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安田由久が驚くべき聖書の世界をご案内します

新約聖書の世界 46 新約聖書時代背景 06 新約時代の幕開け 06 イスラエル王国の命運 05 物情騒然たるユダヤの地 

2024-04-06 04:00:00 | 聖書入門 新約聖書
映画ベンハー(注・01)でも描かれているように

ローマ帝国支配下でユダヤは内乱と略奪が繰り返されていました。

ヘロデ王の後継者も内乱を押さえられず、

ローマ総督の支配となっていきました。

まさにローマ帝国は政治的な圧迫と信仰的には異教徒であり、

もういちどイスラエルの復興を願う様々な独立運動がうごめいていたのです。

特に熱心党といわれるグループの一員であった

イエスの弟子、シモン((注・02)もいましたが、

他にも使徒言行録では、

使徒言行録
5:36 以前にもテウダが、自分を何か偉い者のように言って立ち上がり、その数四百人くらいの男が彼に従ったことがあった。彼は殺され、従っていた者は皆散らされて、跡形もなくなった。
 5:37 その後、住民登録の時、ガリラヤのユダが立ち上がり、民衆を率いて反乱を起こしたが、彼も滅び、つき従った者も皆、ちりぢりにさせられた。


とあるように、ユダヤの地は物情騒然たるものであったのです。

日本でいえば140年続いた戦国時代に似ています。

そして紀元66年にかつてない大規模なローマ総督への反乱が起こります。

これがユダヤ戦争(注・03))です。

この結末は実に悲惨であり、

キリスト教がユダヤ教とは、完全に分離されていく

大きなきっかけとなります。


ベンハー(注・01)
1959年のアメリカ合衆国の叙事詩的映画。ルー・ウォーレスによる小説『ベン・ハー』の3度目の映画化作品である。ウィリアム・ワイラー監督。チャールトン・ヘストン主演。帝政ローマの時代に、国を失った民族であるユダヤに生まれた青年:ベン・ハーが苛酷な運命に巻き込まれ、ある時は復讐に燃え、ある時は絶望に陥りながらも、神が為す業により再生される迄の軌跡と、その遍歴において姿を顕して道を照す救世主:イエス・キリストを絡めて描く。原作の副題に「キリストの物語」とあるように、キリストの生誕、受難、復活が「ベン・ハー」の物語の大きな背景となっている。この映画はタイトルが出る前にキリストの生誕で始まり、キリストの処刑とともに復活で「ベン・ハー」の物語が終わり、宗教色が色濃く出ている。(ウィキ)

イエスの弟子、シモン(注・02)
熱心党のシモンに言及した最古の史料は『マルコによる福音書』であり、その他、彼に関する新約文書の言及箇所は、この福音書を写したものである。マルコ福音書の該当箇所は、「熱心者のシモン」と記されている。これを写した『マタイによる福音書』も全体の文体を変えてはいるが、「熱心者」という呼称をそのまま用いている。この語は「熱心党員」を指す一般的なものではなく、実際に何を指しているのかは不明である。ローマに反抗していた「熱心党」を指すとも考えられるが、律法(トーラー)に熱心な者を意味しているとも考えられる。一方、『ルカによる福音書』は、マタイと同じく、マルコを写しながらも、この語を「熱心党員」と置き換えている。しかし、ルカ文書(『ルカ福音書』と『使徒行伝』)は、このシモンに関しては、全て『マルコ福音書』の記述を写しているため、ルカに従ってただちにシモンを熱心党員と考えることはできない

ユダヤ戦争(注・03))
帝政ローマ期の66年から73年まで、ローマ帝国とローマのユダヤ属州に住むユダヤ人との間で行われた戦争である。ヘロデ大王の死後、ユダヤ属州はローマの総督によって直轄されていたが、大王の孫であったアグリッパ1世は巧みにローマ側にすりよって、41年にユダヤの統治を委ねられた。このアグリッパ1世が44年に病死すると、再びユダヤ地方はローマの直轄地となった。当時のローマ帝国は基本的に被支配民族の文化を尊重し、統治者としてバランスのとれた巧みな統治政策を示しているが、多神教文化であった地中海世界の中で、一神教を奉ずるユダヤは特殊な文化を持った地域であったため、支配されていたユダヤ人のローマへの反感は日増しに高まった。フラウィウス・ヨセフスによると、「ユダヤ戦争」が勃発した発端はカイサリアにおけるユダヤ人の殺害であったという。即ち、当時のユダヤ属州総督フロルスがエルサレムのインフラ整備のための資金として神殿の宝物を持ち出したことにあったといわれている。これをきっかけにエルサレムで過激派による暴動が起こった。(ウィキの一部)

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