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「首都防衛」を読んで備えておこう 

2024-01-16 04:00:00 | 日本のゆくえ
福井県立図書館で年末年始に読もうと10冊借りた本の中に

「首都防衛」(宮地美陽子著・講談社現代新書2023.10発行)がありました。

今年、元旦に起こった能登半島地震は、

マスコミの報道やSNSでしか得られない情報ですが、

この本とともに地震への備えをどうするか多くのことを考えさせられました。

著者の宮地さんは現在、東京都知事政務担当特別秘書として、

首都圏を襲う直下地震や南海トラフト、富士山爆発など想定した

危機管理担当を担う方です。

この本で、地震が襲った時、生死を分けるのは

「7秒」だと指摘されています。

すると今回の能登半島地震ではどうだったのでしょうか。

マスコミでこれまで知る限り、2020年末から500回を超える地震で

3年間も続く多い揺れに慣れてしまって、猛ダッシュで自分のいた居間や

家から逃げることをしなかった方が多くおられたように思えます。

1990年のバブル時代の終わりごろでしたが、

日本橋の明治生命社でFPの会議をしていたらビルが大きく揺れ、

慌てて飛び出したのは、名古屋から来た私一人で、東京在住の人たちは

平然として会議しておられ、赤面したことが忘れられません。

また、ハザードマップで弱い地盤とか

津波のリスクを常に頭に入れておくべきだとこの本で指摘されていますが、

能登半島地震では果たして、住民の方は

どこまで身体に刻み込んでおられたのでしょうか。

3年間も続く地震の連続で慣れてしまいますと

少なくとも7秒で逃げる原則がどこかに薄れ、

猛ダッシュで逃げる意識が遠のいていたのではないでしょうか。

また、今回の能登半島地震では、

耐震基準をクリアーした住宅の半数が損壊したということですが、

その理由は3年間も続く地震で留め金などが緩んだからだという

指摘もありましたが、緩んだのは、

地震への瞬間的な対応能力だったかもしれません。

2017年春、能登半島北端の能登町に農家民宿で大きく成長していた

「春蘭の里」(注・01)に体験宿泊し、いくつかの施設を見学させていただき、

私が立ち上げた農家民宿「古民家ファスティング藤樹の宿」(滋賀県高島市)

