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安田由久が驚くべき聖書の世界をご案内します

新約聖書の世界 28 新約聖書の地理の基礎知識 13 パレスチナ 13 貧しいパレスチナの風土 

2023-04-09 04:00:00 | 聖書入門 新約聖書
さてパレスチナに住む一般住民は、小さく暗い家に住んで、家畜と過ごすという状態でした。

事実、福音書には


ルカによる福音書
2:6 ところが、彼らがベツレヘムにいるうちに、マリアは月が満ちて、

2:7 初めての子を産み、布にくるんで飼い葉桶に寝かせた。

宿屋には彼らの泊まる場所がなかったからである。


これは福音書の物語ではなく、当時の庶民生活そのものといえます。

また炊事は家の傍にあ小さな土器のかまどであり、食物はパンが主食です。

それを油に浸したり、魚、野菜、果物が添えられました。

飲み物は水か水に薄めた酢でした。ぶどう酒や肉は稀でした。

またパレスチナは乾いた気候、やせた土地であり、そこに住む人たちは様々な病気に悩まされます。

多かったのは皮膚病でかなり酷いものは、嫌悪され、隔離されています。

福音書における癒しの記事を読めば、様々な病気を持つ者がいやされていますが、

そのような病気が支配し、それは悪霊のなすものであり、

イエスは聖霊の働きで癒されていくことがリアルに語られています。

そして干ばつよる気象異変、風土病に加えて、

パレスチナはローマ帝国の圧制下にあり、重税などに苦しめられます。

また民族的にみますとアフリカとアジア大陸を結ぶ地点にあるパレスチナは、

多くの血が混ざり合うことになりました。

ヨルダン川の西岸であるユダヤはユダヤ人が多く、

エルサレムを中心にイスラエル人が多く住んでいます。

イスラエル人とは紀元前2000年頃、様々な地方から移り住んだ

ヘブライ人とペレスチナ原住民との混合となり、王国建設、とくにダビデ王以降は、

エルサレム中心の政治勢力となります。

紀元前6世紀にバビロニア捕囚がありますが、その後も政治宗教の中心はエルサレムでした。

ユダヤとは純イスラエルということになります。

しかし、北部のサマリアは紀元前8世紀にアッシリア帝国に征服され、

非ユダヤ的な住民が占めていきます。

そして新約時代は、エルサレムから独立して、ゲリジム山で礼拝が行われていました。

特にモーセ五書だけを聖書としていました。

同じ神を持つものたちでしたが、エルサレムとは異なる風習をもっていたのです。


ヨハネによる福音書
4:9 すると、サマリアの女は、「ユダヤ人のあなたがサマリアの女のわたしに、

どうして水を飲ませてほしいと頼むのですか」と言った。

ユダヤ人はサマリア人とは交際しないからである。

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