべる


④内窯を置く
この中で茶碗を1こづつ
焼く事になる


⑤内窯に蓋をして
火を付けるための
準備OK


⑥火をつけコークスを
入れてブロアーで温度を
上げる。茶碗も温めておく


⑦火を入れてから
3時間ソロソロ1200度
近くなった


⑧暖めてておいた茶
碗を内窯に1個入れてさ
らに温度を上げる


⑨窯に入れてから
3~5分、釉の溶け具合
を目で確かめて取り出す


⑩一気に水に入れ
冷やす(急冷)
一碗の出来上がり

  
艶消しの窯変        山並みのつもり?      酸化窯変                    



楽茶碗を作る 7

2007-01-16 22:22:39 | 工芸
白楽茶碗に絵付けをする


『六 瓢』 和紙染め
呉須で色の重なりを狙った


赤大根の絵
陶芸用のクレパスで書いた後800度で焼いた物
紅い大根は山形県尾花沢産


赤カブの絵
大根と同じクレパス画 下絵付けです
冬には大根とか蕪の絵茶碗を好んで使います
赤蕪は庄内温海名産

藍草で染める

2006-08-14 14:54:55 | 工芸
藍の生葉染め
友達の畑に四月下旬藍の種を蒔いて貰いました


刈り取る前の藍畑



畑にはお客さんが
待っていました
コンニチワ・・


花芽が着く少し前
精の一番強いとき
を選び刈り取る

葉だけをを摘み取り
ミキサーですりつぶす


木綿の袋で
漉した染め液


した処理をした布を
液に浸し上下左右と
万遍なく染まるよう
動かして20分


水洗いしてから
過酸化水素で色留して
乾かす、この時に
晴天だと発色が良い

仕上がった作品色々

    

    

     
藍はタデ科の一年生草木で高さ50センチ~70センチ、
秋に紅色の小花を穂状に付ける
南ベトナム原産で渡来し染料としての歴史は古い
阿波の藍玉が広く知られているが素人には難しすぎる

そこで草木染の本で生の葉を使って染める方法を知り
まず藍の種をまいた。江戸時代の打掛け、小袖展を見て
徳川家康も愛したという縹色(はなだ)に憧れたからである
15年も前の話です

残っていた材料で久しぶりに挑戦してみました
下段2枚は媒染剤をいれ青磁色にしたつもり?
右側はウール地 

楽茶碗を作る 6

2006-07-24 16:49:27 | 工芸
飴釉茶碗
飴色の釉薬はべんがらの質、量によつて色が変わりきます
焼成の過程でも窯の雰囲気(酸化 還元)燃やす木質等によっても
違ってきますので出来上がりは千差万別
一つとして同じ物が出来ません


  

  
 
乳鉢でよく擂った
弁柄を唐土などと
交ぜ合わせ80メッシュ
で濾しふ糊で濃度を
調整する


  
 
筆で二回塗った茶碗
釉薬の厚みでも
色が変わる




  
 
飴釉を焼く専門の窯
直径1メイトル、高さ
1メイトルと3個の
中では一番深い

  
 
窯をのぞき釉薬が
溶け始めたら弱還元で
焼いてみる


  
 
強還元で焼いた物で
口元に違う釉薬を
二重掛けした

  
 
上の茶碗の高台










楽茶碗を作る 5

2006-05-30 16:59:40 | 工芸
『本焼』
素焼きの終わった茶碗に釉薬をつけよく暖めてから窯に入れます
まず釉薬つくりから


唐土 珪石等を混ぜ合わせ
布糊で溶いて
80メッシュで漉す


釉薬の出来上がり
濃度を調節して
筆塗りをする



窯の温度を上げるため
どんどん木を燃やす
800度以上に・・


窯肌が赤から
黄色に近くなると
入れるタイミング



引き上げる頃合いを
目で確認して
蓋を開ける


高い温度なので
一応仮置きする
手前からあげた順



素焼きの黒い茶碗も
微妙な色合いに


釉薬の下に
少し工夫をした



付きすぎた炭付けを
釉薬でカバー


銘 せおと

このたび焼成の赤楽茶碗はまずまずの出来でした
12~13人の共同作業なので火の当番も交代でしますが
少人数ではつらい作業なのです
夏に向かって熱射病に気をつけて冷水と塩を用意して置きます
焼くことが好きな人達のグループだから続いているのかもしれません

楽茶碗を作る 4

2006-05-16 17:12:22 | 工芸
『素焼きをする』

黄土をすり込み十分に乾燥した茶碗を窯変をつけるための素焼きをします
これは赤楽茶碗のみの独特の方法です 炭付けと呼んでいます

ドーナツ形の五徳を入れ温めて
おいた茶碗を並べる


炭を入れブロアーで空気を送り
温度を上げる


のぞきながら焼き上がりの
タイミングは経験と勘で


窯よりあげ
土間に移す様子

高さ60センチ足らずの小型のこの窯は池田退助先生が
独自に開発したものです。自然の炭付けによる墨の濃淡は
深みのある色相となって焼き付けられます


素焼きの終わった
茶碗です


窯変の出過ぎ?



真っ黒になってしまった


この模様がそのまま
残るとは限らない

素焼きの終わった茶碗はごみをよく払い、釉薬をかけて高さのある
大きな窯で薪で焼きます。その模様は次回に・・
素焼き茶碗写真の後ろに見える穴あき円筒形のものは
この窯の五徳の働きをする物です。
これでドーナツ盤の高さを調節します