のモデルとさせていただきました。

そして私たちの施設もようやく軌道に乗り始めたのですが、3年後には

コロナ禍になり、来会者も少なくなったので、

再度、「春蘭の里」でお世話になった農家民宿に宿泊して、

今後の新しい戦略を練るために長期滞在する予定でした。

しかし、その頃から頻繁に能登半島に地震が発生するようになりました。

かつて4年前に訪問した時、珠洲市や輪島朝市、

能登空港付近や海岸の観光地など自動車でいろんな所を回りましたが、

非常に気になったのは、防波堤と地盤(特に低い山)の弱さでした。

しかも津波に対しての防波堤は低く、土砂崩れへの砂防ダム、土手の

補強があまりなく、危険を感じていました。

それゆえ、もし地震で何が起こればかなり危いのではないかと判断し、

能登半島や「春蘭の里」に行くのを取り止めました。

今回の地震では、年末年始に里帰りしていた

いくつかの家族が犠牲になられたのは

酷な言い方ですが、自分の帰るべきふるさとの家の

ハザードマップを頭に叩き込み、避難箇所や津波、山崩れなどの逃亡ルート、

緊急避難用バックなど、イザと言う時の備え(注・02)を十分して

帰省しておられたのかです。

またこの本では、

これまでの大災害から得られた10の教訓を上げておられます。

その第1が初動の遅れです。

今回も元旦ということもありましたが、政府も県も初動でかなり遅れ、

輪島の朝市の大半が焼失するなど、多くの命が奪われました。

陸が通れないのなら海からでもという勇ましい政府の掛け声でしたが、

自衛隊の上陸用舟艇も出された様子がなく、掛け声だけでした。

教訓の4には、倒壊する家、家具の中で

隙間を考えた身を守る行動をとる備えとありありましたが、

今回の能登半島地震で撮影されたSNSを見る限り、

最低限、机の下に隠れるという行動がなく、テレビの倒壊を防ぐ男性とか

ただ布団を被っている映像にはショックを覚えました。

事実、その布団の上に大きな梁が落下していく映像があったからです。

私はその時に福井市の家で書斎にいましたが、

警報と最初の揺れで少なくとも7秒以内に机の下に隠れました。

ちなみに福井市は震度5弱でした。

ともかく命をつなぐ隙間をいつも頭に入れておく備えが重要です。

教訓の6は、救援を当てにしないことです。

救援を待たず、自力で解決する備えが必要だということです。

また今回も緊急用携帯トイレと水不足の困窮が伝えられていましたので、

緊急用バックは大丈夫なのか、それらが入っているのか再点検しました。

今回は3つの教訓を紹介しましたが、関心ある方は近くの図書館で借りるか

買える方は、アマゾンで購入しても読む価値のある本です。

ともあれ能登半島地震で被災された方たちの早い回復を祈ります。

また私と関わってきました「春蘭の里」や

燃えてしまった輪島の朝市など観光資源が

早く回復されますように願っています。

そして能登半島をはじめ、

石川、富山、新潟、福井北部など被災された方々の回復を祈ります。

※ps
1/8のXの情報で、「春蘭の里」や責任者の多田さん一家が無事であり、自分の宿泊施設よりも地域の救済のために働いておられるとのことで流石です。ひとまず安心しました。早期の回復を祈ります。


「春蘭の里」(注・01)
石川県鳳珠郡能登町及びその周辺に存在する農家民宿群。2011年6月に『BBCワールドチャレンジ2011』にて4位を獲得し、地域おこしの先駆的事例として紹介された。過疎化の進む能登町周辺の再生を目的に、1996年に「春蘭の里実行委員会」が結成され、翌年1997年に最初の農家民宿が開業された。農家民宿数は徐々に増え、2018年現在は49軒となっている[4]。2010年10月、生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)のエクスカーション受け入れにてSATOYAMA(里山)の代表として紹介され、また、2011年10月にイギリス『BBCワールドニュース』の地域課題解決の取組みを紹介する「ワールドチャレンジ2011」にて4位にノミネートされたり、2013年10月29日には皇太子徳仁親王の訪問を受けたりした。個人客のみならず、修学旅行などの団体客取込みを進めることで、宿泊客数を徐々に増やし、2016年時点で、年間1万人超の訪問客が訪れている。農家民宿とは一般に農家が自宅や離れなどに観光客を宿泊させるサービスのこと。春蘭の里では、地元食材を使った郷土料理や伝統文化の体験など地域資源を生かしたもてなしが特徴で、山菜採り、まきわり、田植えなどの農業といった日本の農村生活を体験できるアクティビティや、輪島塗の器に、川魚を囲炉裏で焼いたものや、里山で採取される山菜やキノコを盛り付けた料理が提供される。(ウィキ)

イザと言う時の備え(注・02)
週刊現代(1/13/20合併号)で日本地震予知学会会長、長尾年恭氏は1年前から能登半島で起こっている群発地震は、必ず1年後にM7クラスの大地震が来るとメディアで発信しておられたと書かれていますが、当事者の能登半島の人々は耳を貸さなかったということになります。また、長尾氏は今回の能登断層の東側にある佐渡島付近で同じ規模の地震が起こるといいます。すると人口80万人が住む新潟市を津波が襲うことになるいいます。また、その次に危険なのは福岡市、次に北九州市、宗像市です。そこに出張する友人に対して、長尾氏は、年式の新しいビジネスホテルに泊まり、昔からの格調高いホテル、旅館には泊まらないようにアドバイスしているということです。また大地震予知地域は、次に山梨県、長野県県境、鹿児島屋久島、東北三陸沖、伊豆大島の三原山だと指摘しています。そこに移住など検討しているから、転勤を考えている方は備えが必要です。実は週刊現代の予知報道記事は当たっていると以前から興味がありました。阪神淡路大地震の発生した日に近くの愛知銀行のロビーに置いてあった週刊現代の特集が阪神地方に確実に大きな地震が発生するという内容で、それが現実に起きていたからでした。週刊誌の地震予知報道を軽く見ずに備えの参考にすべきでしょう。

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