ガラパゴス通信リターンズ

3文社会学者の駄文サイト。故あってお引越しです。今後ともよろしく。

ああ、腹がたつ!

2008-04-20 13:58:32 | Weblog
千葉県の県立高校で、入学金を納めていなかったという理由で、新入生二人が入学式への参加を拒否されました。この二人の生徒とご両親は、どれほどの屈辱を味わったことでしょうか。こういう卑劣な「みせしめ」をして恥じることのない校長に「教育者」を名乗る資格はありません。

 マスコミ報道によれば、教育行政は現場の先生たちに、未納の授業料の徴収をさせているとのこと。お金のとりたてが教師の仕事でしょうか。日教組は日の丸・君が代ばかりにかかずらっていないで、授業料徴収の押し付けに徹底的に抵抗をしてください。「子どもたちに二度と授業料を支払わせない」というスローガンを掲げればよい。高校大学の学費は無償であることが、国際人権規約に定められた「世界標準」なのですから。

 授業料未納の総額などたいしたものではないはずです。くだらぬ石原銀行には何百億税金をつぎこんでも平気。無用なダムにもやはり何百億もすでにお金が投下されている。そして「特定財源」を守ってじゃかじゃか無用な道路を造ろうとしている。他のところでは相変わらず湯水のようにお金を濫費しているのに、こと教育に関わることだと、はした金でも目の色を変えて取り立てようとする。

 今回の千葉の高校のようなことをやれば、子どもの心がどれほど傷つくかなどということにはまったく頓着がないらしい。この国の大人たちは教育を無価値な営みだと思っているらしい。子どもなんかじゃまだと思っているらしい。子どもや教育をおろそかにしているのだから、誰も子どもを生もうとしないのは当たり前です。

 それにしても生活保護を打ち切って餓死させてしまった北九州の事例といい、今回の入学金の問題、そしてかねての給食費未納の問題といい、この国の権力は貧困を懲罰の対象と考えているようです。これはイギリスで救貧法が施行される以前の感覚です。21世紀を迎えたこの国は、19世紀に逆戻りしてしまったのでしょうか。


35 コメント

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そんな考え方信じられない (え~!?)
2008-04-21 00:54:11
モンスターペアレンツもあなたと同じ考え方なんでしょうね。
きっとそういう人たちは入学金を納めなくても温情で入学式に出させてもらったら、「入学金を納めなくても入学式に出たんだから入学する資格はあるっ!」て言いそう…
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教師が集金 (hikawa)
2008-04-21 09:01:45
 小学大学は別として、中高の教師は概ね暇です。事務もまともにしていない人も実に多いです。もし、教師達が生徒が払えない少額の給食費などをたてかえて、生活に困窮しているならば、それはすくわれなければならないでしょうけど、現状ではそんなことはないですよ。
 教師はもっと積極的に集金とかに関わるべきです。学校の教師よりはるかに密着し、関係も深い家庭教師や塾の講師は集金などは自分で行うのは当たり前であり、授業料をもらえない場合も少なくありません。そういった場合でも、加齢さんがあげられたような間抜けな集金方法はとりません。良心的な問題もありますが、もし、そのような集金方法をした場合には地域社会から追放にちかいような状態になってしまいます。地域との密着が無い、説明不足も多い。特に今回の件は事前に説明もしているようですが、説明不足はいなめません。補助金があること、分割納入が可能である事、それらがちゃんと親達に説明されていない可能性が非常に高いですね。おそらく、紙ペラをわたしただけで、それいじょうのことはしていない。入学までに時間があるのだから、担任予定者が全生徒の家庭を個別に訪問して説明をしても良かったのじゃ無いかと思います。寺子屋時代ソフィスト時代のお月謝を頂くという精神が教師には欠けているようにおもいます。自分達の生活が教育業によってせいりつしているのならば、親御さんに頭をさげて月謝を頂くという意識が欠けているといいわざるを得ません。それをさしおいて、まるで脅迫のような行為に出る。これは間抜けとしかいわざるを得ない。

授業料に関してはアフリカなどのような貧困国でもないにもかかわらず公教育のための増税はこの国ではうけいれられないという背景が非常に大きいとおもいます。(教員のあの異常なまでの所得上の優遇や休暇の多さも信じれない)アフリカなどではみんなで学校はつくるものだという自分のための学校という感覚もない。ただ、行政機構の権力を固定するための機関として学校は存在している。

所得に応じた教育税を設けるというのが公教育において持ち込まれるのが妥当だとおもいます。教育が無償になるためには教育の目的税を設立する。そのうえで現教育制度において恩恵をうけている高所得者にはその恩恵に応じて累進的な増税をおこなう。
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僕の場合 (hikawa)
2008-04-21 09:48:49
 週一回1.5時間の家庭教師指導に対して指導料の設定は15000円から5万円と説明すると同時にまったくいただいていない生徒さんもいますと明言しています。月に全体で30コマ、このうちの10コマは無償ということです。
 金額によって指導の公平性はそこなうことはしません。といっても払える親御さんは「ああ、そうですか、他の生徒さんにまわるんですね」といって理解していただいています。これで月に60から100万までの収入があり、教材代(ノートや参考書の類いはズベて僕が買いそろえますし、野外学習などの経費もこのお金から使わせていただく)収入の半分ちかくはここで消えるし、公教育のお金を払えない子供たちの受験代金や入学金も貯金してここから支出します。また、うちの家を避難場所にしている子供たちの食事代もここから出します。けれども、生活費にこまったことなど一度もありません。

一日12時間指導のあるときもないときも必死になって生徒のことを考え続ける。そうすれば地域はかならずそれに答えてくれます。

なまくらと夏休みに海外旅行であそびほうける教師ども、自分の都合で生徒をいじめる教師どもをみていると実にはらだたしいですね。そんな暇があるならば自分が教える範囲や子供たちが生きていく術を教えるために自分を研鑽してほしい。僕が簿記や建築、危険物などの資格をとり続けるのはそのためだけれど、それを真似しろとはいわない。しかし、夏休みくらいマメに生徒に連絡をとってしかるべきだと思いますね。
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月でなく (hikawa)
2008-04-21 09:52:35
週に30コマでした。
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説明不足 (加齢御飯)
2008-04-21 13:13:03
「補助金があること、分割納入が可能である事、それらがちゃんと親達に説明されていない可能性が非常に高いですね」。

 hikawaさま。この問題では「困窮している人」と「不心得者」の二分法で語らえる場合が多いのですが、ご指摘の点は重要だと思います。様々な支援制度があることを知らないという場合も非常に多いのではないでしょうか。自分が困窮しているということ派なかなか言い出しにくいので、親身で血の通った対応がなされないとそういう質問も引き出しにくいのでしょう。しかし教師は人と関わることが仕事なのですから。

「寺子屋時代ソフィスト時代のお月謝を頂くという精神が教師には欠けているようにおもいます」。

 教師への報酬は給与ではなく謝礼の形をとるべきだというひろのさんの言を思い出します。役人と化した教師は果たしてお月謝がいただけるような授業をしているのかと自問するべきでしょう。私も含めて(笑)。
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民営化 (かつのり)
2008-04-21 14:11:35
>役人と化した教師は果たしてお月謝がいただけるような授業をしているのかと自問するべきでしょう。私も含めて

民営化には、それなりの役割もあるかもしれないと思う。

生徒の欲する授業、すなわち、学校のクラブ活動化というのは、もしかすると必要かもしれない。でも、それで良いんですか? よく分かりません。あと、お腹が出ているような先生は首になります。(クラブ活動の指導ができそうもないから)。そういうので、良いのでしょうか。これもよく分かりませんね。
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特殊事例 (かつのり)
2008-04-21 14:18:44
>一日12時間指導のあるときもないときも必死になって生徒のことを考え続ける。そうすれば地域はかならずそれに答えてくれます。

hikawaさんの話は面白いのですが、あくまでもカリスマ先生の特殊事例という気がします。

>親御さんに頭をさげて月謝を頂くという意識が欠けているといいわざるを得ません。

このあたり難しいですね。頭を下げたら、教師が舐められてしまう。エラソウにするというのは、ある意味で仕方ないとも言えるからです。だが、エラソウでお話ができない小中高の先生が多いのもまた、事実です。(小中の職員室ほど不愉快な雰囲気の所はない!)

余談ですが、うちの隣の東林小の副校長は、電話で「バカヤロー」と言いました。ま、翌年には別の学校に行ってくれましたが。 
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学校事務 (かつのり)
2008-04-21 15:30:56
>教育行政は現場の先生たちに、未納の授業料の徴収をさせているとのこと。お金のとりたてが教師の仕事でしょうか。日教組は日の丸・君が代ばかりにかかずらっていないで、授業料徴収の押し付けに徹底的に抵抗をしてください

学校事務にそういう仕事をおしつけるのだけは止めてもらいたいと思います。ま、そういうことは、大学でも、そうではないかと思います。

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お金が無くて退学しようかどうしようかという生徒のにたいしてどういう言葉を掛けてやるかで、以前論議になりましたね。
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カリスマじゃないとおもう (hikawa)
2008-04-21 17:15:09
クリエイターだった、やりはじめだったとおもうけれどカリスマじゃないと思いますよ。以前にかつのりさんに話したと思いますけれど、僕の家でのホームパーティーでノラ猫さんと一緒にニュースサイト(ニュースを読むたびにアナウンサーのおねぇさんが一枚ずつ服を脱ぐ)を見ながら盛り上がった小学校の教員M君という30半ばの青年が学校をやめて同じ事をしています。同じように生徒を増やしていってます。彼の場合は僕よりも若くて体力もあるから、もっと増えていくと思いますよ。

別にカリスマでなくてもやり続ければ結果は出ますよ。
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母として (てんてん)
2008-04-21 18:23:02
このニュースを新聞で読んだとき、私は単純に高校の対処は正しかったと思いました。

不心得者と貧窮者のどちらであったかはわかりません。

高校受験を経験した子供を持つ母として、親の立場で
考えた時にこの両親(もしかしたら一人かもしれませんが)は合格発表から入学説明会、そして入学式当日まで、いったい金銭面の準備はどうしていたのだろうかと思いました。制服買ってお金がなくなってしまったのでしょうか?高校に通うために必要なものは一部しかそろえていなかったのでしょうか?

合格発表から入学式まで1ヶ月以上あります。
その間に9万円を工面するという努力をしていなかったのでしょうか。

温情とか配慮という前に教育を受けるための義務は果たすべきだと思いました。

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